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INTERVIEW

Japanese

THEティバ

2021年02月号掲載

THEティバ

Member:明智 マヤ(Vo/Gt) サチ(Dr)

Interviewer:山口 智男

2018年結成の2ピース・ガールズ・ロック・バンド、THEティバが2nd EP『THE PLANET TIVA part.1』と2.5th EP『THE PLANET TIVA part.2』を連続リリース。ともにQUATTROの岩本岳士をプロデューサーに迎え、ローファイ感覚のインディー・ロック・サウンドをレベルアップさせつつ、楽曲の魅力をそれぞれに際立たせることで、THEティバの可能性を存分にアピールするものに。何にもとらわれない感性を持つふたりは軽やかに世界を目指す。

-バンドのバイオグラフィの中の"カナダ出身という設定で活動中"という記述が気になったのですが(笑)。

サチ:最初は出身と言って、やっていたんです(笑)。

-つまり、カナダ出身ではないということですね。

サチ:個人的には何も関係ありません(笑)。

マヤ:前身バンドの解散後、サチが"またバンドをやらない?"と言ってくれて、どんなバンドをやろうかという話をしたとき、好きなバンドを挙げながら出身国を調べたんですよ。

サチ:お互いの好きなアーティストのね。

マヤ:そしたら大半がカナダ出身だったんです。

サチ:だったらカナダ出身と言っていこうって(笑)。

-なるほど。そういうことだったんですね。そのとき好きだったカナダ出身のバンドって例えば?

マヤ:PEACH PITとか、Bryan Adamsとか、Avril Lavigneとか。

サチ:PUPとか、ALVVAYSとか、CRYSTAL CASTLESとかですね。

-もともと、おふたりは花魁少年というバンドをやっていたそうですが、そのバンドが解散するときには、もうふたりでやっていこうと決めていたんですか?

サチ:いえ、解散しようってなったときは全然、考えていなかったです。

マヤ:私がとにかく弾き語りをやりたくてまっしぐらだったよね?

サチ:そうだね。

-マヤさんが弾き語りをやりたいというのが花魁少年の解散のきっかけだったんですか?

サチ:花魁少年は6年ぐらいやっていたんですけど、4年目ぐらいから、活動がなあなあになっていて、バンドとしては終わっていたんです。

マヤ:メンバーそれぞれのモチベーションに差があったんですよ。

-だったら、弾き語りでやっていこう、と。サチさんからマヤさんに"またバンドやらない?"と声を掛けたのは、バンドをやるならやっぱりマヤさんだと思ったということですよね?

サチ:そうです。当時、もう1個バンドに入っていて、それは私が途中から入って、結局抜けちゃったんですけど、別のバンドをやってみて、"やっぱりこの人、いいんだな。作る曲がすごくいいんだ"ということがわかったところがあって、もう1回やりたいと思いました。そしたら、マヤも"じゃあ英語でやろう"って言ってくれて。

マヤ:とにかく花魁少年と違うことをやりたかったんですよ。

サチ:花魁少年は暗くて、日本詞だったから、逆をやっていこうって。

マヤ:ハッピーになりたかったんです。花魁少年は完全に日本って感じで、それもイヤだったし。イヤだったと言うか、その頃からなんとなく海外にも行きたいと思っていて、でも、日本語で歌っていたら海外には行けないから、海外に行くための1歩目として、日本詞はやめたかったんです。

-花魁少年と違うことをやるということ以外に目標にしていたバンドはいたんでしょうか?

マヤ:やっぱりカナダのバンドなんですけど、DEAD GHOSTSみたいな曲をやりたいと思っていました。すごくハッピーなバンドなんです。

サチ:最初はそんな感じでした。

-「Cloud nine」の歌詞の中に"ニルヴァーナ"と出てくるのですが――

マヤ:それは宗教的な意味の"ニルヴァーナ"です。

-あ、仏教で言う涅槃のほうの。

マヤ:バンドのNIRVANAはそんなに知らないです。「In Utero」は好きですけど、それぐらいしか知らないです。サチもNIRVANAはあんまり聴いたことないよね。

サチ:うん、有名な曲しか知らないです。

-そうだったんですね。『THE PLANET TIVA part.1』と『THE PLANET TIVA part.2』を聴いて、NIRVANAをはじめとする90年代のオルタナ・ロックを連想したのですが。

マヤ:PAVEMENTとか、EELSとか、最近ハマり始めて、よく聴いていますけど。

サチ:レコーディングではPAVEMENTを参考にしていたところもありましたね。

マヤ:90'sっぽいと思われるのは、たぶん、90'sの人たちと私たちのルーツが似通っているからかもしれないです。私、70'sとか80'sのポップスとかが好きなんです。

-バンドやアーティストで言ったら、例えばどんな人たちですか?

マヤ:David Bowieはめちゃめちゃ好きですね。あとはなんだろう? お父さんとお母さんがよく聴いていた曲がルーツに繋がっていると思うんですけど、それがさっき言ったBryan Adamsとか、Nik Kershawとか、NIGHT RANGERとか、POISONとか。そういうテイストがサチの好きな曲と混じって、90'sっぽくなっているのかな(笑)。

-では、サチさんのルーツは、どんな音楽やバンドなのでしょうか?

サチ:高校生の頃、ハードコアをすごく好きになって、学校の帰りにひとりでライヴハウスにライヴを観に行っていました。ハードコアは今も好きですけど、最初に意識して、曲を好きだと思ったのがLADY GAGA。でも、高校生の頃から"フジロック"に毎年行っていて、それが自分にとって大きいと思います。そこから拾ってくるとか、あとはYouTubeから拾ってくるとか、そういう聴き方ですね。

マヤ:エモも好きだよね。

サチ:エモも好きです。TINY MOVING PARTSとか、ELEPHANT GYMとか、kamomekamomeとか。だから、お互いにルーツは全然違うんですよ。

-全然違うバックグラウンドを持ったふたりではあるけれど、自分たちの中から自然に出てきたものがTHEティバの音楽になっている、と。THEティバになってから、花魁少年のときとは逆に方向性を決めてやり始めたのかなと想像したのですが、そうではないわけですね?

マヤ:そうですね。そのときに好きだったDEAD GHOSTSとか、PUPとか、PEACH PITとかと対バンしたいという気持ちもあったから、そっちに寄ったところもちょっとあります。

-その意味では、将来的に音楽性やサウンドが変化していく可能性もある、と。

マヤ:あると思います。今も全然違うんですよ、最初とは。

サチ:最初はガレージっぽかったんです。

マヤ:今はポップ・パンクみたいなものもちょっと入っているしね。

-THEティバを始めたとき、ベーシストを入れようとは考えなかったんですか?

マヤ:めっちゃ考えたんですけど、誰も見つからなかったからいったんふたりで始めるかっていう2ピースだったんです。でも、2年ぐらいやってきたら、ふたりっていうのがフィットしちゃって。レコーディングはサポートの方にベースを弾いてもらったんですけど、ライヴをやるとき、正式メンバーにしろ、サポートにしろ、誰かひとり決めた人を入れようとなると、何か違うなって感じるんですよ。音の厚みは出るから、ふたりのヴァイブスに合う人がいれば、入れたいんですけど、今のところふたりでいいかなって思っています。

-ところで、THEティバというバンド名はどんなところから?

マヤ:ふたりとも映画が好きで、映画に関する名前にしたいねってなったとき、ハマッていたのが"ファンタスティック・プラネット"っていうフランスとチェコスロヴァキア合作のアニメ映画で、それのメインのキャラクターの女の子がティバって名前だったんです。バンド名にはどうしてもTHEが付けたくて、そこは譲れなかったんですけど、THEナントカ、THEナントカっていろいろ試した中で一番ハマッたのがティバだったんです(笑)。