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INTERVIEW

Japanese

Omoinotake

2017年08月号掲載

Omoinotake

Member:藤井 怜央(Vo/Key) 福島 智朗(Ba/Cho) 冨田 洋之進(Dr)

Interviewer:蜂須賀 ちなみ

-たしかに全体的にポジティヴな曲ではありますけど、正直、決別しきれてはいないように私は思ったんですよね。

福島:そうですか?

-はい。福島さんの歌詞って、"今だけは"、"ここだけは"というワードがよく出てくるじゃないですか。それってつまりは逃避なので、結局起点はネガティヴなままなんじゃないかと。

福島:たしかに。......うわぁ、マジかぁ。バカ明るくはないっていうことですよね?

-はい。

藤井:ははははは! でも俺はそのバランスでいいと思ってるよ。俺もそういう人間だし。

福島:根暗ってこと?

藤井:引きずってるなぁ(笑)。俺みたいな超ハッピーなわけじゃない奴でも「Ride on」を歌えば、"その場では笑おう"みたいな気持ちになれるし、普段は全然そういうタイプじゃないので、歌っていると気持ちいいんですよ。そのあたりが、お客さんと同じ目線で歌えている理由なのかなっていうふうに思うので。

-ということは、お客さんも根っから明るい人たちの集まりではない?

藤井:......そう、ですねぇ(笑)。


素敵な歌詞と素敵なメロディがあれば、音楽が大好きというわけではない人たちにも届くはず


-今日お話を聞いてみて思ったのは、"人の生活に寄り添いましょう"という広いテーマは存在しているんだけど、突き詰めると、みなさんが今自分たちの目の前にいる人と向き合った結果、生まれた作品なんじゃないかなということで。

福島:なるほど。そうかもしれないですね。

藤井:たしかに、満面の笑みで踊る感じではないような人が、ちょっと"ニコッ"としてくれるぐらいのアルバムになればいいなぁとは思っています。でもそこに関しては結構無意識だったなぁ。

福島:そうだね。

冨田:それこそ「Ride on」なんて"俺らめちゃめちゃ明るい曲作れたじゃん!"って喜んでいたくらいなので......。

-ひっくり返してすみません(笑)。でもそこがOmoinotakeらしさなんじゃないかなって。

藤井:そうですね。

冨田:......でも明るい感じに憧れてはいるし、うらやましいなと思ってますよ? だからこれからもイェーイ! ってなれる曲を作ろうっていう挑戦はしますよ。

藤井:まぁでも、またきっと同じような感じになるんでしょう(笑)。

冨田:いや、わからないよ? もしかしたら、とんでもなく明るくなって1年後はみんなサングラスをかけているかもしれない(笑)。

福島:いやいやいや!

-次に取材でお会いするときはそうなっているかもしれませんね(笑)。では最後に、今後の展望についてうかがいたいのですが。

藤井:はい。最終目標は、紅白歌合戦に出続けることなんですよ。例えば武道館とかだったら、"音楽好きな奴がたくさん集まった"っていうだけになっちゃうじゃないですか。でも紅白歌合戦は音楽好きじゃない人も見るような番組だから、本当にそういうところまで浸透させたいなって。

-要はお茶の間って、路上ライヴが大きくなっただけの話ですからね。

藤井:そうですね。現状、ストリート・ライヴが僕らの活動の軸になっているし、あの光景が本当に大好きなんですよ。だから、路上ライヴでのし上がっていきたいし、素敵な歌詞と素敵なメロディがあれば、音楽が大好きというわけではない人たちにも届くと思っているので。そこの2大柱をどんどん磨いていって、そういうところまで届けられればなぁと思います。