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INTERVIEW

Japanese

百長

 

百長

Member:大森貴太(Vo/Gt) 遠藤弘規(Ba) 三輪友里奈(Dr/Cho)

Interviewer:山元 翔一

2010年に結成された名古屋発3人組ロック・バンド、"百長"が初の全国流通作品『夜遊びのセンス』をリリースする。"酒は百薬の長"という言葉にちなんで命名された、大森の実家の居酒屋の名前がバンド名の由来だという。それ故にと言うべきか、彼らの鳴らす音楽には "夜のにおい"が染みつく。そしてそこには、孤独や空虚さ、懐かしさやあたたかさが共存する。そんな不思議なバランスのうえに成り立った『夜遊びのセンス』に迫るべくメンバー3人にメール・インタビューを敢行した。

-初の全国流通作品『夜遊びのセンス』のリリースおめでとうございます。百長は2010年に結成されていますが、ここまでのバンドの生い立ちを教えてください。

大森:名古屋芸術大学の軽音部で結成しました。当時はベースを弾いていたのですが歌を作って歌いたいと思い結成に至りました。

-バンド結成から『夜遊びのセンス』をリリースするまでの期間を振り返ってどのように感じますか?

大森:長いか短いかで言えば長かったように感じます。

遠藤:メンバーが抜けたり安定しない時期があったりしてそのあたりは大変だったので、メンバーが決まってからリリースまでは早く感じますね。

三輪:正式メンバーになってからすぐにレコーディングに入って、全部初めてのことで不安だったけど新鮮なことだらけで楽しかったです。

-これまで自主制作でシングルや無料配布音源も含めて計7枚作品をリリースされていますが、今作をリリースするにあたって何かきっかけはありましたか?

大森:今作を作るにあたって今までの自主制作音源とは違い、もっとどっしりとした姿勢で挑もうと考えていました。メンバーが固定して流通をしようかという話が出て、制作が始まりました。

-名古屋を拠点に活動されていますが、ここ最近名古屋出身のアーティストの活躍が目立ちますよね。名古屋の音楽シーンについて詳しくお聞きしてもよろしいですか?

大森:実はあんまり"名古屋バンドっぽいね"と言われないんです。関西っぽいって言われます。複雑。

遠藤:名古屋のバンドが今注目されている中で"名古屋バンドっぽいね"って言われないのはちょっと悲しいです(笑)。

-今作についてDrop'sの中野ミホさんがコメントを寄せていらっしゃいますがこれはどういった経緯で?

大森:Drop'sとは2014年の1月に中野さん弾き語りと百長が共演したのをきっかけで仲良くさせていただいてて、8月にはDrop'sのレコ発ツアー名古屋編に呼んでいただきました。音源が完成して最初に聴いて言葉をいただきたかった方が中野さんだったので連絡したところ、ふたつ返事で快諾していただきました。

-少し調べてみたのですが、大森さんのご実家は酒屋さんで、その酒屋さんの名前は"酒は百薬の長"という言葉にちなんで"百長"とされたそうですね。バンド名はその店名から取られたそうですが、どのような意味が込められていますか?

大森:音楽性やメンバー、自分自身等々が変化していっても"根っこの始まりは同じ"、というふうに考えて実家の名前をつけました。母親はそれを聞いて何故か泣いてました(笑)。

-大森さんのご実家が酒屋さんであるということは、百長の音楽性とも関係があるのかなと感じましたが、実際いかがでしょうか?

大森:たしかに実家に来られるお客さんの年齢層も高めでしたし、お店から聞こえてくる酔っぱらいたちの歌も昭和歌謡なので影響もあったかもしれません。

-Drop'sの中野さんもコメントされていますが、百長の音楽にはどことなく"夜のにおい"が感じられます。今作には"夜遊びのセンス"というタイトルを始め、歌詞にも"夜"という言葉がよく出てきますね。

大森:夜、暗闇にひとりでいると時間も空間も無限に広がっているような感覚になるときがあります。夜に考えを巡らせることがほとんどで、毎夜毎夜何か思い出したり想像したりしてるのですが、そのときに曲が出来ることが多いです。僕が音楽を聴きたくなるときは夜ばかりで、考えごとや想像していたものを増幅、または表現して欲しくて音楽を聴くことが多いです。今回の"夜遊びのセンス"というタイトルはそんな夜にみなさんのお供になるような作品になるべくこのようなタイトル、選曲になりました。

-そして、今作は通して聴くと段々と夜が更けて朝に向けて時間が過ぎていくような感覚を覚えます。特にTrack.7「Tobari」からTrack.8「灯り」の流れなどからそう感じるのですが、実際に意識されたことですか?

遠藤:あんまり意識してないですね。

大森:でもたしかにTrack.1「夜行」はもろに悩み、先行きのない歌でTrack.8「灯り」、Track.9「TOKYOCITY」は先に向って行くイメージの歌なのでそう感じるのかもしれません。