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INTERVIEW

Japanese

skillkills

2015年12月号掲載

skillkills

Member:スグルスキル a.k.a.GuruConnect(Composer/Ba) リズムキルス(Dr) マナブスギル(Mic)

Interviewer:岡本 貴之

GuruConnectとリズムキルスによる不規則で予測不能なリズム・セクションと、その上を絶妙なタイム感でフロウするマナブスギルによるバンド、skillkills。4曲入りEP『DOPE THIS WAY』は"トッピング方式"という音楽業界初の風変わりな販売方式を取ることで話題に。それと共に、3人編成になってから初の音源でもあり、決意表明となっている作品だ。彼らの活動拠点となっている東京・阿佐ヶ谷の"studio Zot"で3人に話を訊いた。

-EP『DOPE THIS WAY』は"トッピング方式"という変わった販売方式を提案した作品になっているとのことですが、どんなものなのか詳しく教えてもらえますか?

GuruConnect:ラーメンを食ってるときになんとなく思いついたんですけど(笑)。EPでちょっと値段を抑えられたらなと思って。ディスクと透明のケースだけで販売というのをKanye Westがやっていて(※2013年リリースの6thアルバム『Yeezu』)いいなと思っていたんですけど、そのままやるのもなという気持ちもあって。歌詞を見たい人もいると思うし、アートワークもずっとこだわってやってきたので、そこは絶対入れたいなと。それで、欲しい部分だけライヴ会場で何種類か買えるようにして、自分の好きなジャケにして飾れたらいいなと思ったんです。

リズム:最初はテープで出そうとかいう話もあったんですけど。とにかくコストを抑えて出すということが絶対的にあったので、だったらこの方法はコストを抑えつつ面白いんじゃないかなって。

GuruConnect:ずっと毎日ここ(studio Zot)にいるんで、ああだこうだ、いろいろ考えちゃうんですよね。それで"これでやってみるけど、どう?"みたいな感じで。

-資料でいただいた歌詞が直筆の印刷になっていますけど、これも歌詞カードとしてトッピング販売されるんですか?

マナブ:そうですね、1枚にして歌詞カードみたいな感じで。

-前作『Ill Connection』(2015年1月リリース)はフル・アルバムでしたけど、新作4曲入りEPにするということ自体は以前から考えていたことなんでしょうか。

GuruConnect:いつもアルバム1枚でライヴの1セットという、ミックスCDみたいな感じでライヴを組んでたんですけど、今は3人になって臨機応変にライヴができるようになったから、僕が作るうえでそんなに流れを気にせずに組むんだったらEPでいいんじゃないかなと思ったんです。

-音源を聴かせていただくと、ラップが乗っているものの単なるヒップホップでもないし、カテゴライズできない音楽という印象を受けます。ご自分たちでは、どんな音楽をやっているか訊かれたときになんて答えているんですか?

マナブ:ざっくりと"ヒップホップ"って答えちゃうときもあるんですけど、よく考えたらそうじゃねえだろうしなって思うんですけどね(笑)。僕はもともとはロックが好きで、ヒップホップは高校のときに洗礼を受けて好きになったんですけど。それだけじゃないですね。

GuruConnect:困るね、たしかに(笑)。

-ライヴの対バンも、ロックバンドもいればヒップホップのアーティストもいます。対バン相手の基準みたいなものはどこで決めているんでしょう。

GuruConnect:そんなにないですね。だいたい音楽はなんでも聴くんで。それと一緒で、ライヴも"このジャンルは嫌だ"とかはまったくなくやっているので。ジャンルとしては最近自分は"アヴァン・ヒップホップ"って書いていますけどね。

-表題曲のTrack.2「Dope This Way」には"イビツBeats オリジナル Dope This Way"という歌詞が出てきますが、やはりご自分たちがイビツな存在だという自覚がある?

マナブ:ああ、多少あるとは思います(笑)。

-それは楽曲の不規則なリズムだったり、聴いていてどこか妙な感じを受ける部分だと思うんですが、意識的にそうしようと思って作っているんですか?

GuruConnect:いや思ったことはないですね、正直。思っていないんですけどみんな1stアルバム(2011年リリースの『skillkills』)のときから言ってくるので、言われたら意識はしますよね(笑)。ただあえて変にしてやろうみたいなことは思っていないですね。

リズム:自然に出てくる、イビツ(笑)。それは面白いなと思いますね。例えばドラマーが練習するうえで、間違いなく自分で思い浮かぶビートではないので。ドラマーが考えてないパターンだなという感じです。まあ無理があるといえば無理があるんですけど、面白いですね。

-これは無理じゃないか、みたいなものもあるんじゃないかと思うんですけど。

リズム:"慣れ"ですね(笑)。もう流れ作業のように。

GuruConnect:もう何年もやってきて、さすがに作るときに手の数とかを考えてドラムを組めるようになってきたので(笑)。

マナブ:(笑)

リズム:作るほうも慣れてきた(笑)。

GuruConnect:フレーズ的には忙しいというわけではないので。(大事なのは)グルーヴなので。最近のバンドの人たちの方が大変な気がしますけどね。すげえみんな上手くて。

リズム:ドラムの音もこだわってやっているので、"グルーヴ命"っていう感じですね。

-結成当初はメンバーでスタジオに集まって音を出して曲作りをしていたんですか?

GuruConnect:最初はそうなんですけど、かなり早い段階で俺が作ろうと思って最初から100パーセントの形で持って行くスタイルにしました。そっちの方が早いし、みんなでやってたらイライラして喧嘩になって空気も悪くなるので。"これはもう、絶対誰か殴らんと終わらんことになる"みたいになるのが嫌で(笑)。やめましたね、それは。

マナブ&リズム:ははははは。

GuruConnect:たぶん、バンドをやっている人たちはみんなわかると思うんですけど。

リズム:曲作りの空気ね(笑)。

GuruConnect:曲作りの空気で仲悪くなってどうこうみたいなことは絶対あると思うんですよね。