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INTERVIEW

Japanese

ペンギンラッシュ

2018年08月号掲載

ペンギンラッシュ

ペンギンラッシュ

Official Site

メンバー:望世(Vo/Gt) 真結(Key)

インタビュアー:TAISHI IWAMI

幼少期から中学時代は、主にドメスティックなポップ・ミュージックを聴いて育った望世と真結は、同じ高校の軽音楽部に入り、当時の顧問に薦められたジャズやファンクの世界に魅せられたことでペンギンラッシュを結成した。その音楽性は、端的に言えば様々なバックグラウンドのクロスオーバーなのだが、特筆すべきはそこにある、妙に割り切れない不思議なバランス感覚だ。想いをアルバムというパッケージにして多くの人に届けるためには、誰もがそれとわかる明確な色やセールス・ポイントを持つことが得策だという概念とは、また異なるベクトルでの強いポップ・センス。自らもそれを"曖昧"、"違和感"、"中途半端"とまで話す。その言葉の意味とは。

-まずはペンギンラッシュを結成したきっかけを教えてもらえますか?

望世:高校で軽音部に入ったんですけど、顧問の先生に"君たちふたりでバンドやったら?"と言われたことがきっかけです。

-ふたりともジャズやファンクが好きだったからですか?

望世:いえ。その先生がファンクやネオ・ソウルなどを、部員のみんなに薦めてたんです。そこで引っ掛かったのがこのふたりだった。簡単に言えばそういうことですね。

-では、それまではどんな音楽を聴いていたのですか?

望世:ギター・ロックとかが好きでしたし、J-POPも聴いてました。あ、でも記憶を辿れば、私はダンスをやってたんで、幼稚園のころからMichael Jacksonは聴いてましたし、どこで出会ったのか、EARTH, WIND & FIREも好きでした。

-ギター・ロックというのは、ドメスティックな?

望世:そうです。入りはONE OK ROCKで、そこから流行っている最近のロックをいろいろと。それでギター・ロックとかも聴くようになりました。

真結:私も日本のポップな音楽が多かったかな。YUIが大好きで、アコギを弾いてコピーしたりしていましたし。今のパートは鍵盤で、結成前からピアノ自体はやってたんですけど、ジャズやファンクは完全に高校に入ってからですね。

-そこから、顧問の先生に教えてもらったジャズやファンクで印象に残っているアーティストとなると、誰ですか?

望世:最初に薦められたのは風味堂とSUPER BUTTER DOGでした。まず親しみやすい日本語の曲からっていう考えが、先生の中にあったのかもしれないです。で、そのときの私の知識だと、どこにも寄ってないというか、今まで聴いたことない感じで、でもすごくポップで。めちゃくちゃハマりましたね。そこから、海外のファンクやネオ・ソウル系も好きになっていったんです。

-ファンクやネオ・ソウルとジャズは、それぞれ近い距離にありますけど、はっきりと"これがジャズ"というものも掘られてますよね?

望世:私は先生から教えてもらったファンクやネオ・ソウルを聴きつつ、改めてEARTH, WIND & FIREに戻ったりしてたんですけど、途中でジャズを好きになるんです。

-それはどのあたりのジャズですか?

望世:Bill Evansとか、ほんとに巨匠と呼ばれる方々ですね。真結は?

真結:Bill EvansやHerbie Hancock、Bob Jamesとか、いろんな鍵盤奏者の方々を参考にしていますし、挙げたらキリがないくらい、いろいろ好きですね。でもジャズは歴史も長いですし、まだまだです。

-"ジャズを聴こう"と思っても、膨大なカタログが壁になったり、技術的にも難しくて敷居が高いというイメージが先行したりして、結局手がつけられない。という話がよくあるじゃないですか。そもそもは大衆音楽であり、ダンス・ミュージックとして親しまれてもいるのに。高校生のころのおふたりは、ジャズをアカデミックなものと捉えつつ頑張ったのか、そうでなくすんなり入っていけたのか、どちらですか?

望世:きっかけは先生がサポートでやってたインストのバンド。それはネオ・ソウル系だったんですけど、そこでジャズの要素に触れてハマったんです。生音演奏の魅力が最初だったから、特に手が出せない、みたいな感覚はなかったですね。

真結:最初が生演奏で、そのときはそれがジャズだとかわかってないまま、シンプルに"めっちゃカッコいい"って思えたんで、私も同じです。

望世:そうそう。だからジャズとかネオ・ソウルとか言ってますけど、それは振り返っての話で、当時はなんだかわかってなかった。YouTube世代だから関連動画とか辿って、どんどんいろんなものを聴いてましたね。

-それはすごくいいことだと思うんです。ジャズって、どこでどうなって敷居が高いというイメージが大きくなってしまったのか、私も正直そこに飲まれてしまって。音源はレコード屋で買うしかないんですけど、ジャズのコーナーって静かにそびえ立ってる感じがして、寄りつけなかった。でも今は、とりあえずYouTubeやサブスクリプションを開けば、いらぬフィルターがなく、ニュートラルに、いろんな音楽に触れられる。

望世:なるほど。私たちは最初からそうだったんで、面白い話です。