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INTERVIEW

Overseas

GARBAGE

2012年05月号掲載

GARBAGE

Member:Shirley Manson(Vo),Butch Vig(Dr&Loops)

Interviewer:新谷 洋子

累計トータル・セールス1,500万枚以上、35ヶ国以上でライブを披露している紅一点のロック・バンドGARBAGE。2005年『Bleed Like Me』をリリースしツアー終了後、活動休止を宣言。そんな彼女たちがとうとう約7年振りのオリジナル・アルバム『Not Your Kind Of People』を5月16日にリリースする。ワールド・ツアーや、SUMMER SONIC 2012の出演も決定。待望のバンドの再始動作について、バンドの中心人物であるShirley MansonとButch Vigが語った。

【Shirley Manson(Vo) インタビュー】

-久々にバンド活動を再開してみていかがですか?

そうね、今の時代、アルバムを1枚リリースするってことがどんな大仕事か、私たちったらすっかり忘れてたみたい(笑)。すごくエキサイティングな気分だし、不思議な意味で、すごく懐かしい気分もしたわ。たくさんのアーティストを一様に処理するシステムに則るんじゃなくて、自分たちが望む形で送り出せることに興奮してるわ。

-前作から約7年振りのリリースですが、それまではどんな風に過ごしていたのですか?

普通に暮らしていたわ。思えばそれまでの10年間、ツアー・バスの中で過ごしたようなもので、みんなエネルギーの蓄えが尽きてしまったことを悟ったのよ。改めてエネルギーを回復して、充分たちを再生する必要があったの。まさにそういう結果になったわ。私たちは全員、エネルギーを回復させて帰ってきて、新たにアルバムを作ることにすごく興奮していたわ。そうあるべきでしょう? それは私たちが意義を見出し、私たちをエキサイトさせるものでなければ。バンドとして、以前の私たちにはそこが欠けていたのよ。

-Shirleyはソロ活動も試したものの、またバンドに帰ってきました。バンドという形態のどこにそんなに惹かれるんでしょう?

私はチームの一員でいるときのほうが、うまく機能するような気がするの。それに、私のパーソナリティにも合っているように思うわ。私はずっと、バンドというもののロマンスに恋してきたの。ほかの人たちと一緒に、何かひとつの目的に向かって力を合わせることが好きなのよ。そしてメンバーそれぞれが持ち込む要素の差異に、面白さを感じるわ。みんなが提供するインスピレーションやアイデアに、必ず予想を裏切られるのよ。そういう驚きの要素に惚れ込んでいるの。

-4人で曲作りを再開したとき、何か以前と違いを感じましたか?

間違いなく以前とは違ったと思うわ。みんな以前よりも楽しんでいたの。アルバム制作のプロセスを通じて、全員が全面的に責任を負っていた気がするわね。誰も気を緩めて怠けたりしなかったわ。作業にのめりこんで、集中していて、その結果、ストレスが取り除かれたんじゃないかな。それに、ボーイズ(※Shirleyは3人の男性メンバーをいつもこう呼んでいます)はいろんな楽器を交換し合って、私も今回は楽器を弾いて、まるで子供みたいなノリでプレイしていたの。積極的に実験したし、そのことがアルバムに表れているはずよ。私たちが感じていたエネルギーが反映されていて、それはかなり力強いと思うわ。なぜって、私たちはすごく楽しんでいたから。

-実際、40~50歳のミュージシャンたちが作ったアルバムとは思えない音ですよね。

そうよね。みんなその点に驚いているみたい!“ワオ! なんだかすごく挑戦的な音じゃない?”って言ってくれるの。もっと抑えたトーンのアルバムを想像していたみたい。っていうか、人々が私たちに何を期待していたのか知る由もないんだけれど、誰もが驚いていて“まるでデビュー作みたいだね”って(笑)。そんな風に言ってもらえるなんて、素晴らしいことよね。

-そもそも今の音楽界ってすごく後ろ向きですよね。再結成だの、傑作アルバムをフルに再現するコンサートだのが話題を集めていて。そんな中であなたたちは常に前を見ていて、他と一線を画しているように思います。

そうね。私たちの体には、ノスタルジックな部分が一切ないのよ。私たちにとって“ノスタルジア”とは、自分の未来で待ち構えているものに対する好奇心を失ってしまったことを意味するように感じられるわ。私はいつも未来を楽しみにしているし、過去の自分というコンセプトにすがりつくのは、あまり健全じゃないんじゃないかしら。リスキーに思えるかもしれないけれど、過去の自分に全てを託すようなことはしたくないの。私たちは常に自分たちの将来の在り方を探るにあたって、新しい冒険、新しいアイディアを楽しみにしているのよ。