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INTERVIEW

Japanese

こうなったのは誰のせい

2017年08月号掲載

こうなったのは誰のせい

Member:カイト(Vo/Gt) コヤマタクヤ(Ba) ハシノヨシテル(Dr)

Interviewer:吉羽 さおり

-ハシノさんは、もともとどういう音楽をされていたんですか。

ハシノ:僕は高校のころに、軽音部で9mm Parabellum Bulletのコピバンをやってました。それで、もともとは和歌山のホテルでパティシエをしていたんですけど。

-意外な経歴が。

ハシノ:ずっと音楽がやりたかったんですけど、親に反対されていて。それで、趣味やったお菓子作りを仕事にしようと、和歌山のホテルに入ったんです。そのときに、YouTubeでたまたま音楽を探していたら、こうなったのは誰のせいの曲が出てきたんですよ。変わったバンド名だなと思って聴いてみたら、めっちゃ好きやなと思って。それでTwitterアカウントをフォローしようと思ったら、ドラム募集中と書いてあったんです。それで、メールを送ったのがきっかけですね。

カイト:夜中の2時半くらいに熱いメールが来ました。

ハシノ:すぐに送りたくなって。

-カイトさん自身、今は最高のメンバーが集まったなという感じですか。

カイト:むちゃくちゃ楽しいです。いいメンバーだなと思ってます。

-先ほど、等身大の音楽という話がありました。今書いている曲は、自分の実体験や思いがもとになっていると思うんですが、書くことで何か自分の中で変化が起きている感覚はありますか。

カイト:ありますね。単純に、昔とは言っていることが違うというのもありますし。

-ここ最近での変化はありますか。

カイト:歌詞はたぶんいつもどおりだと思うんですけど、歌に関してはこのアルバムのレコーディングのときに、歌録りで"もっと自分を出せよ"みたいな感じで言われたのが大きかったですね。「ハイリ」という曲を最初にやったんですけど、それから吹っ切れた感じがして。今まで叫ぶというか、荒ぶる歌い方はしてこなかったんですけど、それ以降はライヴでも叫ぶような感じで歌っていたりとか。歌というよりは、話すように歌う感じになってきました。

-それが、自分のスタイルや感情とも合っている。

カイト:はい、そうですね。

-"もっと自分を出せよ"というのは、プロデュースをした篠塚さんからの言葉ですよね。

カイト:そうです。クールすぎるからって言われて(笑)。"カイトは自分を出した方がいい"って。それでこの歌録りのときに、いろいろ吹っ切れたみたいです。

-それを言われて、どう表現すればいいか、どう解き放てばいいかというのはすぐにわかりましたか。

カイト:うまく言えないんですけど、声量とかの話ではないなっていう。僕はそれまで、音程とか歌うことを意識して、そればかり考えていたんです。言葉の意味であったり、自分で書いている歌の意味を考えて、そっちを大事にした方がいいのかなと思って。何も考えずに歌った結果、そんな感じになったというか(笑)。

-自分で聴いてみても、今回の作品は変わったなと思いますか。

カイト:そうですね。

コヤマ:まず、今回は音の圧が違うのと、粗削りな部分はあるんですけど、今はなんていうか、獣みたいな感じで(笑)。全員、"俺を見ろ!"みたいなスタンスがあるんですよ。ドラムもドコドコうるさいし、ギターのフルキもピロピロしているし、ヴォーカルのカイトもギャーギャー叫び出したし。レコーディング前から、しのさん(篠塚)とスタジオに入ったりもしていたんですけど、"お前らはクールすぎる。熱さが足りない"みたいなことは言われていたんです。全員が覚醒したと言うとあれですけど、いい感じやったのが6月に東京であった、僕らが今いるレーベルのライヴのときからですかね(※Low-Fi Records主催"ローファイフェス")。

ハシノ:僕はあまりレコーディングをしたことがなかったんですけど、僕からしても前にレコーディングしたときよりもだいぶ変わりましたね。