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INTERVIEW

Japanese

Yeti

2019年01月号掲載

Yeti

メンバー:涼木 聡(Vo/Gt) 沢村 英樹(Gt) Bikkey(Ba) 多村 直紀(Dr)

インタビュアー:高橋 美穂

2012年に結成された4人組ロック・バンド Yetiが、7thミニ・アルバム『宇宙人』を完成させた。"イエティ"とは未確認動物のことであり、それをバンド名の由来とする彼らが"宇宙人"という、さらなる未知を描くようなタイトルの作品を生み出したところに、並々ならぬ決意を感じずにはいられない。4人に話を訊くと、様々なジャンルを咀嚼したサウンドと、文学性と人間味を溶け合わせた歌詞の組み合わせの妙や、アナログな手法にもチャレンジした音作りへのこだわりなどが見えてきた。耳と心に心地よい楽曲の数々は、ぜひライヴでも体感してほしい。

-Yetiが"宇宙人"という作品を出すということで、字面からして決定盤のように感じたのですが、まずはこのタイトルを付けた理由からうかがえますでしょうか?

涼木:まぁ、気になりますよね。僕の中でも、そろそろYetiらしさをCDにしたいと思っていたところもありました。また、もともとアンビエントな音楽性や未知なる存在――バンド名に繋がるような、知らないものに触れる感覚をCDにしたいとも思っていたので、これはぴったりだなって。なので気に入ってます(笑)。知らないことって不安だし、ときめきもある。これはダブル、トリプル・ミーニングで素晴らしいと思っています。先にタイトルを決めて曲を揃えていったんです。コスモ的なイメージを持たれるかもしれないんですけど、聴いていただければわかるとおり、かなり"人"なので。

-そうですよね。バンドが始まって6年、改めてYetiに未知なる可能性を感じているからこそ、このコンセプトやタイトルが浮かんできたところもあるんじゃないでしょうか。正直、ぶっ飛んだタイトルではあるじゃないですか。そこに踏み込めてしまうくらい、今作に関しては意気込みがある、というか。

涼木:そうですね。僕がこのタイトルを提案したとき、メンバーも――

多村:スッと(笑)。結構、キてるじゃないですか。こんなタイトルを付けるバンドはなかなかいないし、僕らはYetiだし。そのときに一致団結したよね。

沢村:うん。面白かったしね。タイトルが"宇宙人"って、気になるじゃないですか。

涼木:テクノやインストだと思われるかもね。

沢村:まったくそういうのではないんだけど。

涼木:バンド名とペアで、"鬼に金棒"みたいな。

多村:宇宙的に考えれば、何やってもありっていう。

-タイトルで世界観を広げたことで、サウンドの自由度も上がったんじゃないですか?

涼木:そうですね。うち、歌詞とかコンセプトがしっかり決まらないと、メンバーも本腰入れて作業をしてくれないんですよ。

多村:しないというより、イメージが湧かないんです。

涼木:だから、歌詞やコンセプトがエネルギーの原動力なんです。生半可なものを作れないくらい、可能性を感じる言葉だと思いますしね。結成してから一番力を入れたCDだと自覚しています。

-そういうお話をうかがうと、ひとりひとりがプレイヤーとしてだけではなく、アーティストとして関わっているバンドであることが伝わってきます。

多村:やっぱり聡の書く歌詞に惚れ込んでいますからね。

涼木:今回、僕の作曲がドン詰まってたんですけど、"仮歌は明日だけど、歌詞はこうなるから"って送ったりして。

多村:アレンジはその前にイメージしているんだけど、それを歌や歌詞に擦り合わせていくっていう。

涼木:今回、意思の疎通はカギだったよね。

沢村:"宇宙人"だから、テレパシーで伝わっていたのかな(笑)。

涼木:いや、LINEですよ(笑)。

-現実(笑)。でも、それくらい意思の疎通ができるようになってきたからこその作品なんでしょうね。あと、前作(2017年リリースの6thミニ・アルバム『ハウル』)からここまで時間が空いたのはなぜだったんでしょうか?

涼木:制作ができないメンタルだったんです、僕が。だから時が来るまでライヴを続けて、旧譜から演奏していくっていう。カッコいいことを言うつもりもないんですけど、新しいものを作れるほど僕の心がポップではなかったんですよね。ただルーティンで演奏すると、CDが宝物ではなくアイテムになってしまうだろうなって。だから、今回リリースできて良かったなって思います。

-そのメンタルから脱せたんですね。

涼木:長い夏休みが終わったような感覚ですね。夏くらいから自発的に作りたくなって、リリースをこの時期にしたい、ホールでツアー・ファイナルをしたい、っていう目標も定まってきて。今年の前半もがむしゃらにやっていたし、バンドの継続危機でもなかったんですけど、地ならし期間ではありました。

-他のみなさんは、涼木さんのことをどう見守っていたんですか?

多村:見守っていたっていう感じでもなかったんですけど、やる気スイッチを入れるように活動するというか......ちょうどフリーになったタイミングでもあって、模索している期間でもあったので。そこから下半期にリリースが決まって、っていう。

-満を持してのリリースだからこそ、衝動的な曲調や、宣言のような歌詞が目立つのかなとも思いました。1曲目の「理解不能」も溜め込んでいたものを吐き出すような勢いがありますよね。

涼木:この曲は一番先に仕上がったし、僕の中では1曲目だって思っていました。ずっと抱えているクエスチョン・マークがエネルギーになっている曲だと思いますね。

-歌詞も、頭からアガサ・クリスティーや金田一耕助っていう、誰もが知っている人名が出てくるところにインパクトがあります。

涼木:久しぶりのリリースの歌い出しってすごく大事だと思うんですよね。曲の構成を含めて練りに練りました。メンバーの演奏も、インテリジェンス且つエモーショナルにまとめてくれたので。冒頭のギターも、"こういう意味の宇宙人?"って匂わすような、リバーブの効いたものになっていますし。

沢村:スペイシーなね。

-"宇宙人"というタイトルは、サウンドメイキングにも影響を与えたのでしょうか?

沢村:そこはあまり意識していなかったですね。でも「理解不能」は、1曲目になるだろうなって思っていたし、歌詞も文学的でミステリアスなので、ギターの音でどこまで聴き手を引き込めるのかな、ということは意識していました。

-Bikkeyさんはどうですか?

Bikkey:僕の場合は、宇宙的な考えというか......いつもフレーズを突き詰めて考えるんですけど、ライヴとかでは変わってくるんですよ。だから今回は、あんまり考えすぎず、これからどう進化していくか? っていう考えで挑もうと思いました。だからサウンドというより、そういう――

涼木:可能性?

Bikkey:そうそう、そういう意味で宇宙的っていう。