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INTERVIEW

Japanese

有安杏果

2017年10月号掲載

有安杏果

Interviewer:吉羽 さおり

ももいろクローバーZの有安杏果が1stソロ・アルバム『ココロノオト』をリリースする。1st EP『ココロノセンリツ♪ feel a heartbeat』では、Superflyなどを手掛ける多保孝一や[Alexandros]の川上洋平からの楽曲提供を受け、シンガーとしての新たな面を披露した有安だが、今作でも自ら作詞・作曲を行った曲があり、その心の内を言葉と歌に託している。今作でも渡 和久(風味堂)や藤原 聡(Official髭男dism)などが楽曲提供した曲で、ジャズやファンクの要素も乗りこなす。グループでの元気な印象とは違う、大人の表情や、ひとりの歌い手としての凛とした横顔を見せる内容だ。

-2016年7月に横浜アリーナで行ったソロ・コンサート"ココロノセンリツ ~Feel a heartbeat~ Vol.0"から1年ほど経ちました。今回の1stソロ・アルバム『ココロノオト』は、ようやくソロのアルバムが形になったという実感ですか。

もともとは昨年、横浜アリーナでソロのコンサートをやることが決まってから、自分で曲を作ろうと思って始めたものだったんです。最初は、1曲だけでもいいから自分で曲を作れたらなと思っていたのですが、気づいたらこんなにたくさん曲たちが集まっていたんです。だから、1年後にアルバムが出ますと言われていたわけではまったくなかったんですよね。今年に入って、アルバムをリリースすることが決まったようなものだったので。

-そうだったんですか。

横アリが決まってからの1年ちょっとの、自分のいろんな心の声や、心の音が詰まった曲たちが、『ココロノオト』というひとつの作品としてできあがって。1枚のCDという形になるのは、本当に嬉しいことだし、夢にも思っていなかったので(笑)、今でも、"本当に店頭に置かれるのかな?"って思います。

-曲調も幅広いけれど、有安さんのヴォーカル自体も、いろんな表情や歌い方を持っているんだなというアルバムですね。充実感も高いのでは。

そうですね。素晴らしいアーティストの方々に、自分では書けないようなジャンルの曲を書き下ろしてもらったので、普段は歌ったことのないような、でも歌ってみたいなと思って、実はたくさん聴いていたジャンルだったり、好きなジャンルだったり、いろんなタイプの曲に今回は挑戦してみました。

-結構こういう曲も歌うんだなと意外に思ったのが、風味堂の渡 和久さん作曲の「愛されたくて」や「遠吠え」、1st EP『ココロノセンリツ♪ feel a heartbeat』(2016年リリース)にも収録されていた小谷美紗子さん作曲の「裸」で。

風味堂さんのあのジャジーな感じの曲が、めっちゃ好きなんです。まだ、自分が横アリとか、ソロをやらせてもらえると思っていなかったときから聴いていて。今回誰かに曲提供をお願いしてもいいよとなったときに、"それなら渡さんに"ってダメ元で言ったら、快く引き受けてくれたんです。

-そこから実際に渡さんとは、どんな曲にしていくかという打ち合わせもしているんですか。

楽曲提供をしてくれたアーティストさんはみなさん、事前に打ち合わせをさせていただきました。まずは、自分が普段聴いている音楽だったり、好きな言葉とか、今回こういう曲にしたいというイメージだったりを伝えて、普段私はグループで活動をしているので、自分がソロで歌っている歌声を聴いてみたいとみなさん言ってくださいました。自分の声に合わせて曲を作ってくれたというのは、すごく嬉しかったですね。小谷さんとの打ち合わせでは事前に──これは世には出ていないんですけど、自分のイメージした歌詞を実際に書いて"今の自分は、こういうことを思っていて、こういうイメージなんです"というのを、お渡ししたんです。それと、私が小谷さんの作品の中で好きな曲を伝えたら、"すごくわかった"と言ってくれて。そこから、「裸」という、私が書いた歌詞とはまた違うけれど、でも私の想いや私の声にも合うような素敵な楽曲を作ってくれたんです。レコーディングでディレクションもしてくれました。

-この小谷さんの曲は、メロディが歌ともラップとも、簡単に把握しにくい旋律を持っていて、すごく難しそうですよね。

はい、すごく緊張しちゃって。1回、レコーディング・ブースに小谷さんが一緒に入って、肩をポンポンしながら歌ってくれて(笑)。リラックスできた状態を作ってくださったんです。それで、本格的にヴォーカルのディレクションをしてもらって、ひとりでブースに入ってレコーディングという感じでした。緊張感もありつつ、勉強になるレコーディングでした。