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INTERVIEW

Japanese

八十八ヶ所巡礼×ピアノゾンビ

2018年09月号掲載

八十八ヶ所巡礼×ピアノゾンビ

八十八ヶ所巡礼:マーガレット廣井(Vo/Ba)
ピアノゾンビ:アキパンマン(Vo/Gt)
インタビュアー:加藤 智裕 Photo by ゆうばひかり

-僕もうかがったんですけど満員でしたよね。しかも台風だったのに。

廣井:どれだけパチパチ観てぇんだって思って(笑)。(パチパチを発表してから)チケットが伸びてるのを見て、(当日の)1週間前ぐらいにアキさん(アキパンマン)にオファーがいったんですよね?

アキパンマン:2週間ぐらい前かな。急は急だったけどね。

-今回のパチパチからアキパンマンさんがプロデュースを始めたんですね。

廣井:座長になってもらいました(笑)。

アキパンマン:マネージャーさんに急に呼び出されて。

廣井:あ、僕ら仙台で飲み屋に行ったときに身分を隠してたじゃないですか。"劇団っていう体にしとこう"って言ってアキさん(アキパンマン)のことみんな"座長"って呼んでたこと覚えてます?

アキパンマン:覚えてる覚えてる。

廣井:それが実現しそうになってますもん。

アキパンマン:急にマネージャーに呼び出し食らったんで、リリースやレコーディングのタイミングで喧嘩するバンドって多いじゃないですか。八八のメンバーの深刻な話かと思ったらこの話をされて。

-それまでパチパチを観たことはありましたか?

アキパンマン:いや、ないです。それをやってることも知りませんでした。

廣井:ライヴに来ている人しか、しかもちゃんと来ている人しか存在すら知らないんじゃないんですかね。

-今年含めて3回だけですもんね。2年に1回ペースで。

廣井:再来年か来年も......いや来年やりましょうアキさん。

アキパンマン:"次は3年後ですね"って言ってたじゃんか(笑)。

廣井:3年は長いっすね......。

アキパンマン:8月18日("八十八ヶ所巡礼 one man LIVE 八+八+八祭 -八月は極楽浄土キャンペーン!!!-")のチケットの売り上げを平日の8月8日の方が追い抜いちゃいそうになったときに、"そんだけパチパチのことを期待してるお客さんが何百人もいるんだから、その期待に応えるべきだ"とマネージャーさんがおっしゃって、"じゃあどうします?"、"本編よりやれることやって豪華にしていきましょう"ってなって。チケットも売れたからお金もあるし(笑)、使えるところは全部使いましょうかということで、映像も作ったんです。

廣井:特効の炭酸ガスがプシューって出るやつ初めて使いました(笑)。

アキパンマン:業者の人も(新宿)LOFTに持ち込んだことはないって(笑)。紙テープとか風船とかネタを全部入れようかと思って、マガちゃんも紙テープやりたいって言ってたんですけど、さすがにLOFTじゃ天井低すぎて打った瞬間に終わるっていう。だから炭酸ガスしかできなかったんですよね。映像系でバンドとリンクしてやるには時間が少なすぎたし。

-ちなみに、パチパチは年ごとにパートが違うわけですか?

アキパンマン:前はかっちゃん(Katzuya Shimizu/Gt)がベースで、Kenzoooooo(Dr)がギターで、マガちゃんがドラムだったのか。

廣井:僕、ベースもギターもドラムも軽くはできるので、なんのパートになっても焦ったりしないんですよね。でもあのふたりは弾けないし叩けないので、今回かっちゃんはドラムをめちゃめちゃ練習してました(笑)。僕は余裕を持ちながらそういうふたりを見るのが楽しかったですね(笑)。

-それで今回、アキパンマンさんがプロデュースをされたわけですが、これまでと今回とでメンバー的にはどう変化を感じましたか?

アキパンマン:プロデュースって言い方が恥ずかしくてしょうがない(笑)。

廣井:(笑)炭酸ガスとかあるだけで様になってるなって思って面白かったですね。前座の方が金かかってるというのもひとつの狂いがあるじゃないですか。そこをもっと観てる人がわかりやすく楽しめるようにとか、やりながらいろいろ考えてましたね。次はこれできるなとか。

アキパンマン:炭酸ガスも本番より前座の方が豪華にするっていう目的でやったんで、本番では使わない予定だったんですけど、楽しかったらしく、本番でも使うという打ち合わせを急にしたりしましたね。

廣井:僕は、急に状況が変わるのが好きなんでしょうね。そっちの方が楽しめるというか。だからパチパチも不測の事態と言えば不測の事態なんですよね、僕らにとっては(笑)。まぁ楽しかったですね。

アキパンマン:俺もかっちゃんがキン肉マンになっただけで楽しかったけどね(笑)。かっちゃん一番頑張ったよね(笑)。

-最初にアキパンマンさんが描いたイメージはあったんですか?

アキパンマン:曲を3曲やるだけなので特にやることないなって思って。今までは演奏をしていただけだったので、かっちゃんとか普段は何をやってもかっこいいっていう感じなんですけど、(衣装を)Kenzooooooにしたらお客さん喜んでくれるかなとか。

廣井:昨日、パチパチの写真を一緒に見たじゃないですか。かっちゃん異様に顔だけかっこいいですよね(笑)。すごいかっこいいのに、何やらされてるんだろうって(笑)。

アキパンマン:こういうのはたぶん本人たちだけじゃ絶対にやらない。嫌がって。

廣井:僕が言い始めても、絶対あのふたりはやらないですから。アキさんがわざわざ打ち合わせに何度も来てくれて、でも、どうして本気でやろうとしてくれてるのか俺ら全然飲み込めてなくて。しかもメイクとかすると面倒くさいじゃないですか。次、自分たちの本チャンのライヴがあるのに、なんでワチャワチャしなきゃいけないんだとか、いろいろ不安要素があって、面倒くさいなって思ってたんですよ、きっと僕が一番。でもアキさんの謎の熱意というか(笑)。

アキパンマン:頼まれたらできるかぎりのことはやらんと怒られますよね!

廣井:それに僕らも動かされたんだと思います。

アキパンマン:動かされてないですよ、最後までずっと嫌々だったんで(笑)。

-当日までのリハーサルはどんな感じだったんですか?

廣井:パチパチの練習ばかりしてましたね。八八の方はセットリストで特殊なことはなかったので、パチパチのことばっかり考えてました。Kenzooooooとかパチパチのことを考えたら夜も眠れなくて、ずっと不眠症でしたから(笑)。

-オープニングで映像が入りましたが、これは初の試みだったのでしょうか?

廣井:使ったことはなかったですね。規模がデカくなるにつれて使うバンドって多いじゃないですか。プロジェクションマッピングとか、ああいうのって大変じゃないですか? アキさんが(映像を)作ってくれたあのアプリってなんでしたっけ?

アキパンマン:"iMovie"(笑)。

廣井:あれぐらいでちょうどいいですよね(笑)。

アキパンマン:俺も映像なんて作ったことなくて、もともと他の人に頼もうとしてたんですけど、いろいろあって急遽作ることになりました。

廣井:そういうチープさが合ってたと思うんですけどね。

アキパンマン:あれ以上はプロに頼まないとダメだよ。

廣井:あれ以上のクオリティを求めてないですよ、俺たちは(笑)。

-メンバーが演出の全体像を知ったのはどれくらいのタイミングだったんですか?

廣井:(当日の)3日、4日前ぐらいですかね? てかむしろ、あの映像の全貌を観たのって前日じゃないですか? 前日のリハに来てもらって、Kenzooooooがナレーションを録ったりとか、その日のスタジオでやってて。僕らスタジオ5時間とってたんですけど、5時間もスタジオ入ったことなんかここ10年で1回もないですもん(笑)。そんぐらいパチパチを真剣にやろうってなってたんですよ。

アキパンマン:やるならね。

廣井:俺が心折れたら絶対に頓挫するなと思って。

-オープニング映像の完成版を観られてどう思われました?

廣井:これだったらお客さんもなんかしら楽しいんだろうなっていうちょっとした確信はありましたけどね。昔のパチパチに比べて開けてきているというか。まだまだなんですけど。

アキパンマン:30分で3曲しかないので、どうやって時間を持たせようというところで、映像で時間を引っ張ろうと。飽きさせたらお客さんに申し訳ないしね。