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INTERVIEW

Japanese

ペンギンラッシュ

2018年08月号掲載

ペンギンラッシュ

ペンギンラッシュ

Official Site

メンバー:望世(Vo/Gt) 真結(Key)

インタビュアー:TAISHI IWAMI

-そしてある程度、それぞれのジャンルにある雰囲気や手法もわかるようになってきた今、ペンギンラッシュとしてアウトプットするうえでのポリシーはなんですか?

望世:小さいころからJ-POPやポップスを聴いていましたし今も好きなんで、そこの要素は取れない部分もありますし、そことジャズやファンクやソウルを融合することは意識しています。ジャンルにとらわれたくはないんです。

-先ほど真結さんがおっしゃったHerbie Hancockを、私は「Rockit」で知りました。そのときはラジオかなんかで聴いた曲が先行していて、彼が何者なのかは知らなかったし、ジャズってイメージでしかなかったんで、まさかあの曲がジャズ・コーナーにあるとは想像できなくて。でも、そのジャンルにとらわれないHerbie(Herbie Hancock)の感覚が、私にとってはジャズというジャンルの入り口になりました。

真結:なるほど。そうですよね。

-そこで、"ジャンルにとらわれたくない"ということに対するおふたりの解釈を、もう少し突き詰めて訊いてもいいですか?

望世:私はここまでで話したように、もともとひとつのジャンルに突っ込んで音楽に触れてきたわけではないので、ジャンルっていうものを、CD屋さんで探すときの目安くらいにしか思ってないんです。でも、そのジャンル固有の表現もあって、そこにもリスペクトはあります。私たちがやっていることはなんなのか、ひと言で言った方がわかりやすいのかもしれないし、ひと言で言う人もいるかもしれない。それもそれで、聴いた人それぞれが思うことなんで、そこを限定したくないと考えてます。なんでもいいんです。

-おふたりが聴いてきたジャズやファンクをもっと今の時代に広めたい、という想いはありますか?

真結:自分たちが好きな音楽に興味を持ってほしいという気持ちは強いです。

望世:橋渡しになりたいです。その気持ちが最も強いかも。

-元サポート・メンバーであとから正式メンバーになったベースの浩太郎さんと、ドラムのNarikenさんについては、おふたりがその想いを実現するために、ペンギンラッシュの専門度の高い部分を支えるべく、出自が完全にジャズやファンクの人に頼んだ、というわけではないですよね?

望世:そうですね。浩太郎(Ba)はフュージョンとかも大好きですけど、特にジャズの教育を受けたわけではないですし、Nariken(Dr)はレッチリ(RED HOT CHILI PEPPERS)とかのイメージが強いですね。

-そしてみなさんが20歳を過ぎて、初めてのアルバム『No size』を作り終えた感想はいかがですか?

望世:大変でしたね。メンバーはみんながみんな、ゆっくり音楽を作るタイプなんで、決めないとやらない。でも腹を括ってからは、出すまでに1年以上はかかりましたけど、いい感じにやれたと思います。

-ディレクターがついたことも、正直なところ、引き金にはなりましたか?

望世:そうですね。ちゃんと作品を作らないといけないなって。でもスタッフの方々は、私たちがそんなだって、知ってか知らずか"ミニ・アルバムにしようか"って感じだったんです。でも最初だし、ミニのボリュームだとやりたいことが表現しきれないし。

真結:曲数もないし作曲ペースも遅いくせに、自分たちで"フル・アルバムにしたい"って。

望世:ほざいた(笑)。

-クレジットは作詞が望世さん、作曲はペンギンラッシュなのですね。

望世:曲に関しては、ベースとなるものは私か真結か浩太郎が作るんですけど、どの曲も、結局"全員で作った"っていう感触なんです。作詞は私なんですけど、そこも含めて、このメンバーじゃないとできないからですよ。

-目がたくさん並んだアートワークも面白いですよね。どこかニューヨークなど海外のレトロなポップ・アートっぽくて。

望世:たしかにそうかも。もともとアートも好きで、そこで私たちがすごく信頼しているイラストレーター/デザイナーで且つフォトグラファーでもある方にお願いしました。アー写もその方に撮ってもらってます。何回も打ち合わせして曲も聴いてもらって、感覚を共有しました。作品そのものについては、ほとんど口出しはしてなくて、"ちょっと影があるような"ってリクエストしたくらいでした。

-そして出てきたものに対して、どう思いましたか?

望世:"他人の目を気にする日本人"みたいな感じが出てるかなって。整列しているのも日本人っぽくて、私の詞の世界観とも合うと思います。

-どれとも目が合わないんですよね。

真結:そうなんですよ。その違和感、不気味さがいいんですよね。

-「installation」はSNSのことを歌われていますが、自分のことなんて、たいして誰も気にしてないんですけど、認めてほしい。そこで意識過剰になって、なんか嫌な視線ばかり感じちゃうみたいな。

望世:疲れますよね。でも私たちの世代にとっては、物心ついたときから(SNSは)ありましたし、実際に私もやってますし。見たくないことも自然に見えるし、じゃあやらなきゃいいんですけどね。そういうことを曲にしたらいいかなって。