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INTERVIEW

Overseas

BEASTIE BOYS

2011年05月号掲載

BEASTIE BOYS

Member:MIKE D(MC & Dr) ADROCK(MC& Gt) MCA(MC & Ba)

Hot Sauce Committee――直訳すると、“辛口ソース委員会”。なんとも彼ららしい遊び心を感じさせる、痛快なアルバム・タイトルではないか。当初予定していた“Part1”ではなく“Part 2”からいきなりリリースするというヒネりにもニヤリとさせられる、BEASTIE BOYS待望のニュー・アルバム『Hot Sauce Committee Part Two』。MCAの癌性の耳下腺腫瘍超の治療のためリリースが延期されていた新作は、激辛ソースなメニューを口にしたときのような刺激をぶちかますアッパー・サウンドの連発! BEASTIE BOYSの過去と現在をつなぐかのようなその仕上がりを、MIKE D、ADROCK、そしてMCAにたっぷり語ってもらった。

(注:今回の取材はMCAが病気療養に入る前の2009年に行われたものなので、発言のタイムラグはご了承下さい)

-まずは、ラップ・アルバムとしては前作にあたる『To The 5 Boroughs』を振り返っていただけますか?

MIKE D(以下D):『To The 5 Boroughs』はセクシーなアルバムだったな。

ADROCK (以下A):結構ホットさ。エロティックにね。

D:ねっちょりしてて、基本的にはラヴァーズ・ロックのようなアルバムさ。

A:今、ちょっと変なことを言おうとしたけど敢えてやめておくよ。

MCA (以下M):グラム・ロックだったってことを?

A:いや、違う……。でも『To the 5 Boroughs』は楽しいレコードだよ。俺は楽しめるさ。かつても楽しめたし、今も楽しめるし、今後も楽しめるだろう。

-ニューヨークをテーマにしたあのアルバムを作ったことは、BEASTIE BOYSのキャリアにおいてどんな意味があったと考えますか?

A:うーん、分からないな。いい質問だ。

D:うーん、分からないけど、俺からしてみれば……。俺達はそれぞれきちんとした両親に育てられ、そしてその育てられた街にも育てられたんだ。その街で音楽活動をし、街で起きた事やサウンド一つひとつ、その街で育って聴いてきた音楽など……。特に『To The 5 Boroughs』を制作した時期のニューヨーク・シティは混乱の時期で、“9・11”の一件だったり本当に大変な時期だったから、自然とそれを反映するような内容になったのは確かさ。

-その『To The 5 Boroughs』と2007年のインストゥルメンタル・アルバム『The Mix Up』の存在は、今回の新作の制作にどんな影響を及ぼしていますか?

A:“メルド”(混合物)、2つのものが1つになるときに表す言葉さ。ラップ・レコードの『To The 5 Boroughs』、そしてインスト・レコードの『The Mix Up』、そして新作の『Hot Sauce Committee Part 1』(注:実際には“Part 2”/以下同)。真の“混合物”さ。ラップしたり、プレイしたり、俺達がいたり……。“メルド”さ。

-アルバムの制作に取りかかったのはいつごろでしたか? また、その当時はどんなどんなヴィジョンを持っていたかを教えてください。

D:『Hot Sauce Committee Part 1』の制作期間は、1年半から2年位かな。『The Mix Up』が完成した頃に、俺達はすぐにヴォーカルの入ったアルバムを作らなきゃってモードで、少しツアーしてその合間を利用していろいろ新しい素材を作り始めたんだ。結構な量の新しい素材が揃ってきてきたんだが、どんどん俺達は曲を作り続けた。それ故に、“Part 1”なんだ。あまりにも新曲を書きすぎてアルバム2枚分くらいの素材が出来上がったんで、そのうち“Part 2”を出すことになるだろう。

M:どうだろうな……?