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INTERVIEW

Japanese

the seadays

2019年05月号掲載

the seadays

Member:渡辺 りょう(Gt/Vo)

Interviewer:沖 さやこ

"愛と音はでかい方がいい"を掲げ、京都を拠点に活動中の4人組オルタナティヴ・ロック・バンド、the seadays。2016年からは京都にて自主企画フェス"UMI ROCK FESTIVAL"を年に1回開催するなど、アンダーグラウンドのバンド・シーンで着実に力をつけてきた。初の全国流通盤となる『to my 17』には、彼らが結成から鳴らし続けてきた爆音やライヴハウスの匂い、肌で感じる衝撃や熱量が閉じ込められている。フロントマンの渡辺りょうにバンドの実態と今作について訊いた。

-2015年7月結成だから、海の日=the seadaysなんですか?

僕が静岡県の港町で生まれているのと、京都は海が遠いのもあって、海にまつわる言葉を入れたくて。毎日海を見て過ごしていたから大好きだったし、僕らのころは海の日から夏休みが始まったので、海の日にもいい印象があったんですよね。

-結成までにはどんな経緯があったのでしょうか。

大学の軽音楽部に所属していて、このバンドを組む前にバンドをやっていたんですけど、メンバーはやる気がなかったり、当たりが強かったりで嫌になっちゃって(笑)。それでぼんやり、ギターの出口俊平とバンドをやりたいなと思っていたんです。そしたらちょうどその頃に京都Live House nanoというハコでSuiseiNoboAzとオワリカラとスーパーノアの3マンを観たら、もうその気持ちが爆発しちゃって(笑)。それで結成したのがthe seadaysです。1年しないうちにリズム隊が抜けたので、ライヴハウスで見つけたベースと、同じ軽音楽部から違うドラマーを誘って、今のメンバーになりました。

-結成から1年でDIYのフェス"UMI ROCK FESTIVAL"を立ち上げるという行動力も驚きです。

お世話になってるVOXhallというライヴハウスの人が"メンバーがふたり脱退したからって、減速感出したくないよね"と意見をくれて。もともとそのハコはフェスをよくやっていて、僕もよく観に行っていたので、自分もやろうかなと。初回はハコと僕ら半々でブッキングして、それがきっかけで友達がどんどん増えていって、毎年開催してますね。2019年は5会場に増やそうと思ってるんです。メンバー全員"かっこいいバンドと仲良くなりたい"という気持ちがあるので、どんどん友達が増えていって――そしたらいっぺんに会いたいじゃないですか(笑)。

-その結果会場が増えていくと(笑)。

大きいことをやっていると、お客さんにもそうなんですけど、バンドマンに知ってもらえるんです。だから海フェスを始めてから話し掛けられることも多くて、どんどん友達が増えていく(笑)。そういういい連鎖が起きています。最近の京都のバンド・シーンはかっこいい先輩バンドもすごく多いんです。でも二十歳のバンドは30歳のバンドを知らなかったりするので、ちょうど間の世代の僕らがごちゃごちゃ混ぜられたらいいなとも思っているんですよね。

-去年4会場で開催されたラインナップを見ていても、幅広くも芯が通ったセンスのいいバンドが多いです。

人気のあるなし関係なく、かっこいいバンドだけを呼んでいると、お客さんはすっごく楽しんでくれてるんです。僕らもかっこいい友達のバンドたちのライヴに感動して、それを自分たちでもやってみたいなと思うことが多くて。それによって曲ができていくことが多いです。だから海フェスの最後に僕らがライヴをすると、すごくしっくりくるというか。みんなをちょこちょこパクってる(笑)。

-(笑)the seadaysのサウンドは影響を受けている音楽がわかりやすく出ているけれど、それは"○○っぽい曲を作る"というよりは、"○○っぽい要素が要所要所で入っている"という印象があります。それこそヒップホップでラッパーがリリックを引用したり、トラックをサンプリングしたりする感覚に近いというか。

あぁ、ヒップホップもよく聴いていて。「冷たい」はラップ的なことがしたいなと思って作ったんです。ナンバーガールの「CIBICCOさん」のイメージですね(笑)。歌詞が書けないなと悩んでるときに大阪で終電を逃して、朝通勤ラッシュのなか泥みたいになった僕が京都に戻っていて――そしたら腹立つことがいろいろと湧き上がってきて歌詞になりました(笑)。

-ははは(笑)。感受性の強い人だから感じる焦り、怒り、悲しみ、悔しさ、切なさが香る楽曲が多いとも思います。それは"to my 17"というタイトルにも通ずるような。

僕の中に常々"17歳"というものが強くあるんです。Base Ball Bearやナンバーガールも17歳を歌っていて、それを聴いた10代の僕は"自分が好きなバンドがこんだけ17歳17歳って言うんだから、17歳ってすげぇんだろうな!"とすごく期待感を持ってました(笑)。その期待も相まって、感受性が爆発していたぶん思春期らしい悩みをたくさん抱えて、自分の中でその答えを出す......ということを繰り返していて。だからあのころに見た景色や記憶が、すごく色鮮やかに残ってるんです。

-17歳の自分に宛てた音楽というか。

17歳のときのことを曲にするというよりは、17歳のときのことを忘れないという気持ちですね。17歳の僕は弓道部で夜遅くまで練習して、夢中になっていろんな音楽を聴いていて。だから曲を作るうえでも17歳のときの僕が聴いて"このバンドかっこいい!"と思うかどうか、"バンドやってみたい!"と思ったあのときの気持ちになれるかどうかがテーマになっているんですよね。

-バンドのテーマがそのままアルバムのテーマにもなっていると。様々なエフェクターを駆使したオケと、センシティヴな歌詞との相性もいいです。

僕らの曲作りはコード進行をなんとなく決めておいて、スタジオで"こんな曲を作ろうと思ってる"とリフを弾いてみたりしてメンバーにふわっと伝えて、何度もスタジオに入ってオケを作っていくというパターンで。ギターがとても優秀なので、弾いたものがイメージ以上になることが多いです。オケができたあとに歌詞とメロディをつけてます。