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INTERVIEW

Japanese

ヤミアガリ

2015年08月号掲載

ヤミアガリ

Member:今岡裕輔(Ba/Prog) 青山香澄(Key/Vo)

Interviewer:沖 さやこ

リード・ヴォーカル、打ち込み、キーボード、ベースを基調とした、男女2人編成バンド・ヤミアガリ。ヤマハ主催の音楽コンテスト"Music Revolution"大阪ファイナルや、"RO69JACK12/13"の入選などの功績を残してきたふたりが、ミニ・アルバム『眼ニテ云フ』をリリースする。入り口となる1曲目はエレクトロなポップ感がある楽曲だが、ベースを6~7本重ねた楽曲や、アコースティック・ギターを用いた楽曲など、6曲それぞれで異なるアプローチを見せる。狂気の作るユーモア、心地良いだけで終わらない苦味――そこには痛烈なリアリティと深く強い意志が宿っている。

-結成は2009年9月、広島大学の軽音部にてだそうですね。

今岡:僕らはふたりとも島根出身で、大学のサークルが一緒で。最初はクラムボンやズータンズをコピーしていて、そののちオリジナルをやるようになって。そのときは僕がベース、青山がヴォーカル、もうひとりプログラミングとキーボードをやっていた人の、3人でやってました。大学を卒業して島根に帰って、そのタイミングで僕ら以外のもうひとりのメンバーが抜けて。

青山:それからキーボードをやるようになりました。のちのち上京するつもりではあったので、ふたりになってから、ふたり編成でできるように曲を組み直したりして。

今岡:抜けた人がシューゲイザー系の音を作るのが好きで、そのときはその人がオケを全部作ってたんです。それでその人が抜けてから僕がリズム・サンプラーを始めて。島根でなんだかんだ2年くらいやってました。

-2010年6月に現在の形態になり、2012年4月に上京なさるんですね。そしてその年のRO69JACK12/13に入選すると。

今岡:ずっとリズム・サンプラーを2台同期させて使ってたんですけど、死ぬほど重いので上京してから移動が大変で(笑)、パソコンに変えて。なのでパソコンを使い始めたのはこっちに出てきてからなんです。それでその年の冬のROに入選して、ブッキングのハコが増えるようになって。あれをきっかけに横の繋がりが増えるようになりました。

-2013年は1stミニ・アルバムやEP、スプリット・アルバムなど、リリースも盛んで。

今岡:全国流通のものや、会場限定のものも出して、あとネット・レーベルからもリリースをしたりしてて。

青山:スプリットはちょうどそのとき島根から上京してきたOmoinotakeというバンドと出したんですけど。各所からそういうお誘いがあるがままに曲を作っていたら、現物のCDのリリースがなくなってしまって......今回2作目(のミニ・アルバム)を作りました(笑)。

-(笑)そういう経緯で今回『眼ニテ云フ』がリリースされるんですね。

今岡:本当は春に出す予定だったんです。だから卒業をテーマに作っていた曲もあったんですけど、夏になっちゃったんですよね(笑)。

青山:"学校を舞台にした作品"という話もしてたんですけど、それだけにもならず。

今岡:ジャケットを描いてくれた人は"過去""現在""未来"を辿っているように聴こえた、と言ってくれたので、そのコメントを(今回のアルバムのテーマとして)使っていこうかなと(笑)。

-ははは。一応テーマを決めて発進するけれど、結果的にはテーマにとらわれずに自由に作っていくタイプのおふたりですね。今作の歌詞は、タイトルの"眼ニテ云フ"通り、強い視線というか、視覚的なものが反映されている印象がありました。

今岡:ああ、そうかなあ。そうかもしれないね。

青山:"眼ニテ云フ"という字面が、すごくきれいだなと思って。それで選んだので、あまり"見る"ということは考えずに(笑)。カタカナと旧字体の合わさり方がいいかな......という感じだったので、あんまり内容は加味してないです。

今岡:(歌詞とリンクしたのは)たまたまだね(笑)。

-楽曲はどのように作っていくんですか?

今岡:メロディと歌詞は(青山が)作って、僕はそれ以外全部ですね。元ネタはどっちかが持ってきて、ふたりでスタジオでああだこうだ言って作っていく感じというか。リフから作るものもあれば、ベース・ラインから作ったり、コード進行から作ったり。たまに全部ひとりで作っちゃったりもしますし......作り方のパターンはいろいろあって。例えばTrack.3「最後の仕草」はオケを全部作ってからメロを乗せてもらいました。これはもともとライヴでループ・ステーションで全部重ねてやりたいと言っていて、打ち込みを使わずにベースとキーボードだけでやろうという話の流れで作ったんです。CDには若干打ち込みが入ってるんですけど。

-この曲はベースがたくさん重なってますよね。

今岡:ですね。高い音もベースで、エフェクターでオクターブ上げてて。6~7本重ねてます。打ち込みばっかりでもあれかな、と思って。生っぽさを出したくて人力です(笑)。これは全部2コードで、始めに入れたベースのコードしか使ってなくて。3人のときはそういう曲が多かったですね。(他のアーティストに比べると)コード展開はかなり少ないんですけど(笑)、これでも多くなりました。