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INTERVIEW

Japanese

undervár

2014年12月号掲載

undervár

Member:YUTARO (Ba) MAL (Pf)

Interviewer:山口 智男

-"リズム感"と"理""摘む""勘"を掛け合わせた「思・想ゲーム」の例が出たように、いろいろな意味を掛け合わせた言葉遊びとも言える歌詞がとてもユニークですね?

Y:1個の意味に限定したくないんですよ。どんなきっかけでこういう歌詞を書き始めたのかわからないんですけど、1曲目の「ideaう」の歌詞カードを見てもらうと、1行目の"あっち向いて"ってフレーズが文字がひっくり返ってるんです。僕、"あっち向いて"って言葉を見ると、頭の中でそういうふうに映るんです。言葉遊びはいろいろやってるんですけど、このアルバムで歌っていることはひとつしかない。Duranと福島が別にバンドをやってることに腹が立った時期があったんですよ。めんどくせえな、このバンドって(笑)。でも、一緒に音を出せば、そこではすごくいい時間もあるし、みんな本気だしって、その気持ちを歌にしたいと思ったんです。みんなそれぞれに、いろいろな事情があるけど、それを受け入れたうえで、それぞれの思想だったりアイディアだったりを歓迎しながらやるしかない。その先には出会いがあったり(※「ideaう」は「愛出逢う」でもある)、いろいろな音が生まれるんだからっていう。

-なるほど。言葉遊びが言葉遊びだけで終わらず、どの曲にもメッセージも感じられるところがいいと思ったんですけど、それはそういう想いあるからだったんですね。Track.2の「164km/hで翔け抜ける試行回路」はバンドのテーマ曲にも聴こえますけど。

Y:そうですね。1曲目の「ideaう」でみんなの思想を歓迎して、このアルバムがスタートして、2曲目で軽いメンバー紹介という感じですね。因みに「164」はこの曲のBPMで、それをkm/hにしただけです(笑)。

-Track.8の「せかいの日・鳥へ」はundervárがなぜ音楽を演奏するのか改めての所信表明のようにも思えました。

Y:ホントですか。極力、言葉遊びを使わずに書いてみようと思ったんですよ、この曲は。子供のころと大人になってからでは世界という言葉の概念が大きく変わったなということを思ったんですよね、ふと。世界って子供のころはすごい大きなものに感じていたけど、今なら飛行機でどこにでも行けちゃうし、音楽だってYouTubeに載せれば、世界中に発信できる。でも、そんなに大袈裟なものではなくて、本当は世界の誰かひとりに届けばいいのかなって思ったんですけど、世界のひとりへってしちゃうとちょっと恥ずかしかったんで、それで「日・鳥へ」としたんです。

-ところで、ギターレスで始めようと思ったにもかかわらず、今ではDuranさんがギターを弾きまくっていますね?

Y:それも必然ですよね。

M:ピアノとぶつかるから最初はギターを入れたくなかったんですよ。でも、彼のギターは不思議とぶつからない......。

Y:いや、ぶつかってるよ、メチャメチャ(笑)。でも、それがいい。

M:他のギタリストと違うんですよ。音云々ではなくて、相性なのかな。もっと弾いて欲しいと思えるんです。本当は、同じうわものの楽器だから、ギターって僕はあまり好きじゃない。ギターがいたら、こっちが引かないといけないところも出てくるじゃないですか。でも、Duranは僕が押すと、逆に押し返してくるから遠慮なくできるんですよね。

Y:印刷でCMYKで色を作ったら400%って厳しいじゃないですか。それを390%ぐらいまでやってる感じですね(笑)。"いや、インクが乾かないから"って印刷会社から戻される感じ。全員が弾きまくってる。でも、成立している。

-Ttrack.2の「164km/hで翔け抜ける試行回路」やTrack.3の「レソフライト」なんてまさにそうですね。4人の演奏がこれだけぶつかりあいながら、こういうバンドって演奏至上主義っていうか、小難しい方向に行きがちなのかなと思うんですけど、そうならずに、どの曲もポップ・ソングというところに落とし込んでいるところが面白いと思いました。

Y:何か心がけてますか?

M:シンプルなメロディはすごく大事にしてます。奇をてらうことは好きではないんです。

Y:僕は若い時の自分がコピーしたくなるようなものを意識してるかな(笑)。大体、ベースが嫌われるじゃないですか。ベース嫌だとかドラム嫌だとか。だから、コピーしたくなるような曲やプレイを。