Japanese
TRI4TH
2019年07月号掲載
Member:伊藤 隆郎(Dr) 藤田 淳之介(Sax) 竹内 大輔(Pf)
Interviewer:石角 友香
ジャズやクラシックのアカデミックなバックボーンを持ちつつ、キャリアを重ねるごとにロックやパンク・シーンに接近してきたユニークなバンド、TRI4TH(読み:トライフォース)。昨年、名刺代わりのフル・アルバム『ANTHOLOGY』で初のメジャー・リリースを果たし、"踊れる、叫べるジャズ"をエンパワーメントしてきた5人。今年は初の"SUMMER SONIC 2019"出演も決定し、変幻自在なインストのパワーをロック・ファン、ひいては多くの音楽ファンにアピールしそうな勢いだ。奇しくも新作『jack-in-the-box』には"サマソニ"同日に出演するRANCIDの名曲「Time Bomb」のカバーも収録。"インスト・ジャズ・バンドって?"と想像がつかない人ほど聴いてほしいバンド、それがTRI4THだ。
-メジャー・デビュー作『ANTHOLOGY』(2018年リリースのフル・アルバム)以降、バンドに顕著に起こった変化はありますか?
伊藤:自分たちはジャズ・バンドですけど、ジャズ・リスナー以外のロック・バンドとの対バンも増えましたし、そういうところでより間口が広がったというか、自分たちのポピュラリティが高まってきてるような気はします。
竹内:ジャンルにこだわらないリスナーが増えてきたこともありますし、例えばMVを作るとかジャケットのアートワークっていうのも、今までの自分たちでは思いつかないアイディアをどんどん出していただいたり、写真を撮る人とか、専門の素晴らしい人をいつも紹介してもらったりしていて。BEAMSやUNITED ARROWSとのコラボレーションで注目されているイラストレーター 竹内俊太郎さんにジャケットを手掛けていただくなど、音楽だけじゃない部分でもすごい広がっています。こういうことが実現して、またバンドの違った側面を見いだしていただくってことが音楽にも繋がっていくし、バンドの成長にもなってるのかなとは、ここ最近すごく思いますね。
藤田:バンドが始まった当初はジャズ・バンドのど真ん中よりちょっとクラブ・ジャズ寄りで、でもご飯食べながら座りで観てもらうってスタイルが多かったんです。だけどより多くの人に聴いてほしいだとか、ロック・フェスに出たいだとか、そういう夢を実現するためにいろいろ試行錯誤してきて、メジャー・デビューって話をいただいて、どうやったら人にストレートに伝わるか? というのを突き詰めていくなかで、ロックだったりスカだったり、いろんなジャンルのいいところを自分たちに落とし込んで、それを伝えるっていうことを再構築してきたんですね。それで結果的に、僕たちを知らなかった人たちにいろんな場所で聴いてもらえる機会が増えたので、"あ、こんなに伝わるんだ"って発見もあったし。まだまだやれることがあるなって気づけた1年でもあったし、すごく楽しくやれて、今が一番充実してるなって感じはしてますね。
-今回のアルバムは12曲中11曲がオリジナル曲ですし、さらにTRI4THのポピュラリティを上げる1枚なのかなと思っていて。どういうことに留意しましたか?
伊藤:メジャー・デビューして、自分たちのオリジナルの新曲をこのボリュームで披露するのは今回が初めてだったので、自分たちの中では最新型のTRI4THをみんなに聴いてもらう1枚になってると思います。前作では"踊れるジャズ"っていう看板を掲げてやっていて、シャウトを加えていくっていうのがトライだったんですけど、今回はインスト・バンドだけど、叫びからよりキャッチーに歌うことができるような楽曲っていうものにトライしてるものが含まれてたりします。ほんとにバラエティに富んだ曲が集まってますけど、自分たちの新たな一面を1枚に凝縮することができたなと思ってるので、"びっくり箱(jack-in-the-box)"っていうタイトルのとおり、今までの僕たちの曲を聴いてた人はほんとにびっくりしてくれるかなと(笑)。
-キャッチーだし、曲の尺も短いですね。
伊藤:そうなんです(笑)。どうしてもジャズって、印象としてインプロ(※インプロヴィゼーション=即興演奏)の要素が大きいと思っていて――もちろんそこが核ですけど、そのインプロヴィゼーションしていくことや、インタープレイ(※あるプレイヤーの演奏に触発された他のプレイヤーが演奏で応えること)で音と音で会話していくってところが醍醐味だったりするとは思いながら、それをいきなりロックしか知らないリスナーに提示するのって結構ハードルが高いような気がしていて。それが押しつけにならないように提案するのって、僕らみたいなインスト・バンドがやるべき役割なのかなと思っているところがあるんですよね。僕らの音楽がジャズっていうことを知らずに聴いて、そこが入り口になって、そこからさらに掘り下げていって......という感じで、若い人や、ジャズに触れたことがないようなリスナーの人にも楽しんでもらえたらいいなっていうところにフォーカスしていくと、J-POPと同じくらいの感覚というか。3分尺でどれぐらい楽しめるのか? みたいなことを詰めていくと、12曲も入ってるのにすごい短くて(笑)。
-トータルで40分ないですからね(笑)。そして今回、聞くところによると渡辺省二郎さんと一緒に作られたそうで。
伊藤:前作の『ANTHOLOGY』でミックスを2曲お願いしたんですけど、そのテイストがもとの形から僕らとしては結構衝撃的に変わったなと思ったのを覚えてて。それは「FULL DRIVE」っていうスカ・チューンをミックスしてもらったときのことだったんですけど、ドラム的に"今まで欲しかった音だ"と思って。そこがスタートで、今作は録りから全部省二郎さんにお願いできることになったんです。まず1曲目を録ろうとしたときに、"スタジオを変えよう"っていう提案があったんですよ。
藤田&竹内:(笑)
伊藤:音を出したときに"これはこのスタジオじゃない方がいいかも"っていう。あれには僕たちもかなりびっくりして。録る順番も初日からいきなり変えたんです(笑)。そういった点では、自分たちにないアイディアをすごくいっぱい貰いましたし、録り方も新鮮で、1曲ずつキャラクターが違うふうに録ってくださって。今までは、逆に全部をひとつの色にしていこう、それを自分たちのバンドのカラーにしていこうというふうに作っていたところがあったんですけど、それをいい感じに壊してくれたというか、1曲ずつ全部テイストが違うのに、それを1枚にまとめることができたんで、"あ、これはびっくり箱みたいなアルバムができたな"と思って、今回も衝撃を受けましたね。
-どのジャンルに関しても造詣が深い方じゃないですか。今のグルーヴを表現できる人なんだなと思います。様々なミュージシャンが渡辺さんの録り方に衝撃を受けると聞きます。
藤田:判断が早いっていう(笑)。
伊藤:ちょっとマニアックな話になっちゃいますけど、バスドラで"この位置にマイク置くんだ?"って初めて思ったんですよ。"こんなに離すのか"と。それでアンビエントな感じになるのかな? と思ったら、逆にアタックが出てたり、エッジーな音が録れてたりとか、自分たちの想像のかなり斜め上をいくサウンドを切り取ってくれたので、自分たちで1曲ずつ聴いても楽しかったですね。
藤田:マイキングの写真撮ったもんね(笑)。
-(笑)バスドラの録音以外で"なんですか、これは?"っていうのはあったんですか?
伊藤:顕著に出てたのは、最初に録ろうとしたのが「BANDWAGON」って曲だったんですけど、これ、初日のスタジオで最初に録ろうとして音出したときに、"これは違うところで、ドラムは小さなブースに入って録ったらどうですか?"って提案があって。かなり音をデッドにして録るっていう。あそこまで小さなブースに入ってドラムを録ることもかなり珍しかったので、サウンド的にはかなりわかりやすく違うかなと思いますね。
-たしかに、この曲のドラムは打ち込みっぽいですもんね。みなさんに演奏のテクニックがあるからいいんだってことじゃなく、さらに一曲一曲、曲のあるべきサウンドを分解して録っていったんですね。
藤田:そうですね。わりとトライもいろいろしてくださって、ホーンに関しても、僕らはだいたい一緒に演奏してそれを録るんですけど、あんまり知らない方はなるべくブースを分けたがるというか、"同時にやってもしなんかあったらどうすんの?"っていう感じになるという(笑)。でもそこを僕らが言う前に、同じ箱にもうドラムがあって、"ホーンだろ"みたいな空気感になってて、"あ、それでいくんだ"みたいな。
伊藤:ミスれないやつ(笑)。
藤田:"悔いが残ってもこれでいくからな"みたいな。
-じゃあ基本一発なんですね。
伊藤:基本一発ですね。"せーの、どん!"のライヴの一体感は出てくるんですけど、その中でマイキングとか、録り方をこだわってやってくださってるから、1曲ずつがライヴ感もありつつ、立体感がある曲に仕上がってるんだと思います。
-その一発録り感は「ぶちかませ!」で感じました。伊藤さんのシャウトから始まって、8ビートで、逆に今ロック・バンドがあまりやってない感じかもしれない。
伊藤:うん、そうなんです。ロックと言っても広い意味で捉えるとほんとにいろんなバンドが日本にいて、その中で逆に僕らの方がちょっとオーセンティックなロックンロールみたいなものを意識していて。僕らの編成でそういうロックンロールとかパンクみたいなサウンドを出すから、それが新しいんじゃないかなって気がしているんです。イメージしない音が飛んでくると刺激的ですし、そういうチャレンジはうまくいってるんじゃないかな? と思ってるんですけど。
LIVE INFO
- 2025.08.23
-
PENGUIN RESEARCH
KING BROTHERS
Maica_n
"MONSTER baSH 2025"
大森靖子
"WILD BUNCH FEST. 2025"
ぜんぶ君のせいだ。
LOCAL CONNECT
浪漫革命
リーガルリリー
Buzz72+
Appare!
佐々木亮介(a flood of circle)
w.o.d.
Eve
マオ(シド)
- 2025.08.24
-
大森靖子
"Sky Jamboree 2025"
KING BROTHERS
Maica_n
"MONSTER baSH 2025"
"WILD BUNCH FEST. 2025"
ぜんぶ君のせいだ。
cinema staff
LOCAL CONNECT
ビッケブランカ
Eve
マオ(シド)
小林柊矢 / 心愛 -KOKONA- / 虎鷹 / 荒木一仁 ほか
- 2025.08.25
-
Hump Back
神聖かまってちゃん
THE YELLOW MONKEY
- 2025.08.28
-
KALMA
Maica_n
ビレッジマンズストア
THE BAWDIES
22/7
- 2025.08.29
-
the cabs
神はサイコロを振らない
Bye-Bye-Handの方程式
安藤裕子×清水ミチコ
そこに鳴る
ゲスの極み乙女 × 礼賛 × roi bob
[Animelo Summer Live 2025 "ThanXX!"]
"SWEET LOVE SHOWER 2025"
- 2025.08.30
-
Kroi
reGretGirl
ナナヲアカリ
木村カエラ / OKAMOTO'S / 原因は自分にある。 ほか
豆柴の大群
ビレッジマンズストア
アーバンギャルド
SPRISE
天女神樂
ぜんぶ君のせいだ。
"ナノボロ2025"
Maica_n
"RUSH BALL 2025"
ビッケブランカ
レイラ
9mm Parabellum Bullet / THE BACK HORN / ACIDMAN / yama ほか
PIGGS
eastern youth
Appare!
VENUS PETER
GRAPEVINE
Lucky Kilimanjaro / 眉村ちあき / 森 大翔
崎山蒼志
セックスマシーン!!
[Animelo Summer Live 2025 "ThanXX!"]
NEK!
"SWEET LOVE SHOWER 2025"
Faulieu.
- 2025.08.31
-
reGretGirl
Broken my toybox
BLUE ENCOUNT / スキマスイッチ / 家入レオ / CLAN QUEEN ほか
ビレッジマンズストア
大森靖子
SPRISE
"ナノボロ2025"
"RUSH BALL 2025"
HY
GOOD BYE APRIL
Nothing's Carved In Stone / Base Ball Bear / ヤングスキニー / GLIM SPANKY ほか
ぜんぶ君のせいだ。
LACCO TOWER
なきごと
四星球 × G-FREAK FACTORY
RAY
Miyuu
GANG PARADE
ONIGAWARA
伊東歌詞太郎
ZAZEN BOYS
PK shampoo
[Animelo Summer Live 2025 "ThanXX!"]
"SWEET LOVE SHOWER 2025"
Academic BANANA / Yeti / BACKDAV
- 2025.09.01
-
打首獄門同好会
DIRTY LOOPS
とまとくらぶ
- 2025.09.02
-
Hump Back
とまとくらぶ
フラワーカンパニーズ / Conton Candy / ヒグチアイ / TOSHI-LOW
ずっと真夜中でいいのに。
打首獄門同好会
YOASOBI
め組 / ザ・チャレンジ / NaNoMoRaL / 宇宙団
- 2025.09.03
-
YOASOBI
DIRTY LOOPS
WurtS × なとり
THE YELLOW MONKEY
- 2025.09.04
-
キュウソネコカミ
打首獄門同好会
とまとくらぶ
DIRTY LOOPS
ハンブレッダーズ
終活クラブ
a flood of circle × 金属バット
TOOBOE
神はサイコロを振らない
- 2025.09.05
-
Age Factory
GOOD BYE APRIL
fox capture plan
水曜日のカンパネラ
大森靖子
セックスマシーン!!
YOASOBI
JYOCHO × 長瀬有花
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
KING BROTHERS
DIRTY LOOPS
EGO-WRAPPIN' / Original Love Acoustic Session
秋山黄色
ぜんぶ君のせいだ。
This is LAST
WtB
神はサイコロを振らない
PENGUIN RESEARCH
Bentham / Yobahi / WELL DONE SABOTAGE / Loojy
- 2025.09.06
-
"WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2025"
GRAPEVINE
Creepy Nuts
eastern youth
Broken my toybox
青木陽菜
9mm Parabellum Bullet / 眉村ちあき / 浪漫革命 / THE BOHEMIANS ほか
Appare!
カミナリグモ
TOKYOてふてふ
ヨルシカ
藤沢アユミ
大森靖子
なきごと
"TREASURE05X 2025"
ADAM at / TGMX(FRONTIER BACKYARD) / 荒井岳史 / 渡邊 忍
セックスマシーン!!
ぜんぶ君のせいだ。
TOOBOE
YOASOBI
KING BROTHERS
Victoria(MÅNESKIN)
Ryu Matsuyama
SIX LOUNGE / TENDRE / ハナレグミ / 日食なつこ ほか
WtB
SCOOBIE DO
NakamuraEmi
りぶ
優里
PIGGS
- 2025.09.07
-
Broken my toybox
"WANIMA presents 1CHANCE FESTIVAL 2025"
GRAPEVINE
This is LAST
レイラ
WtB
ナナヲアカリ
豆柴の大群
TGMX(FRONTIER BACKYARD) / 荒井岳史 / 渡邊 忍 ほか
ヨルシカ
eastern youth
大森靖子
GOOD ON THE REEL
Aooo
"TREASURE05X 2025"
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
TOOBOE
the cabs
心愛 -KOKONA-
Keishi Tanaka
KING BROTHERS
Mellow Youth
cinema staff
OAU / LOVE PSYCHEDELICO / 大橋トリオ ほか
"くさのねアイドルフェスティバル2025"
渡邊一丘(a flood of circle)
ぜんぶ君のせいだ。
りぶ
ART-SCHOOL
HY
優里
SILENT SIREN
RELEASE INFO
- 2025.08.25
- 2025.08.27
- 2025.08.29
- 2025.08.31
- 2025.09.01
- 2025.09.03
- 2025.09.05
- 2025.09.06
- 2025.09.10
- 2025.09.12
- 2025.09.17
- 2025.09.19
- 2025.09.24
- 2025.09.26
- 2025.10.01
- 2025.10.03
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ExWHYZ
Skream! 2025年08月号