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INTERVIEW

Japanese

alcott

2017年05月号掲載

alcott

メンバー:貴田 宰司(Vo/Gt)

インタビュアー:高橋 美穂

神戸のロック・バンド、alcott。ソング・ライティングを担当している貴田宰司の、多彩且つ独自のポップ・センスが活かされた楽曲に注目が集まりつつある今日この頃、満を持して自身初の全国流通アルバム『YELL』がリリースされる。バラエティ豊かな仕上がりとなった今作について、Skream!ではバンドを代表して貴田宰司にメール・インタビュー。バンドの指針のことまで、赤裸々に明かしてくれた。

-『YELL』を聴かせていただいて、音楽が好きであるというだけではなく、でっかいところを目指しているバンドであることが伝わってきました。Skream!としては初めてのインタビューになりますので、結成された経緯や、どんなバンドをイメージして始動したのかというところから教えていただけますか?

ありがとうございます。すごく嬉しい。alcottは2010年結成です。関西学院大学の軽音サークルで出会いました。当時はRADWIMPSやELLEGARDEN、RED HOT CHILI PEPPERSなどをコピーしていました。個人的に音楽を始めたきっかけはゆずや19、コブクロのような弾き語りから。歌心がある音楽に強く惹かれていたと思います。

-神戸を拠点にして活動されているそうですが、みなさんご自身が思うメリットはどんなところにありますか? 神戸の魅力も併せて教えていただきたいです。

神戸は美しい街です。阪神淡路大震災も乗り越えた復活の街。単純にかっこいいなと思うんです、神戸という街が。だから神戸を代表するバンドになりたい。そしたら日本を代表するバンドになっても、胸を張れると思っています。

-「さくらの麓」(Track.1)のひと言めから、歌詞に"あたし"と出てくるところが印象的です。男性である貴田さんが、どんな意味合いで"あたし"を使っているのでしょうか?

"私"は強いけど、"あたし"は弱い。語感の部分も大きいのですが。あたしという言葉を使うとき、どこかに引け目を感じていたり、どこかすごく弱いんです。そんな弱さ、儚さは女性の美しさだと思います。

-冒頭の2曲でギター・ロックを鳴らしながら、「Yellow」(Track.3)でガラッと音色のアプローチを変えてきたところに驚きました。洋楽的なスケール感がありますが、どんなイメージを持ってこの曲を制作しましたか?

『宣戦布告 / ピーナッツ』(2017年1月リリースの1st両A面シングル)のツアーを経たからこそ作りたくなった楽曲です。疾走感があって爽やか。手拍子やシンガロングをして、踊ったり跳ねたりして、お客さんとライヴを作りたい。炭酸飲料や清涼飲料がイメージにぴったりですね。CMソングの依頼待ってます(笑)。

-さらに「あたしのせいだと言えるように」(Track.4)でハードになって、また驚かされました。ポップ・センスがあるバンドだと思っているのですが、ハードなものもお好きですか?

大好きです。この曲はすごく攻めてますね。リフからできる曲は珍しいです。ジャンルにはとらわれず、大量に漁るタイプなので、この曲にはコアな要素がしっかり入っていると思います。

-ライヴでやるとなると、こういう曲が火を点けるところがあるのかな、とも思いましたが、どうですか?

セクション的にはガラッと雰囲気を変えるときに使いたい1曲ですね。一緒にゴリゴリに暴れるくらいの気持ちでノッてほしいです。サビの飛び出しのトリップ感などかなり意識したので、暴れながらそこも忘れずに聴いてほしいです。

-「化物道」(Track.5)は、ちょっと怪しいイントロから、ところどころに奇妙な音色がスパイスとして散りばめられています。歌詞ともリンクしていますが、どういったアイディアからこの曲が仕上がっていったのでしょうか。

この曲ができたきっかけは、尊敬しているMAGIC OF LiFEのギターの山下拓実さんに毎日10キロ走るという日課を教えてもらったことです。そこから1年間365日、必ず毎日10キロ走るという拓実さんとの約束を果たしたときに、これは曲にしようと思いました。もうほんと壮絶でした。雨の日も、風の日も、10キロ走る。まさに化物の道。

-「わくわく3」(Track.6)はタイトルからしてキュートな、子供に向けて歌っても手遊び歌になりそうな歌詞が印象的でした(もちろん、わくわくさんを思い出しました)。曲を生み出すうえで、時にユーモアも大事だと思いますか?

そうですね。いつもこういった曲を作るとき、NHK「みんなのうた」で流れてもおかしくないように作っているつもりです(笑)。肩の力を抜いて、楽しみながら作っています。イントロのリフが「グーチョキパーでなにつくろう」という子供の手遊び歌のオマージュであったり、本来なら管楽器で鳴らすようなメロディをリード・ギターが鳴らしていたりと様々。ギターの内田(将之)君はalcottのアレンジを決めるうえでのキーマンですね。

-また、子供もですが、幅広い世代に聴いてほしいという思いはありますか?

すごくあります。家族に聴かせて、"いいね"と言わせたい。意外とシンプルです。

-「THE PEG」(Track.7)は、まさにアルバム・タイトル"YELL"に繋がるような曲だと思いました。みんなで苦楽をシンガロングして分かち合える曲というか。"僕が歌う理由"という核心的な言葉もありますが、この歌詞はどんな思いで書かれましたか?

"ペグ"の意味は"理由"ですね。これはもうお客さんの力なしには成立しない楽曲です。構成の大部分がみんなと一緒に歌えるようになっています。ひとりでは歌えない曲にしたかった。alcottのアンセムと呼べるような曲になると思います。僕自身、何度も心震わされてしまう言葉たちでいっぱいです。"ありがとうなんて 僕の方だよ"という歌詞がこの曲を導いてくれたと思っています。大好きな人の笑顔に敵うものはないですね。