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INTERVIEW

Japanese

ノンブラリ

2015年10月号掲載

ノンブラリ

Member:山本きゅーり(Vo/Key)鷲見俊輔(Gt/Vo)山口実篤(Dr/Per/Cho)ナオハイダ(Ba)

Interviewer:山口 智男

共通のフェイヴァリットにクラムボンを持つメンバーたちが結成した4人組、ノンブラリが前作『Lily yarn』から2年を経て、8曲入りのニュー・アルバム『HOMETOWN』をリリースする。洒脱と洗練を感じさせながらも、どこか懐かしいポップ・ソングの数々はリスナーを限定せず、多くの人々に歓迎される一方で、隠し味として効かせたエキセントリックな魅力がコアな音楽ファンも虜にするに違いない。結成から5年。かつてクラムボンに憧れていたメンバーたちは、すでにノンブラリならではと言えるポップ・ソングを奏で始めている。

-ノンブラリはどんなふうに始まったんでしょうか?

山本:私がノンブラリの前にやっていたバンドで、ドラムの山口のお兄ちゃんに楽曲作りのお手伝いをしてもらっていた時期があって、だから、最初に出会ったのは山口のお兄ちゃん(笑)。そのバンドが解散したとき、山口から連絡をもらって、"何か一緒にやりませんか?"って誘ってもらったんです。

山口:僕も彼女と同じ事務所にちょっとだけ所属していて、"今、ヒマそうにしているよ"って兄から聞いて。その前に俊君(鷲見)とバンドをやってたんですけど、ふたりともそのバンドを抜けて、別々のバンドやりながら"また一緒にやりたいね"って話を、ちょうどしてたところで。それがそもそものスタートでしたね。

山本:ヒマそうにしてたので選ばれました(笑)。

-いやいやいや、ヒマだからっていうか、もちろん歌声に魅力を感じていたんですよね?

山口:それはもちろんもちろん(笑)。だから、もったいないなぁと思って、一緒にやりたかったんです。女性ヴォーカルのバンドもやってみたかったし。あとクラムボンが好きだって聞いてたんですよ。僕も好きだったので、1回(曲を)合わせてみたいと思いました。

-ハイダさんは前のベースがやめたあと、まずサポートとして加わったんですよね?

ハイダ:そうです。昔、僕がやっていたバンドがノンブラリとよく対バンしてたんですよ。そのときはそんなに交流はなかったんですけど、前のバンドが活動を止めてから、もっとうまくなりたいなと思って、声をかけられるままにいろいろなバンドやソロ・ミュージシャンのサポートをやってきて、7つか8つぐらいやってたんですけど、その繋がりでノンブラリから声をかけてもらったんです。それが今年2月で、そこからみんなとツアーに行ったり、レコーディングに参加させてもらう中で、サポートとしてではなく、ちゃんと関わりたいと漠然と考えてたんですけど、自分から言うわけにもいかないじゃないですか(笑)。だから、もしそういうことになったらやらせてもらおう、それまでは気楽にサポートやらせてもらおうって思ってたら、今回の作品のマスタリングのとき、初めて会ったエンジニアさんが"いつメンバーになるの?"って。

山口:空気が凍るぐらいの質問を投げかけてきて(笑)。

ハイダ:それまでそういう話、一切してこなかったんですけど、マスタリングが終わったあとの飲み会で、"どうする?""よろしくお願いします"って加入が決まりました(笑)。

鷲見:それまでお互いに探りあってたんですよね(笑)。

-ハイダさんが一番好きなアーティストは?

ハイダ:最初はTHE BEATLESですね。大学に入ったころ、クラムボンもそうだったんですけど、BLANKEY JET CITY、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTが流行ってて、みんな曲の中にジャズっぽい要素が入っていて、かっこいいと思ってひっかかってたんです。特にBLANKEYの中村達也さんがそのあとにやったLOSALIOSが結構インプロを基調にしてて、それが面白いと思いました。そのころはジャズなんて聴いてなかったし、聴いてもわからなかったんですけど、そのあとジャズの本をいっぱい読んだんです。そしたら、ある日、『Kind Of Blue』ってMiles Davisの1番有名な作品があるんですけど、それがかっこよく聴こえたときがあって、それからジャズを聴いて。クラムボンもそういうところがあると思うんですけど、ジャズっぽいラインとかインプロっぽい要素を、いかに入れるかってことを、かちっと出来上がってる曲だからそう簡単にいかないんですけど、今回密かにやりました。

山本:えぇ!

山口:へぇ、そうだったんだ。

ハイダ:だからレコーディングも7割ぐらい決めて、残りは篤ちゃんの出方で決めようって。Track.1「ネリネが咲いて」とかTrack.2「夜が足りない!」とかはまさにそうだった。

-ところで、3人でバンドを始めたとき、自分たちがやりたいことはすぐに形になりましたか?

鷲見:最初の半年は、とりあえず曲が欲しかったから、理想形にはこだわらず、みんなそれぞれに好きなものを出しながら、できるものを作っていったんですけど、5年前の3月、曲が揃って初めてライヴをやったとき、ちょっと違うっていうか、何がしたいんだろうってなって。そこから1年ぐらいライヴを休んで、曲を作ることに専念したんです。そこで、自分たちが本当にやりたいのは、どんなものだろうっていろいろ試しながら、できた曲が2年前にリリースした1作目の『Lily yarn』に繋がるんですけど。

-その1作目を振り返って、どんな作品だったと?

山本:キラッキラしている。好きなものを詰め込んだ宝箱のような気がします。ノンブラリを結成してから、ずっと生活の中にある音楽を、自分の中でテーマにして作ってたんですけど、1作目はもちろん、そのテーマで作ってたつもりではいたんですが、ちょっと特別なものになりすぎて、生活の中にはなかったかもしれないなって。1作目ってことが大きかったと思うんですけど、自分が思い描いてたものよりもずっとキラキラしてるものになりました。

鷲見:その宝物の感じは僕の中にもありますね。見栄を張ってる部分もあるし、こうありたいと思ってる自分に近づけていない部分もあるし。そのこうなりたいをフルに出しきった感じはあるんですね。だから振り返ると、恥ずかしかったりもするんですよ。青いなって(笑)。