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INTERVIEW

Overseas

YOU ME AT SIX

2016年12月号掲載

YOU ME AT SIX

Member:Max Helyer(Gt)

Interviewer:山本 真由

2008年にリリースしたデビュー・アルバム『Take Off Your Colours』から注目を浴び、これまですべてのアルバムがゴールド・ディスクとなっており、ライヴ・パフォーマンスにおいても評価の高いYOU ME AT SIX。特に、2014年リリースの前作『Cavalier Youth』ではUKチャートで1位を獲得するなど、もはやUKを代表するロック・バンドと言っても過言ではない。そんな彼らが約3年ぶりとなる新作『Night People』をリリース。初期の青いパンク・サウンドから脱皮し、普遍的なロックを彼ららしいスタイルで表現した今作について、そのサウンドの秘密をギターのMax Helyerに語ってもらった。

-ニュー・アルバム『Night People』は、2017年の年明け早々にリリースされますが、年末年始はゆっくりできそうですか?(※取材は12月)

それはどうかなぁ。休日の間はリラックスするつもりだけど、2017年はワイルドな年になることが予想されるから、その準備もしなきゃいけない。なんて言ったって『Night People』がリリースされるんだから!

-前作『Cavalier Youth』から約3年ぶりの新作リリースとなるわけですが、バンドのここ数年の近況について教えてください。

『Cavalier Youth』がリリースされてすぐにツアーを開始したから、おかげでいろんな新しいところに行けたし、以前訪れたことがあるところにまた行くこともできた。アメリカでそこそこ成功し始めたから、わりと長い時間をアメリカ、そしてヨーロッパで過ごしたんだよね。フェスティバルにもたくさん出演して、2015年の夏にイギリスの"ワイト島音楽祭"で一連のツアーの幕を閉じたんだ。その後すぐに『Night People』の曲を書き始めてはいたんだけど、じっくり時間をかけたかったからソーシャル・メディアで告知したりせず、焦らずリラックスしながら制作してたんだ。それと、ここ10年ほどプライベートな時間がまったくなかったから、その時間も作りたかった。レコーディングは2016年2月に開始して、6月には終わっていたよ。

-前作がUKチャートで1位を獲得し、2万人収容の会場"The O2 Arena"でのヘッドライン公演(※2015年開催)を成功させるなど、今やUKを代表するライヴ・バンドとも言われているYOU ME AT SIXですが、バンドを取り巻く環境や、ご自身の音楽に対する姿勢に変化はありましたか?

ここまできて、俺たちが今考えていることは、よりワールド・ワイドな活躍をしたいってことだね。目標を設定して努力することによって、それはより現実的なものになるんだ。

-ニュー・アルバム『Night People』は、前作以上に音色も繊細で美しいですし、シンプルであたたかい部分が際立ったアルバムという印象を受けました。今作のテーマとしては、どんなことを意識して制作されたのですか?

このアルバムは最初から最後まで、ひとつの旅のように感じてもらいたいんだ。「Night People」(Track.1)では、週末のパーティーに出掛けてお酒を飲んで楽しむことを励みに平日を頑張って乗り切っている、そんなごく一般的な人のことを歌っている。一方で「Spell It Out」(Track.9)は、テレビや映画音楽によってインスパイアされた曲だ。こういった形で音楽や歌詞を書いたことがなかったから、いい経験になったよ。

-初期のころのUSっぽいポップ・パンク・バンドというイメージは薄れて、今作は特に"UKバンドらしい"楽曲が並んでいるように感じました。音楽性の変化については、経験による技術向上で幅が広がった成熟とは別に、年齢などによる精神的な影響もあるのでしょうか? デビューが早かったので、だいぶ若くして成功したバンドというイメージもあるのですが......。

そのとおりだよ。年齢を重ねることによっての成熟っていうのは今作のキーになっているね。時間が経てば人の持っている音楽のテイストは変化するし、それによって新しいものを見つけ、そして新しいタイプの音楽を書くように自らチャレンジする。昔聴いて育った音楽を今でも聴いているメンバーは誰もいない。だから今自分が何を好んで聴いているのか、それが明確に表れている作品作りを心掛けている。だってその方が正直なものができるだろ?

-今作は、音楽の街、カントリー・ミュージックの聖地としても知られるアメリカ・ナッシュビルのスタジオでレコーディングされたようですが、この地を選んだ理由は?

プロデューサーのJacquire KingがナッシュビルのBlackbird Studioっていう世界でも有数のスタジオで仕事をしていたからで、断る理由は何もなかったんだ。

-前作のヒットでプレッシャーもあったかとは思いますが、レコーディングは楽しめましたか? 制作中、特に面白かったことや予想外だったことなどあれば教えてください。

素晴らしい経験になったと思うよ。メンバー全員がひとつの部屋で生レコーディングするというヴァイブを意識したんだ。初めての試みだったんだけど、おかげで音の強弱っていうのが聴き取れる仕上がりになっている。これまでにたくさんの偉大なるアーティストがそのスタジオでレコーディングしていたから、それらのアーティストの楽曲がどのように世界に受け入れられたか、そのハイレベルさっていうのも意識した。KINGS OF LEONの「Sex On Fire」(2008年リリースの4thアルバム『Only By The Night』収録曲/※UK、USともに大ヒットとなったシングル曲)なんかがいい例だよ。