Japanese
Long Tall Sally
2015年05月号掲載
Member:寺垣 鉄平 (Gt/Vo) 桝田 康広 (Ba)
Interviewer:沖 さやこ
-どういう想いのもと設立に至ったのでしょうか?
桝田:もともと"いつかは鳥取で満足に音楽を鳴らせる環境の箱かスタジオをやりたい"という強い想いがクルーの中にもあったので、夢ではありました。ただ突然、"今あるクラブが潰れるから買わないか?"という話が先輩から来たので、何の準備もできてなかったし相当考えましたが、意を決してみんなでお金を出し合ってやることにしました。
-レーベルやクラブの設立は音楽制作や活動にどんな影響が出ていますか?
桝田:レーベルやクラブがあると、いろいろなことに気を遣わず、やりたいことをやりたいだけ表現できるようになりました。レコーディングや曲作りも時間や料金を気にせず、朝から夜中までできるし、呼びたいゲストを招いてパーティーもできるし、自由度は広がりました。もちろんその代わり責任やリスクも増えましたが。それに"WONDER WONDER"や"アザミと雨"のような地元のやる気のある音楽家の力にもなれるので、とてもいい感じです。
-"Strawberry Fields"のホームページも拝見しましたが、様々なアーティストが出演していて面白い空間だと思いました。鳥取のクラブだからできることとは?
桝田:鳥取はとても小さい町なので、ジャンルを越えて、音楽好きな人が繋がりやすいと思います。なので、ロックンロールもレゲエもヒップホップもハウスもインディー・ポップも、もちろんバンドマンもDJも尊敬できる友人はたくさんいますし、ジャンルを越えた楽しいパーティーもたくさんできます。
-ライヴハウスではなくクラブというところにこだわりがあるのかな、と思ったのですが。
桝田:特にこだわりはないのですが、ライヴハウスだとロックやバンドのイメージが強い気がしたので、それだけじゃないところを知ってもらえたらと思ってクラブにしました。
-2013年に満を持して初の全国流通盤『YES』をリリースなさっていらっしゃいますね。レーベルを設立なさったり、クラブを始めたあとに初の全国流通盤という順序が、悪い意味ではなく少し変わっているなと思いました。このタイミングで全国流通盤をリリースしたのはなぜでしたか? そしてなぜそれまでリリースなさらなかったのでしょうか。
桝田:それは単純にどうやったら全国流通ができるかわからなかったからです。鳥取にはCDを全国流通してるバンドや音楽家はひとりもおらず、相談する人もいなくて、相当長い間"?"マークでした。しばらくして知り合いから世の中にはCDを全国流通してくれる会社があるという噂を聞いて調べて、探して、やっと全国にCDを流通する仕組みがわかったのが2012年です。
-『YES』をリリースしてから環境の変化などはありましたか?
桝田:当たり前のことかも知れませんが、僕たちの知らないところでバンドの音楽が知ってもらえることに感動しました。そのときに初めてツアーに出たのですが、The FoglandsやThe fin.と対バンできたりして、とても充実してました。ただ残念ながら環境は大きくは変わってないですね。
-そして今作は、前作『Believe』以来、約10ヶ月振りのリリースとなります。1年弱で新作がリリースになるというのはバンドの状況がいいからできることなのではと思いますが、この10ヶ月間はみなさんにとってどんな期間でしたか?
桝田:『Believe』を出してから今作リリースまで実は3回ドラマーが変わっていて、正直かなり苦戦した期間でした。前作『Believe』がとてもいい曲が録れて、自信があったのに全然売れなかったので、正直ムカついていて、相当ストレスも溜まってました。ドラマーが3人とも実力もあり人間的にも良かったので、それだけが救いでした。少しでも早く前作を超えるためにと、鍛えまくったこの10ヶ月は今思うと、音楽への情熱やスタミナ、実力と才能とメンバー間の信頼関係を試されているような厳しくも充実した期間でした。
-アルバムのコンセプトなどは決まっていたのでしょうか?
桝田:コンセプトというほどでもありませんがコンパクトでタイトでクールだけど、奥行きのある、聴き応えのあるアルバムを意識して作りました。
-タイトルに『Beg』を選んだ理由は「Beg」という楽曲からだと思いますが、この楽曲をタイトル・トラックに起用した理由は何でしょうか? 自然とリラックスできて笑顔になる、心地よくてクールな楽曲だと思いました。
桝田:ありがとうございます。最初にアルバムのタイトルを決めたので、曲に歌詞をつける際にこの曲にアルバムのタイトルをつけた感じです。理由はクールでわかりやすいと思ったからです。
-歌詞で描かれているのは"Strawberry Fields"なのかなと思ったのですが。
寺垣:その通りです。
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