Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Overseas

GARBAGE

2012年05月号掲載

GARBAGE

Member:Shirley Manson(Vo),Butch Vig(Dr&Loops)

Interviewer:新谷 洋子


-あなたは確か本作を“楽観的なアルバム”とも評していましたよね。必ずしも全てがハッピーな曲ではないですし、あなたたち特有のメランコリーもたっぷり含んでいるんですが、どういうニュアンスで“楽観的”なんでしょう?

このアルバムは『Not Your Kind Of People』と題されていて、表題曲は“はみ出し者”について歌っているんだ。“自分はどこにも属さない”と受け入れることを歌っていて、そこには一種のパワーがあると思うんだよね。バンドとしての僕らも、シーンに属していると感じたことがなかったんだ。一般的に“オルタナティヴ・バンド”と呼ばれていたけれど、それが具体的に何を意味するのかよく分からないし、何たって僕らは「Queer」でヒップホップのループを使ったり、しばしばエレクトロニカの要素を取り入れたり、かと思えばポップなメロディもノイジーなギター・サウンドも好きだった。そしてShirleyはイギリスの再従兄弟みたいな場所(※スコットランド)の出身だし、残りの3人の故郷はアメリカのウィスコンシン州マディソンで、僕は今はLAに住んでるけれど、東海岸や西海岸の人たちみたいにクールじゃないからね。そういうことを歌っている曲が、今回は多いんだ。「Beloved Freak」もそうだし、「Battle in Me」も然り。これらの曲はどれも、ある意味で力を不えてくれる曲であり、“はみ出し者で構わない”と受け入れることを歌っていて、だからこそ、そこには楽観的な感情が含まれていると思うんだ。だって僕らを見てごらんよ! 見た目からして、本当に奇妙なバンドだと思うんだ。メンバーは40~ 50代で、こんなに年をとってまだロックしようなんて、みっともないって言う人たちもいるだろう。でも、だからどうしたっていうのさ? 僕の気分は至って良好だよ。だからこのアルバムは、僕らはどこにも属していないって容認すること、それでも構わないんだって想いが込められているのさ。

-活動を休止している間、あなたはプロデューサー業に専念していましたよね。

ああ、そっちの仕事をやりたかったんだよね。長年GARBAGEの活動に時間を費やしていて、プロデューサーのキャリアを諦めていたところがあったんだ。だからたくさんの素晴らしいプロジェクトに携わることができて、本当にラッキーだったと思うよ。GREEN DAYにMUSE、FOO FIGHTERS、AGAINST ME!……。何しろ僕はスタジオで暮らしてるような人間だからね。スタジオで過ごすのが好きなんだ。そういう生活を5年ほど続けてきたよ。でもGARBAGEの一員でいることの素晴らしさは、自分の能力の別の部分を活用できるってことなんだ。ソングライターで、ミュージシャンである部分を。プロデューサーの部分ばかりではなく。そういうモードに戻るのは楽しかったよ。両方できるなんてラッキーだよね。バンドの一員であり、プロデューサーでもあるっていうのは。

-それにしてもあなたはGREEN DAYの『21st Century Breakdown』とFOO FIGHTERSの『Wasting Light』という、ここ数年で最大のロック・アルバムに携わったわけですから、プロデューサーとしても充実した活動をして、いい状態でGARBAGEに帰ってきたことになりますよね。

そうだね。それと同時に、GARBAGEの素晴らしさにも改めて気付いたんだ。ほかのどのバンドとも違うんだよ。そして自分がやりたいことを全部実現できる。スタジオで実験して、エレクトロニカを取り入れて。ほら、FOO FIGHTERSにもGREEN DAYにもエレクトロニカを導入する余地はないからね(笑)。それにGARBAGEではギターもシンセもプレイできるし、エフェクト機材であれこれ音を加工することもできる。バンドとして僕らには一切ルールがないんだ。曲をどんな要素で構成するとか、曲をどうアレンジするとか。それでいて、必ず自分たちのサウンドに辿り着くんだ。このアルバムでも、1曲目を聴き始めた瞬間にGARBAGEだって分かるよね。そのガービッジのサウンドを、僕自身もどう定義したらいいのか分からないんだけれど、それは僕ら4人が一緒に曲を書いてプレイすると、自然に生まれるんだ。そして、Shirleyの声も重要だね。ほかに彼女みたいなシンガーはいないから!