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INTERVIEW

Japanese

hunck

2017年09月号掲載

hunck

Member:かつや(Vo/Gt) しげ(Gt) ゆうき(Ba/Cho) じょうたろう(Dr)

Interviewer:岡本 貴之

東京を中心に活動するギター・ロック・バンド、hunck。幾度かのメンバー・チェンジを経ながら、着実に歩を進める彼らが11月24日新宿SAMURAIにてバンド初のワンマン・ライヴを開催する。ギター・ロックにピアノの音色を加え、時に直情的、時に抒情的に聴く者の感情を揺さぶるその楽曲たちは、ライヴに足を運ぶファンの心に多幸感を与えているようだ。バンドの集大成となるワンマン・ライヴに向けて、メンバー4人に意気込みを訊いた。

-昨日(8月9日)は新宿SAMURAIでライヴがあったそうですが、いかがでしたか。

かつや:the irony、TRY TRY NIICHEと対バンだったんですけど、すごく良かったですね。

じょうたろう:僕は6月からのツアーにサポートで参加していて、昨日メンバーになることを正式発表しました。

しげ:彼の正式加入と、11月24日新宿SAMURAIでバンド初ワンマン・ライヴを開催することを昨日のライヴのアンコールで発表しました。

-hunckはどんな経緯で結成されたバンドなんですか?

かつや:僕は高校時代にずっとLINKIN PARKが好きで、前のドラムとバンドを結成したんです。ただ、高校を卒業してからやっぱり日本語のバンドがやりたいと思って、新たにメン募サイトでメンバーを募集していろんな人とスタジオに入って、集まったのが最初のメンバーです。それが4年くらい前ですね。

-バンド名はどんな由来があるんですか?

かつや:当時一緒にやっていたドラムが、ゲーマーだったんですよ。ゲームの主人公とは別に強力な隠れキャラで"ハンク"っていうのがいるんです。当時の僕以外のオリジナル・メンバーが、全員そのゲームをやっていて。"ハンクいいじゃん!"って言ってて、そのまま"hunck"ってバンド名になりました。最初自分は反対したんですけど(笑)。だからあんまり意味はないんです。

しげ:後づけですけど、主人公とは違う隠れキャラというか。

かつや:当時はあんまり考えてもなかったんでしょうね。でも、バンドを始めたときの勢いもあったと思います。

-どんなバンドをやろうと思って始めたんでしょうか。

かつや:日本のバンドだと、僕は個人的にはthe HIATUSが好きで。変拍子もありつつ、歌モノのときは歌をしっかり届けたり、演奏が楽しい曲があったりっていうのはやりたいなと思っていました。

-曲を聴かせてもらったら、ストレートなロックなんだけどピアノが入っているのが特徴的だなと思ったんですけど、ピアノを入れたのはどんな発想から?

かつや:もう、好きなんですよ、ピアノが。誰のピアノが好き、とかじゃなくて単純にピアノの音色が好きで。ちゃんとロックな部分がありつつ、そこにピアノの音を入れた中で歌いたい、というのが基盤になっています。歌が中心ではあるんですけど、そこからちょっと捻った変拍子があって、スルメイカじゃないけど、"なんかハマっちゃうな"みたいな。

-噛めば噛むほど味がする、ということですね(笑)。ではそれぞれどんな音楽志向があるのか教えてもらえますか?

ゆうき:入りはGLAYからで、スピッツとかめっちゃポップな音楽も好きになりつつ、高校のころはラルク(L'Arc?en?Ciel)とかイエモン(THE YELLOW MONKEY)とか、ハードな曲もベースで弾いていました。そこから専門学校に行って、完全に洋楽に移行して、ジャズとかファンクとかいろんな曲をやるようになりました。最終的に行き着いたのは、日本の歌モノ・ロックですね。ベースで目立ちたがり屋な部分もあって(笑)、それも面白いんですけど、やっていくなかで自分に合っているのは、歌を支えるベースだなと思っています。

しげ:僕も入り口はGLAYなんですけど、ヴィジュアル系が好きだったんで、Janne Da Arcとかを聴いて"めっちゃギターうめぇ!"って影響を受けてそこから速弾きをやりだして、洋楽ハード・ロックを聴いていたんです。自分もジャズとかそっちの方面に行こうと思ったんですけど、周りに上手い奴が多すぎて。自分が勝負するのはここじゃないな、と思って"本当に自分がやりたい音楽ってなんだろう"って考えたときに、初期衝動というか、歌モノのロックが好きだということに気がついて今に至ります。

-かつやさんだけじゃなく、しげさんも作詞作曲していますが、いつごろから書いていたんですか。

しげ:中2くらいからギターを始めて、機材を買い足して宅録もするようになって、高校のころから曲を書いてました。hunckで曲を書きだしたのは、ここ半年くらいです。ヴォーカルの声、音域、ピークの音、キャラクターなんかも自分の中で咀嚼して伝えられるようにならないと曲は書けないなと思っていたので、だいぶ期間が空いちゃいましたね。

じょうたろう:僕は最初、音ゲーにハマってて。"beatmania"とか"Dance Dance Revolution"とか、全種類やってきて、その中で"DrumMania"っていうドラムのゲームが出たんですよ。それが中2くらいで、高校で軽音楽部に入って本物のドラムをやりだしたんですけど、同時期に友達がX JAPANを推してきて。YOSHIKIさんのドラムは速くて無理だなと(笑)。でも、高校3年間くらいはパンク・ロックとか疾走感のある音楽をやっていて。専門学校に行き始めて、初めて歌モノのバンドに誘われて叩いてみたら、"こっちの方が気持ちいいな"って思うようになったんです。そこからは歌モノしか聴いてないくらい歌モノが好きですね。歌を気持ちよく歌ってくれていると、ドラムも気持ちよく叩けるので。

-hunckはどんな音楽をどんな人たちに届けたいと思っているのでしょう。

かつや:曲によっては微妙に違いますけど、僕が届けたいのは、"愛"ですね。恋愛、家族、友情もそうですけど。例えば僕の身の回りだったら"今この曲は親友のあいつにだけは届いてほしい"とか。僕が書く歌詞は、結構抽象的なものが多いと自分で思っているんですよ。それを聴いてくれる人に半分投げちゃうというか、どういう捉え方になってもいいんですけど、どこかの場面で聴く人にとっての救いになるようなものなってくれたら嬉しいですね。

-そういう曲作りへの思いはしげさんとかつやさんが共通している部分ですか。

しげ:彼の曲は、僕の立場からだと絶対に書けないなと思ってプレイしていて。逆に、彼に作れないものを書こうというのは僕のスタンス的にあるんです。わりと僕の曲の方が"あぁ、こういうことを言いたいんだね"っていう、わかりやすいものが多いですね。そこは明確に違う部分かもしれない。

かつや:うん。今回の「ノンフィクション」(2017年ライヴ会場限定リリースのニューEP表題曲)っていうしげの曲も、すごくキャッチーだもんね。"絶対に絶対に"っていう。1回聴いたら口ずさんじゃうようなインパクトがある曲だと思います。