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INTERVIEW

Overseas

RA RA RIOT

2016年02月号掲載

RA RA RIOT

メンバー:Wes Miles(Vo/Key)

2008年のデビュー以来、ポップでキラキラした人懐こいサウンドで魅了し、着実にファンを増やしてきたブルックリン出身のインディー・ロック・バンド RA RA RIOT。2013年リリースの前作『Beta Love』を引っ提げたツアー後に、活動を休止する予定だった彼らだが、2ヶ月も経たないうちに新曲の制作に着手したという。そうやってでき上がった今作『Need Your Light』は、プロデューサーにVAMPIRE WEEKENDのRostam Batmanglij、そしてこれまでRA RA RIOTの歴代アルバム・プロデューサーであるRyan Hadlock、Dennis Herring、Andrew Mauryが集結。"信頼関係があるからこそ積極的に実験して音楽を作ることができた"と語るWes Miles(Vo/Key)に、今作について訊いた。

-前作『Beta Love』(2013年リリースの3rdアルバム)に伴うツアーを終えた当時、しばらく活動を休むつもりだったそうですね。そのあと気持ちが変わって、新たに曲作りを始めるまでの経緯を教えてもらえますか?

たしかに当初は活動を休むつもりだった。『Beta Love』に伴うツアーはたっぷり1年間続いたんだ。2013年の1~11月まで。だから年末には疲れ切っていて、次のアルバムを作り始める前に、とりあえず1年くらい、場合によってはもっと長く休もうかと考えていたのさ。でもツアーを終えてから2ヶ月も経たないうちに、新しい曲のインスピレーションが湧いてきて、曲作りを開始していたんだ。僕が思うに心理的に、焦って新作に取り掛かるのはやめて、一旦休もうと決めたことで、プレッシャーが取り除かれたんじゃないかな。それが僕らに自由をたっぷり与えてくれた。"ああ、今ならやりたいことができるぞ"って思えた。あれこれ実験して、いくらでも必要なだけ時間をかけてもいいんだって。それは本当にエキサイティングな気分で、僕らはすっかり新たな作業にのめり込んだよ。

-思えば『Beta Love』に着手する前にメンバーがふたり脱退したり、病気で一部ツアーのキャンセルを余儀なくされたり、少々トラブルが続きました。音楽的にもそれまでの路線から大きくシフト・チェンジしたわけですが、前作はやっぱり非常に難産なアルバムだったんでしょうか?

そうだね。困難なプロセスだった。すごく怖かったよ。何しろみんなが聴き慣れたRA RA RIOTの音楽とは大きく異なる試みをしていたし、一部のファンを遠ざける可能性があった。もしかしたら僕らのことを永遠に忘れ去ってしまう人も、いたかもしれない。でも当時の僕らにとって重要だったのは、同じようなアルバムを何度も繰り返し作りたくはないってこと、そしてRA RA RIOTの定義を限定したくないってことだった。狭い場所に閉じ込められたくなかったんだよ。だから『Beta Love』は非常に困難な過渡的なアルバムだったけど、『Need Your Light』に着手したときは、あの時期を乗り越えていたおかげで今までになく自由な気分だった。僕にとって『Beta Love』は、あの時点でのRA RA RIOTの定義を完全に叩き壊すプロセスであり、『Need Your Light』で、ゼロからまた立て直す作業を始めたってことなんだ。

-だからこんなに音にエネルギーが漲っているんですね。1stアルバム『The Rhumb Line』(2008年リリースの1stアルバム)の熱意や遊び心に立ち返っているように感じます。

うんうん、そう言ってくれてすごく嬉しいよ。だって僕ら自身、作っていて本当に楽しかったし、こんなにユーモアをたくさん含んだアルバムを作ったのも久しぶりだしね。アルバムを作りながらこんなに笑ったのも初めてだよ(笑)。あと、活動を始めた当初まで遡って代々コラボしてきたプロデューサーと改めて一緒に音楽作りができたから、それも本当に楽しかった。これまでは毎回アルバムを作るたびに違う人と組んで、曲作りやレコーディングをしながら新たに人間関係を築かなければならなかったんだよね。その点、今回は人間関係がすでに築かれていて、信頼関係があったから、積極的に実験して音楽を作ることができたよ。初対面のプロデューサーと作業をしていたら、こんなに大胆にはなれなかったと思うよ。

-そういうふうに、過去にコラボ体験があって信頼のおける人たちをラインナップするという今回のアプローチについて、あなたは"意図していなかった"とコメントしていましたよね。自然な成りゆきだったんですか?

ああ。ごく自然な展開だったよ。例えばRostam Batmanglij(VAMPIRE WEEKEND/Key/Vo)に関して言えば、僕の長年の友達で、以前DISCOVERY名義で一緒にアルバム『LP』(2009年リリースの1stアルバム)を作ったんだけど、また何か曲を作りたいって話をしていたんだ。特にどのプロジェクトに使うのか決めずに、とりあえず作ってみて、DISCOVERYの次のアルバムのためにとっておくかもしれないし、もしかしたらまったく別のプロジェクトをやる可能性が拓けるかもしれない。でも、実際に着手して曲の方向性が見えてきた時点で、Rostamは、ちゃんと完成させてRA RA RIOTの新作に収めるよう僕を促した。つまり、このバンドの可能性を信じてくれたんだ。それはすごく嬉しかったよ。みんなが予測していない音楽、それでいて僕らが楽しめる音楽を作れるはずだと、お墨付きをくれたようなものだから。そんなわけで、彼が関わるに至った経緯はすごく自然だったんだ。

-だとすると、Rostamと作ったTrack.1「Water」とTrack.4「I Need Your Light」の2曲がアルバムの方向性を決めたというか、突破口を開いたようなところがあるんでしょうか?

そうだね。だからこそ「Water」を1st シングルに選んだんだよ。僕らがアルバム制作中に抱いていたフィーリングを封じ込めた曲なのさ。実験をして、みんながRA RA RIOTというバンドから想像するものとは異なる音楽を作る自由をね。必ずしも意図的にそうするんじゃない。単に違うことをするのが目的ってわけじゃないんだ。それぞれの曲が僕らを自然に導くままに、可能性を掘り下げる自由を感じるってこと。どの曲も、何らかの形でそういう要素を含んでいる。『The Rhumb Line』をプロデュースしたRyan Hadlockとまた組んだんだけど、彼もまたコラボ相手として素晴らしいんだ。Ryanはアコースティックな路線の作品をたくさん手掛けていて、大ヒットしたあのTHE LUMINEERSのアルバム『The Lumineers』(2012年リリースの1stアルバム)も彼がプロデュースした。でも僕らのアルバムはそれとはまた違う。だからRyanにしても、こんなふうにアコースティックなドラムとエレクトロニックなドラムを融合させたり、ストリングスをシンセサイザーで引き立てるといった試みに、興奮していたと思うんだ。アレンジを工夫してストリングスをダイナミックに鳴らしたり......。彼もやっぱり、僕らが心から信頼している人のひとりで、一緒に自由に実験できるんだよ。