Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

THE ANDS

2017年02月号掲載

THE ANDS

メンバー:磯谷 直史(Vo/Gt) 松尾 貴教(Ba) 祢津 隼(Dr)

インタビュアー:山口 智男

新たなラインナップで再スタートとなった前作『euphorium』から約2年。THE ANDSがリリースした3rdアルバム『FROTHY』は90'sオルタナの申し子と言えるサウンドの延長上で、さらなる広がりが感じられる意欲作となっている。ずしっとした確かな手応えを感じながら、"未だ発展途上"とメンバーたちが語るとおり、自分たちが美しいと思える音楽を求め、既成概念や固定観念から解き放たれた3人はここからさらなる飛躍を遂げるに違いない。それまでは十二分に大きな成果と言える『FROTHY』の全6曲の魅力をたっぷりと味わいたい。

-今回はSkream!初登場なので、3作目の作品ではあるんですけど、バンドがどんなふうに始まったのかというところから教えていただけますか?

磯谷:結成は2011年の春で、前身バンドが活動休止してから新しいバンドを作りたいと思って、わりとすぐに動き出したんです。それでメンバーを見つけて、ライヴ活動をメインにスタートしたんですけど、1年半から2年ぐらい活動したところで、リズム隊のふたりが田舎に帰るだ何だで抜けてしまったんです。でも、自分はまだまだやりたいことがあったので、THE ANDSという看板は下ろさずに新メンバーを探し始めて、そこで友人の紹介で祢津君と昔からの友人だった松尾君を誘って、現在の3人が揃いました。

-最初、磯谷さんがTHE ANDSを始めたとき、どんなバンドをやりたいと考えていたんですか?

磯谷:5年前のことだから、現在とは変わっていると思うんですけど、当時考えていたのは、前身バンドには出せなかったサウンドのフィジカルな感じというか、マッチョな感じというか、そういうものをバンド・アンサンブルに出していければいいなという気持ちでスタートした記憶がありますね。

-そして、その考えは徐々に変わってきたわけですね?

磯谷:最初は自分中心の二等辺三角形のアンサンブルを作っていたんですけど、5年も経つと、バンドも成長して正三角形になったというか、メンバーの個性もすごく大事にするようになってきて、むしろそこが僕たちにとって一番重要なんじゃないかって感じになってきました。

祢津:加入したときは前のメンバーで作った曲がアルバム1枚分あったので、良いことだったのか悪いことだったのか、その色を大事にしないとけないと思っていたんです。僕はTHE ANDSに入ってから磯谷さんと接するようになったので、磯谷さんの人柄だったり、音楽に対するイメージだったりを徐々に理解していきながら、自分のことも理解してもらいつつ、自分の個性を出せるようになってきた。そのうえで、磯谷さんが言っていたフィジカルとかマッチョとかって部分も出せるようになってきたと思うから、これからはもっと上というか、違ったアプローチもしていけたらというふうにも思っています。

松尾:僕も最初はバンドでやるというよりは、友人の磯谷さんと一緒にライヴをしているという気持ちでした。バンド感や自分はTHE ANDSのメンバーなんだっていう感覚は徐々に出てきたって感じですね。もともとあった曲を弾きながら、THE ANDSらしさを覚えていったというか、そこから自分だったらどういうふうにしようかって考えるようになっていって、正三角形になってきたという手応えはありますね。

磯谷:常に理想を追い求めながら、いいライヴをしたい、いい曲を書きたいという気持ちは昔から変わらないんですけど、前作の『euphorium』(2014年リリースの2ndアルバム)を作ってひとつ感じたのは、新しいメンバーになって1枚、アルバムを提示したんだから、ここからバンドとしてもっと自由になれるだろうということでした。ふたりも同じように、それまでの色を大事にするのではなく、これから作り上げていくものの方が多いという気持ちになったんじゃないかなって。だからこその3枚目というところで、前作を出してからの2年間は模索の時期だったんですよ。

-つまり模索していたことの答えが今回の作品だ、と。

祢津:でも、すべての答えではないです。

磯谷:途中経過ですね。

祢津:やり切ったという気持ちは正直、まだなくて。

磯谷:ひとつ山を越えないと次の山を越える準備ができないというか、まず何かひとつ提示しなきゃいけないというか、(RADIOHEADで言えば)『Pablo Honey』からいきなり『Kid A』というわけにはいかない。『The Bends』と『OK Computer』を挟んでっていう(笑)。そんな感じですね。


嫌われてもいいやぐらいの違和感だらけのサウンドを作ってみようよって


-何かひとつ提示するという意味で、どんな作品になったと考えていますか?

祢津:前の2作品にはないアプローチをしているというのがまずひとつあります。曲の展開や持っている雰囲気、音の作り方とか、今までよりも実験的なことをしているアルバムだと思います。そのせいか、聴いていただいた方の印象が結構バラバラで。

磯谷:そこも今作の面白いところだと思います。たった6曲なんですけど、その6曲が個々にキャラクターが違うというか、曲によっては同じバンドがやっているとは思えないようなアプローチもあるから、全体の印象ではなく、1曲1曲の印象で語られることが多いんですよ。でも、自分ではそれがわかっているし、全体のイメージという作品性を大事にしているから、曲単位での感想はどうでもいいと思っているんです。全曲さぼってないよね?

松尾:出せることは出して、やれることはやったから、多様性は出てきていると思います。

磯谷:だから結果、何を言われてもいい。

-新しいアプローチって、例えばどんなことだったんですか?

磯谷:レコーディング的な部分ではあるんですけど、ドラムにドラムを重ねたりとか、同期と生のドラムを合わせたりとか、ドラムばっかですけど(笑)、ドラムのフレーズを切って繋げたりとか。ライヴのことは置いておいて、とりあえず面白そうだからやってみようって、そういうレコーディングをやってみました。