Japanese
FILMREEL
2015年09月号掲載
Member:村井隆文(Vo/Gt)
Interviewer:岡本 貴之
新設レーベル"PERFORATION record"を自ら立ち上げ、初の全国流通盤となるミニ・アルバム『Snoozing』を9月16日にリリースする4人組バンド、FILMREEL。美大を卒業して音楽で生きているバンドとなると、なんとなく敷居の高い美意識があるのかも、と思いきやその楽曲はあくまでもポップでキャッチー。ノイズ/シューゲイザーの影響が色濃いサウンドの中で寝ぼけ眼で揺らぐように歌う村井隆文(Vo/Gt)に、バンドの成り立ちから楽曲ごとのこだわりまで話を訊いた。
-FILMREELはどんな成り立ちでできたバンドなんですか?
自分は中学生の段階では音楽が全然好きじゃなかったんですけど、高校1年生のころにバンドに誘われてベースを始めたんです。それでいつのまにか作曲するようになって、ギター・ヴォーカルで"FILMREEL"という名義で高校2年生ぐらいにひとりでサンプラーを使ったりして地元のライヴハウスに出たりしていたんです。そのあと美大を受験して大学1年くらいのときにメンバーを集めて、今のバンドに至ります。
-もともと音楽に興味がなかったのにひとりでライヴハウスに出るようになるっていうのはかなりの変化だと思うんですけど、どうしてそうなって行ったんでしょうか。
ちょっと病んでたっていうのもあると思うんですけど(笑)、高校が楽しくなかったんで、自分で道を開いて面白い友達を集めて行こうかなって思っていたときに、地元のライヴハウスは衝撃的だったんですよ。もうこれしかないなって思って熱中しましたね。いろんなCDを買い漁ったりして。90年代のオルタナ、NIRVANAとかSONIC YOUTHとか。FILMREELを始めたときには完全にRADIOHEADが好きになってたんですけど。
-それが今の音楽性に繋がっているようですね。
そうですね。SONIC YOUTHとか、ノイズの嵐じゃないですか? それを聴いて"ああ、これはエフェクターを使ってこうやってるんだ"って御茶ノ水の楽器街に行って弾きまくって研究していました。
-そういう音楽に没頭してからご自分の中でも変化があったんですか?
正直、高校でも理解されないわけじゃないですか? ノイズ少年なんで(笑)。それで大学の芸祭に行ったりしたら"なんだこの人たちは!?"みたいな人がいっぱいいて、僕の方が浅はかなくらいで。それがすごくいいなあって思ったんです。
-自分の居場所を見つけたというか。
ここでバンドのメンバーを探したら面白いだろうなって。わけわかんないですけどね、大学受験の理由がバンドを組みたいからっていうのも(笑)。美大では映像科に行ったんですけど。
-バンドは最初から村井さんが作ってきた音楽をバンドで表現しようというのがはっきりしたコンセプトだったわけですか?
はい。作っては聴かせて"どう?"っていう感じで。ほとんど自分で作ってから"弾いてみて"ってやってみたりとか。羨ましいですけどね、全員で曲を作るバンドとかも。でもみんな僕がやることを汲んでくれているのもすごいなと思います(笑)。
-村井さんが自分でやってきた中での理想形がFILMREEL?
そうですね。高校でギター・ヴォーカルを始めたときはみんなに怒られてましたから。"なよなよしてんじゃねえよ"って。高校生のころはみんなオリジナルをやるよりもコピーしたいという気持ちの方が強かったんで曲を持ってきても聴いてくれなくて理解されなかったですけど、それから考えると今はいいですね。
-ソロ名義でもライヴをやっているんですよね?
村井隆文名義のアコースティック・ユニットで、"今日ちょっとこれ弾いてくれない?"っていうメンバーをTwitterとかでも探して、毎回編成が違うんですよ。
-Twitterで探すんですか? 今の時代ならではですね。
そうですね。今一緒にやってるのはmellow君っていう、ラッパーでアコギ弾きがいるんですけど。自分をプラットフォームにしていろんな方向でやって行けたらなって思っています。
-今回は新設レーベル"PERFORATION record(読み:パーフォレーション・レコード)"を立ち上げてのリリースとなりますが、この名称にはどんな意味があるんでしょうか。
バンド名が"FILMREEL"ですけど、フィルムって穴があるじゃないですか? あれを"パーフォレーション"って言うんです。
-バンド名の由来から教えてもらえますか?
僕が美大を受験して映像化に行きたかったというのもあるんですけど、生フィルムに触れる機会があって、それにインスピレーションを受けたんです。感情が入っていないバンド名なので、楽なんですよね。自分の感情を強くバンド名にしてやるというのは違和感があって。フィルムっていうモノの名前が自分との距離が置けて無機的な感じで良いなと思ったんです。-それと関連づけて"PERFORATION record"にしたということですね。
フィルムを扱うときに"パーフォレーション"という言葉が気になっていたので。すごく広がりがある言葉だなって。
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