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INTERVIEW

Japanese

アルクリコール

2018年02月号掲載

アルクリコール

Member:早坂 コウスケ(Vo/Gt) ワタナベ ヒロキ(Gt) 五十嵐 ハヤト(Ba) 後藤 フミト(Dr)

Interviewer:蜂須賀 ちなみ

-Yumechika Records初の試みとして、Anger Jully The Sunと共に2ヶ月連続リリースを行うことも今作における重要なトピックですね。アルクリコールから見てAnger Jully The Sunがどんなバンドなのか、改めて紹介してみていただけますか。

ワタナベ:高校時代からの後輩でもあり、友達でもあり、一番のライバルでもあります。ひと口に言えばギター・ロック・バンドですが、楽曲ごとの表情の変化がとても激しく、観ていて聴いていてとても楽しいです。今作『Afterglow.』もそんな彼ららしさが出た作品ですね。何よりライヴの熱量がすごいですよ、一度観てほしいバンドですね。メンバー全員顔がシュッとしてるし、スタイルもいいので僕は嫌いですけどね(笑)。

-今作『Re:versal』の制作時期はいつごろですか?

ワタナベ:『アゲイン』のあとすぐに作成開始しました。じっくりと時間をかけたので完パケが12月と、7ヶ月間ギリギリまで使いましたね。

-制作はスムーズに進みましたか? それとも難航しましたか?

ワタナベ:THEサラダ三昧時代は楽曲作成ペースがかなり遅く、今作も曲作りに結構な時間を使いました。なかなか納得のいくメロディが浮かばず、早坂と深夜に近所のカラオケにて朝まで作曲することもしばしば。特にリード曲「ユアライト」に関しては本当に難航しましたね......。バイト中に鼻歌でメロディを考えたり、イヤホンからバック(演奏)だけを延々と流しながら近所の道を徘徊したり(笑)。

-リズム隊によるビートのパターンなどに歌詞と呼応するような箇所が多いように思いました。

ワタナベ:今までは意識していなかったのですが、最近はリズム隊とメロディの噛み方は意識して作曲してますね。もちろんメロディだけでなく、各々が"どんなリズムが乗りやすいのだろうか"、"このリズムにはどんなフレーズを持ってきたらいいのだろうか"など、細かい部分含めて模索しております。

-演奏面において、特に難しかった曲はどれですか?

早坂:「雨音」ですかね。僕らの曲史上こんなに遅い曲もなかったですし、そもそもバラードっていうのも初だったんです。アルペジオと繊細且つ感情的な歌を入れたかったので、こだわったぶん、難しかったですね。

ワタナベ:圧倒的に「ユアライト」です。自分で作っておいてですが、今までの自分の手癖とはまったく違うギターのフレーズで、ギタリスト個人としても新境地を開拓することになった楽曲ですね。イントロのツクチャー、ツクツク(カッティング)が特に......。

五十嵐:俄然「ユアライト」ですね(笑)。今まで僕はベースを高く構えて指弾きがメインだったんですけど、今作から低く構えて持ち始め、その姿勢で16分音符を弾き続けるという点で今までにないプレイなので難しいです(笑)。

後藤:圧倒的に「クラリオ」ですね。今作の中でテンポの速い曲で、基本常にハイハットを叩き続けたり、今までにないリズム・パターンだったりするので、腕が慣れるまでにかなり時間がかかりました。

-「ユアライト」をリード曲に選んだ理由を教えてください。

ワタナベ:今までの我々から一番変化を見せた楽曲であること。我々の住む北国らしさがしっかり表現されていること。札幌にて着実に成長、変化している姿を一番忠実に体現できた楽曲でした。リード曲選出はさほど迷わずに「ユアライト」で決定しましたね。

-MVは真っ白な雪景色の中での演奏シーンが印象的です。

ワタナベ:率直に寒かったです(笑)。深夜23時ごろから朝7時までの撮影で、約8時間はマイナス8度の雪の中にいました。上着の内側に貼るカイロを限界まで貼って臨みましたが、気休め程度にしかならず......。あの日はさすがに"もう冬の曲を作るのはやめよう。真夏のビーチの曲ばかり作ろう"とも思いました(笑)。

-ワタナベさんの書く歌詞には、理想と現実の狭間で葛藤しているような描写が多いように思えます。そのあたりはサラダ三昧のころからずっと変わりありませんが、人知れずもがき悩む主人公像はご自身の投影なのでしょうか?

ワタナベ:おっしゃるとおり、以前は僕自身の投影が多かったと思いますが、改名後は心境の変化などもあり、対象が自分から第三者に向けて描くことが多くなりましたね。僕が描いた内容に対して捉え方が何通りあってもいいと思ってます。誰もが共感できる曲よりも、曲を聴いて歌詞を見てくださった方の解釈がひとつの正解であるような。ですので、主人公は聴いてくださったみなさまです(もちろん作った僕も主人公です)。