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INTERVIEW

Japanese

lazuli rena nicole

2019年03月号掲載

lazuli rena nicole

lazuli rena nicole

Official Site

メンバー:マスコ・怠惰(Vo/Gt) テツ キタザワ(Ba) mzsm(Dr)

インタビュアー:三木 あゆみ

"RO JACK for COUNTDOWN JAPAN 18/19"8月度入賞アーティストに選出されるなど、着実にその名を広めつつある新潟発の4人組バンド、lazuli rena nicole。メンバー・チェンジを経て新体制となり完成した1stミニ・アルバム『Euler's identity』では、変拍子、ポスト・ロックの要素を取り入れ、楽曲ごとにそれぞれ異なるストーリーを描き、唯一無二の世界観を作り出している。今回、Skream!ではメンバーのうち3人に、初のメール・インタビューを敢行。初の全国流通も決定し、バンドが新たな一歩を踏み出す決意表明的な今作についてはもちろん、バンド結成の経緯などについても訊いた。

-このたびは、1stミニ・アルバム『Euler's identity』のリリース、おめでとうございます。今回、Skream!初登場となりますので、まずバンド結成から現在に至るまでの経緯を教えてください。

マスコ:バンドの結成はmzsmが、今は脱退した玉山というベーシストに声を掛け、玉山に僕が誘われた形です。はじめは3ピースでバンド活動を始めようという話でしたが、僕がギター初心者だったこともあり、リード・ギターを探す運びとなりました。ギターの笛吹(和也)は、その当時別のバンドでバリバリ活動していたのですが、半ば強引に引き抜いたという感じです(笑)。2016年2月からライヴ活動が始まり、様々な活動を行うなか、2018年4月に玉山の脱退が決定して、路頭に迷った僕らの加入のお願いをふたつ返事で了承してくれたテツを迎え、現在の体制に落ち着いたといった感じです。

-バンド名の"lazuli rena nicole"にはどういった意味が込められているのでしょうか? また、このバンド名にした理由をうかがいたいです。

マスコ:バンド名は僕とmzsmと玉山で決めました。正直バンド名にこれといった意味はなくて、コンセプトとしては"きれいな音の響き"と"聞いたことのない名前"です。"lazuli"はラピスラズリという宝石の名前から、"rena"はカクテルの名前から、"nicole"は玉山がどうしても女の子の名前を入れたいとのことで(笑)。なので深い意味などはありません。

-変拍子、ポスト・ロック調のサウンドが特徴的だと思うのですが、それぞれ影響を受けた音楽やアーティストを教えていただけますか。

マスコ:ミュージシャンではないのですが、多大なる影響を受けたのはお笑いクリエイター・ユニットのラーメンズさんと作家の森 博嗣さんですね、音楽のルーツはさだまさしさんと中島みゆきさんです。

テツ:僕はL'Arc~en~CielとTHE NOVEMBERS、羊文学ですね。

mzsm:メンバーそれぞれ影響を受けたものが違い、バンド単位ではこれといったアーティストはありません。だからこそ唯一無二のバンドになることができた気がします。

-そして、1stミニ・アルバム『Euler's identity』は初の全国流通盤となるそうですが、今作を完成させた今の気持ちはいかがですか?

テツ:やっとスタート・ラインに立ったという感じです。

mzsm:嬉しい反面、少し寂しい気持ちもあります。と同時に、次回作は今作をさらに上回る作品を作りたいと、すでにメンバーのモチベーションは高いです。とにかく今はたくさんの人に聴いていただきたいですね!

-作詞作曲はどなたが担当しているのでしょうか? また、制作はどのように行われましたか?

テツ:基本的にはマスコが歌詞とメロディを、楽曲の構成はメンバーでセッションしながらという感じですね。メンバーが原案を持ってきたりもします。

-作品全体を通して、"命"、"生きる"、"心臓"といったワードが散りばめられている印象がありました。今作は何かテーマを掲げて制作されたのでしょうか?

マスコ:その3つのワードは僕が歌詞を書くうえで大きく掲げているテーマですね。たとえどんな歌詞を書いていても、誰とどんなふうに生活していても、すべて"生きている"という事実の上に成り立っている。僕たちはその事実から逃れられないという思いがあります。今作に限らずこの先もこのテーマは根底にあり続けるものですね。

-タイトル"Euler's identity"は"オイラーの等式"のことだそうですが、このタイトルを付けた理由を教えてください。

マスコ:一曲一曲がまったく違う世界の物語のような感覚になる音源を作りたかったんです。関係性がないと思われている事柄が、lazuli rena nicoleというバンドを通すことでひとつの作品として存在する。その成り立ちや美しさみたいものに名前を付けようとしたときに"Euler's identity"というタイトルしか思いつきませんでした。

-1曲目の「敗戦歌」は、"命は美味しいかい"というフレーズが印象的でした。この曲にはどういったメッセージが込められていますか?

マスコ:この曲は地球という生命体に対して歌いました。曲に出てくる人間が見つめた紅く染まる空が、きれいな朝焼けの空なのか、戦争で燃え盛る炎が染めた空なのかはわかりません。平和を求めながら戦争という過ちを歴史上幾度となく犯し続けてきた人間ですが、それをずっと見つめ続けた、そしてそれでも人間を生かし続けた地球に対して皮肉を込めたひと言が"命は美味しいかい"というフレーズになっています。

-また、この曲はラスト・トラック「prologue」と繋がっていますよね。プロローグが最後にくるという仕掛けが面白いなと思ったのですが、これはどんな意図があってこのようにしたのでしょうか。

マスコ:これにはいくつか理由があります。まずひとつ目は、アルバムをリピート再生することでようやく1曲目が完成するというループを作りたかったというもの。ふたつ目は前述した"戦争という繰り返される過ち"に対してあえて繰り返すという皮肉。3つ目はテツの加入もあり、このミニ・アルバム自体がlazuli rena nicoleのプロローグとなり、ここから新しい物語が始まるという意思表示です。

-続く「蜃気楼」ではガラッと色が変わり、重圧感のあるベースでスタートします。このギャップを見せつけるところからバンドの負けん気というか、プライドを感じました。ライヴでもこの2曲を続けてのセットリストが多いようですが、この配置にはどんな理由があるのでしょうか。

マスコ:あえて音源と同じ配置にすることによって、ライヴ感を高めるためです。生きている人間が目の前で演奏するものが音源に負けるわけにはいきませんので(笑)。おっしゃったとおり、負けん気やプライドの部分がそうさせていますね。

-歌詞に登場する"枝垂れ柳"は悲哀のシンボルとも言われていますよね。サウンドからもそういった雰囲気が感じられますが、この曲にはどういった想いが込められていますか?

マスコ:この曲のテーマとしては、"どんなに大きな喪失も過去になり、どんなに冷たい冬も必ず春を迎える"といったものになっています。歌詞はネガティヴな表現が多く、哀愁が漂い叙情的な楽曲となっていますが、それゆえに生きることへの執念みたいなものも感じていただけたら幸いです。

-「浴槽」はイントロからがっつり変拍子でアプローチしていて、浮遊感のあるギターやベース・ラインから見えない場所に深く潜っていくようなイメージが浮かびました。この曲ではどんな世界観や情景を表現したいと考えたのでしょうか?

テツ:おっしゃるとおりです(笑)。

マスコ:この歌詞の概要は高校生のときに書いたのですが、"僕"と"君"と"その他"という恐ろしく狭い世界を歌いました。でも、そういう狭い世界の組み合わせでこの世界ができているとも考えています。精神世界と現実世界の狭間でそれでも生きていくふたりを描いた楽曲です。