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INTERVIEW

Japanese

YOU SAID SOMETHING

 

YOU SAID SOMETHING

Member:サワヤーン(Vo/Gt) DJ画数(Dr/Cho) ゾフィ(Ba/Vo/Mtp) えりっく (Ag/Syn/Per/Vo)

Interviewer:蜂須賀 ちなみ

北海道札幌市を拠点に活動する男女混合バンド、YOU SAID SOMETHING。2014年の新メンバー加入とパート・チェンジ(!)を経て、ミニ・アルバム『as you are』を12月9日にリリースする。彼らにとって約2年半ぶりの全国流通盤。シンセサイザーやアコースティック・ギターを大胆に取り入れたサウンドには大きな変化が感じられるが、同時に、結成当初から握りしめ続けるこのバンドのこだわりも浮き彫りになった。メンバー4人へのメール・インタビューで、本作に迫る。

-まず、みなさんが音楽を始めたキッカケを教えてください。

えりっく:高校卒業したくらいのときに、友達とゆずのカバーとかをしてました。路上にも1年くらい出てやったりしたんですけどしばらくしてやめてしまって。でもギターは持ってたし、ずっとバンドを観るのが好きだったんです。バンドを始めたのは誘われて興味あったし、YOU SAID SOMETHINGが好きだったので良いかなって。

サワヤーン:中学校のころに同級生から聴かせてもらった海外のヘヴィ・メタルに衝撃を受けて楽器を始めました。今やっているバンドとは音楽性が真逆なのですが(笑)、MEGADETH、METALLICAのような歪んだギターでブリッジ・ミュートをしたときのザクザクした音がたまらなく好きで!"こんな音を出したい!"と思ってギターを始めたのが最初のキッカケです。そこからパンク、スラッシュ、オルタナなどのバンドに興味を持って掘り下げていきました。同時に両親の影響で、日本のフォーク・ソングやニュー・ミュージックも聴くようになりました。

DJ画数:もともとは身体が弱くて親に少しでも身体を動かせるように、小学生のときにドラムを勧められたのがキッカケです(笑)。そのあと大学に入ってから先輩に憧れて、本格的にドラムを始めました。

ゾフィ:小学生のときにスピッツやMr.Childrenが大好きで何となく"バンドやりたいな"とは思っていましたが、学生時代はバンドの組み方がわからず、諦めて(笑)。大人になってからライヴハウスで働くことになって、そこの上司にバンドも組んでないのに勝手にイベントに入れられ、1ヶ月で無理矢理人を集めて楽器を練習したことが始まりでした。無茶ぶりとはこのことだと思いましたが、今となっては感謝しています。

-ピンポイントで申し訳ございませんが、ドラマーの方がDJと名乗っていることが気になりまして(笑)。

DJ画数:そこを気に留めていただいてありがとうございます(笑)。漢字の画数が一瞬でわかるという特技を持っているのですが、それをSpecial Favorite Musicのクメユウスケさんに披露したところ大変気に入っていただき、"名前とかつけて活動すればええやん! DJ画数とか!"と命名していただきました(笑)。DJもできないですし、完全にその場の勢いです。

-2011年3月に結成したとのことですが、当時のメンバーはどのようにして集まったのでしょうか?

サワヤーン:当時のギターと僕が中心になって結成しました。ベースは初心者の女の子にやって欲しくてメンバー募集で集めました。

-バンド名の由来を教えてください。

サワヤーン:ありがちな話ですが、好きなアーティストの曲名をつけようという話になり(笑)。"YOU SAID SOMETHING"は、UKの女性シンガー・ソングライターPJ HARVEYの曲名からとったものです。ブルックリンの屋上から見える景色と、そこで繰り広げられる男女の別れ話を歌った曲なのですが、シンプルな言葉の表現にもかかわらず映像が鮮明に浮かんでくるような歌詞で、こんな歌詞をいつか書きたいなーという想いからつけました。

-結成当時はドラム・ヴォーカル、鉄琴&ベース、エレキ・ギターという編成だったそうですが、現在はゾフィさんが鉄琴パートを務めています。鉄琴が通常パートに含まれているバンドは珍しいかと思いますが、そこに対するこだわりがあれば聞かせてください。

サワヤーン:最初から"鉄琴だけは外せない!"と思っていました(笑)。ガチャガチャした音とオモチャっぽい雰囲気を表現したくて、そのイメージにぴったりな楽器です。1番はイギリスのLOS CAMPESINOS!の影響です。

-同じように、メンバーが替わっても男女ツイン・ヴォーカルという形態をこれまで崩さなかった理由があれば、聞かせていただけますか?

サワヤーン:男女全員で歌うことを前提に曲を作っているので。女の子の声は曲のポップ感を出すのに必須ですね!

-"へたくそでキラキラした音楽をやろう!"というバンドの合言葉の意味するところを教えていただけますでしょうか。

サワヤーン:僕たちは海外のローファイなバンドに影響を受けてバンドをスタートさせたのですが、例えばPAVEMENTや初期のLOS CAMPESINOS!はドラムが特にヘタクソで、キックをダブルで踏めていなかったりするんけど(笑)。でもそういうプレイヤーにしか出せない演奏の感じやガチャガチャ感って、ものすごくカッコいいんですよね。初心者や楽器が下手な人でもカッコいい音楽ができるんだぜ!っていうことがサウンドで示されている気がして。とても尊くて美しくもあります。楽器は長く続けると上手くなっていきます。もちろんスタジオ・ミュージシャン級の演奏技術を身につけることは容易ではないと思いますし、僕もギターを10年以上やってるのに速弾きとかは一切できないんですが(笑)、初心者や楽器が上手くないからこそ出せるガチャガチャ感や勢いが、僕らのやりたい音楽には必要なんです。

-2013年には、STARFUCKER、SOMEONE STILL LOVES YOU BORIS YELTSINといった海外のバンドのサポート・アクトを務めたそうですが、海外のバンドと共演を経てバンド内で意識などの変化はございましたか?

サワヤーン:意識は大きく変わらないですが、もっと海外のバンドと話したいなーと思いました。僕は英語をほとんど話せないのですが、一緒にお酒を飲んでこちらから身振り手振りでコミュニケーションをすると意外にもかなり通じたので、何とかなるものだなーと思いました(笑)。

-メンバー脱退に伴い、2014年5月から、サワヤーンさんはドラム・ヴォーカルからギター・ヴォーカルへパート・チェンジしました。ギターは10年以上やっていらっしゃるとのことですが。

サワヤーン:ギターは中学くらいからやっていました。めっちゃ下手なんですけどね(笑)。ドラムの方が暦は短くて、このバンドを結成するときに始めました。ドラムを始めて2ヶ月で初レコーディング、3ヶ月で初ライヴで、かなり無茶をしました(笑)。でも、ものすごく楽しかったですね! 楽器が下手でもバンドはできるので、バンドをやりたいのに聴き手だけに留まってしまっている音楽ファンがもしいたら、もっとみんな楽器を持って、とりあえずバンドを始めたらいいなーと本当に思います! 音楽との接し方が数倍楽しくなると思います!

-2014年9月に『Late Summer EP』をダウンロード・コード付きTシャツという形態で販売しています。通常のCDではなく、このような販売形態を選んだのはなぜでしょうか?

サワヤーン:ここ何年の間でCDが売れないというニュースをいろいろなところで目にして。自分はCDやレコードなど形のあるフォーマットで聴くのが好きなのですが、一度"ダウンロード"という形のない音源をリリースして、自分の中でCDやレコードの必要性を再確認したいと思ったからです。結果、この形式だと僕たちのことを知っている人にしか届かないとわかりました。今回のミニ・アルバムはもっともっとたくさんの人に、インディーとかロックとかJ-POPとかもう全然関係なく、音楽が好きなすべての人に聴いて欲しいと思い、CDという形式を選びました。