Japanese
パンパンの塔
2015年05月号掲載
Member:まめ (Vo/Gt) 森内ベース (Ba) 藤田 亮 (Dr)
Interviewer:山口 智男
個性派シンガーと柔軟なグルーヴで演奏を支えるリズム隊からなる3人組、パンパンの塔が3作目となるミニ・アルバム『TOWER OF PANPAN』を完成させた。自信作だったという前作から1年。マイペースで活動してきた3人が直面した迷いと葛藤。プロデューサーを務めた豊島"ペリー来航"渉(バックドロップシンデレラ)とともに試行錯誤をくり返しながら完成させたのが今回の作品となるわけだが、彼らが見つけたひとつの答えはフォーク、ロックンロール、ジャズ、ラップが渾然一体となった音楽を奏でる3人組のユニークさをさらに際立たせるに違いない。
-元々は、まめさんがひとりで活動していたそうですね?
まめ:はい。1年ぐらい弾き語りしてたんですけど、そこにバンドを入れたいと思い、今の編成になりました。
藤田:別のバンドをやっているとき、対バンしたんですけど、ポエトリー・リーディングみたいな曲をやってて、かなり衝撃を受けたんです。そこにドラムを合わせてみたらどうなるんだろうってそのとき思ったんですけど、そしたらたまたま彼もバンドを組みたいと声をかけてくれて。最初は違うベーシストがいたんですけど、2年前に森内に変わりました。
森内:前のベースの方が抜けたとき、まめ君から連絡が来て、"スタジオに一緒に入りませんか"って。彼が弾き語りしてるとき、4、5回対バンしてたんですよ。絵本というか、メルヘンとかファンタジーとかそういう世界観を持ってるまめ君の詞がずっといいなと思ってたので、誘われたときは、ぜひと思いました。
-3人、音楽的なバックグラウンドは似ているんですか?
まめ:被っているところもあれば、違うところもありますね。僕はBLANKEY JET CITYがきっかけでロックを聴くようになって、それからTHE BEATLESとか、ヒップホップとかも結構聴いたりするんですけど、藤田さんは最初は吹奏楽部だったりとかジャズだったりとかでしたっけ?
藤田:でも、BLANKEY JET CITYは好きでした。そこは共通してます。
まめ:僕はそんなにジャズは聴かないんですけど。
森内:僕はもともと、パンクが好きだったんですけど、まめ君と知り合ったときは70年代のフォークがすごい好きになったころで、まめ君と対バンして、"好きなミュージシャン誰?"って話をしたら、友部正人って言われたんですけど、僕もそのとき、友部さんにすごくはまってたんですよ。そしたらTHE BEATLESとTHE CLASHもすごく好きだと言ってて、趣味が似てるなと思いました。
-森内さんが加入してから2枚、ミニ・アルバムをリリースして、今回3枚目となるわけですが、これまでどんなふうに活動してきたんでしょうか?
まめ:ライヴしながら曲を作りつつという感じで、順調と言うか、自分らのペースで活動してきました。バックドロップシンデレラの(豊島"ペリー来航")渉さんがレーベルを作ってくれたってこともあって、出したいときに出せるというか、そういう環境ができたのも大きいですね。渉さんも内容が良くなければ出したくないと考えてて、だから制作に関しても、メンバーと一緒に考えてくれるんですよ。
-今回、いただいた資料に"前作の『アルミニウム』がセールス目標に届かず、伸び悩み気味"と書いてあったんですけど。
まめ:ははは。そうですね(苦笑)。昔、対バンしてたバンドが売れていったのを見て、なんでこんなに差がついてるのかなって話を渉さんとして、一時はいわゆる売れ線の......踊りやすい、面白い曲があったらいいんじゃないかとも考えたんですけど、そういう曲を作れば作るほど、違和感を感じてしまって、うまくできなかったんです。結果、自分らがやりたいことをやるしかないんだということが今回わかりました(笑)。バックドロップシンデレラが去年出した『シンデレラはいい塩梅』もきっかけになりました。渉さんの中で、自分ではすごくいいと思ってるんだけど、それがお客さんに受け入れられるかどうかわからないと考えてた曲が意外にバックドロップシンデレラの中でも1番人気ぐらいになって、何がウケるかわからないんだから、自分たちがやりたい音楽をやるしかないと自分の中で方向が決まりました。
藤田:それまで1年ぐらいスタジオにこもって、ああでもないこうでもない、もっとノレるテンポのほうがいいんじゃないかとか、メロももっとキャッチーにしたほうがいいんじゃないかとか、いろいろやってみたんですけどね。
まめ:ボカロの曲をコピーしたりもして(笑)。それはそれでちょっと勉強になりました。
藤田:難しすぎて、全然コピーできなかったんですけど(笑)。
まめ:『アルミニウム』がバンドの中で手応えがあった作品だったので余計にそう思ったんだと思うんですよ。目標に届かずとはいっても、前作よりは売れたんですよ。でも、もっと受け入れられてもいいんじゃないかって。今は、爆発的なセールスに繋がるかどうかはわからないけど、僕らの音楽を好きだと思ってくれてるファンを納得させる曲を増やしていくことが自分たちにできることなんじゃないかと考えています。
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