Japanese
Mississippi Khaki Hair
Member:Taito Kimura(Vo/Gt)
Mississippi Khaki Hairが初のアルバム『From Nightfall till Dawn』を完成させた。2016年結成、翌年"SONICMANIA"に出演するという驚異的スピードで話題を集めた彼らだが、メンバーの加入/脱退、東京への拠点変更など、アルバム完成までの道のりは波乱万丈だった。紆余曲折を経て生み出された本作では、バンドの魅力を十二分に感じ取れるはずだ。まだまだ謎の多いMKHの姿を探るべく、バンマスのTaito Kimuraに新譜のことや、音楽活動を始めたきっかけを訊いた。
-Taitoさんが音楽を聴き始めたきっかけを教えてください。
僕が幼稚園児か小学校低学年くらいのときにテレビCMで聴いたFRANZ FERDINANDの「Do You Want To」と、ベッカムが出ていたCMで鳴っていたTHE DANDY WARHOLSの「Bohemian Like You」です。"これだな"と思って、それからこの道に。
-日本のアーティストが入り口ではなく、最初から海外のアーティスト?
そうですね。洋楽が好きでした。英語とかまったくわからなくて、ポスト・パンクとかガレージ・ロックっていうジャンルの名前すらわからなかった時期だったんですけど、すごく素敵だなと思って。
-そのころは国内のアーティストも聴いていたんですか?
小学生のときにすごく好きだったのはTHE HIGH-LOWSですね。中学生以降は、BLANKEY JET CITY、SHERBETS、要するに浅井健一さんのバンドと、あとTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTとかROSSO、The Birthdayとかのチバユウスケさんの音楽はすごく好きでした。
-影響を感じさせるポスト・パンクよりもインディー・ロックから入ったんですか?
そうですね。でもFRANZ FERDINANDもダンスっぽくなってしまってはいるんですけど、ポスト・パンクとして捉えていて。SUICIDEみたいにメロディがなくてビートがずっと鳴っていて、というタイプのポスト・パンクも好きなんですけど、それよりはメロディが強いものが好きですね。FRANZ FERDINANDであったり、BLURであったり、そういうポスト・パンク・リバイバル的なものが特に好きなのかなと思います。
-バンドを始めたのはいつごろですか?
楽器自体は7歳から中学生ぐらいまでドラムを。そのときはバンドを組むだとか、主体的に何かをやるというようなことは一切なかったんです。高校生のころに初めてちゃんとスタジオに入って、バンドをやろうってなったのが、Whisper Voice Riotというシューゲイザー・ポップ・バンドで。そのときは16歳ぐらいですね、それぐらいから始めました。
-Mississippi Khaki Hairは大阪から出てきていますよね。大阪ではいろんなバンドと繋がりがあったと思うんですけど、その中で特に仲の良いバンドというと?
大阪時代に仲が良かったバンド......いたような気はしてるんですけど、いたような気がしているだけかもしれない......(笑)。あ、でもすごくいいバンドでPost Modern Teamとか。世代はたぶんひと回りくらい違うんですけど、ヴォーカルの岸田 剛さんが、Whisper Voice Riotで1枚だけ出したEP(『Before The Morning Cleaves Our Night』)のサウンド・エンジニアをしてくださったりして。関りはすごく深かったですね。馴染みのライヴハウスにもよく出ていて、仲良くしていただいていました。
-2017年に"SONICMANIA"への出演を果たしていますけど、ステージングが慣れてる感じがしました。
めちゃくちゃ言われます(笑)。マジで緊張しない体質で、のんびりしてるんですよね。自分で言うのもおかしいんですけど、いい意味で調子乗りなところがあるので"一発目やし出しゃばったろ!"と思って。手だけバッと挙げて、"ようこそ、SUMMER SONICへ!"みたいなことを言ったんですよ。あれが結構ウケたみたいなんですけど、担当者は"お腹痛い"とか言ってました(笑)。
-出演が決まったときはどんな心境でした?
バンドを組んで1年、しかも当時みんなが忙しかったので、1ヶ月に1回とかしか練習しないレベルだったんです。音楽はすごく好きだったんですけど、クラブで飲むついでに演奏してっていうノリでした。楽しむためとか、お酒を気持ち良く飲むためにやってたところがあって。そういう友達付き合いの延長線上でやってた部分があったんです。だから"SONICMANIA"の出演が決まったのはビックリしましたね。オープニング・アクトをRAINBOW STAGEでやれるっていうのは、すごく誉というか、嬉しいことだなと思いました。でも現実感はなかったですね。いつの間にか終わってて(笑)。
-(笑)
正直なんの実感もなく"うわぁ~楽しかったなぁ~"で終わって、あとは酒を飲んで帰ろうって思ってたんですけど、同じRAINBOW STAGEに!!!(CHK CHK CHK)がいたんですよ。中学生とかのころにTSUTAYAの試聴機で必死に聴いて、小遣い少ないなかでどれ借りて帰るかっていうのを選んでたバンドが普通にやってて。さっきまで(自分たちも)そこに立ってたと思うと、ちょっとエモーショナルになっちゃいました。"SONICMANIA"は新人が本来出られないイベントだったので、アーティストパスが新人アーティスト用じゃないんですよ。スタッフさんとかが入れないようなところにまで入れてしまうんですけど、僕は!!!のヴォーカルを追いかけて楽屋まで入っちゃったんです。"最高でした! 僕は全然ルーキーで、たまたま来られただけなんですけど"って話をしたら"頑張ってね"って握手だけしてもらって。そういう思い出もあったりして、そこから頑張ろうと思いましたね。すごく印象に残っています。
-それがその後のバンド活動への意識の変化のきっかけに?
ひとつのキーになったかなと。バンドをやるということに対して、変に諦め半分というか、辟易していた部分があったと思うんですよ。インディー・ロックというものがなかなか理解されなかったり、あんまりリアクションがなかったりすることに、僕らの中ではジレンマがあって。でも!!!とかに会ってしまうと、全部俺が言い訳してるだけだなと思いました(笑)。"やればできるんじゃない?"と。そこからですね。
-Mississippi Khaki Hairの作品はジャケットに描かれている絵が印象的なものが多いですし、ご自身のギター・ケースにも自ら絵を描いているのを見ましたが、もともと絵を描くのが好きなんですか?
ちょうど6~7歳ぐらいのころから、親のつてで美大の教授のアトリエにひとりで毎週通っていて。そこで油絵、デッサン、あとは彫刻とかを。大学教授とマンツーマンで受講しているようなものだったので、今考えるとすごい贅沢だなと思いますね。絵とか彫刻とか、あらゆる芸術的な創作にはもともと興味があって。そこはすごく大きく影響されています。
-アートワークでは作風が確立されていますよね。自分でも手掛けているんですか?
そうですね、ミシシッピ(Mississippi Khaki Hair)の『U』(2020年3月リリースのデジタルEP)もそうですし、ああいう抽象画が好きで。アートワークっていうのはひとつ凝りたいなと思っていたので、自分でもアウトプットはするようにしています。
-絵の部分で影響を受けたアーティストはいるんですか?
どメジャーですけど、アンリ・マティスがすごく好きで。マティスの黄色が好きですね。
-あぁ。ぽいと思いました。
嬉しいですね、わかっていただけるっていうのは。音楽のインタビューで"アンリ・マティスの黄色が好きですね"と言うとは思わなかったです(笑)。色使いはそこでかなり影響を受けてますね。画集も家にたくさんありますし、壁に切り抜きを貼ったりしていて。あとは、画面構成としては"ロシア構成主義"っていうのがすごく好きです。FRANZ FERDINANDは、1枚目も2枚目もロシア構成主義を現代風にしたジャケットなんですけど、それがすごく良くて。そういう感性ってやっぱり大事だなと。
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