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INTERVIEW

Overseas

INSECT GUIDE

2010年06月号掲載

INSECT GUIDE

Member:Su Sutton(Vo) Stan Howells(Gt) Chris Cooper(Dr)

Interviewer:佐々木 健治


-そもそも、Chris Cooperが加入することになったのは、どういう経緯なのでしょう?THE PALE SAINTSと言えば、シューゲイザーの伝説的バンドですが、お二人はTHE PALE SAINTSを聴いていたのでしょうか?

Stan:『6ft In Love』ではプログラミングでドラムの音を出していたのだけれど、『Dark Days & Nights』では本物の音が欲しいなと思ったんだ。Chrisとは昔からの友達だったから、数曲叩いてくれないかなって聞いてみたんだ。すると一旦スタジオに入ってリハーサルを始めた瞬間に、僕たちの相性がぴったりなことに気づいたんだ!彼は沢山のアイディアを持っている素晴らしいドラマーさ!

Su:もちろん私達、THE PALE SAINTSが大好きよ。でも私は彼らのライヴを見に行くには産まれるのが遅すぎたの。だから本当にStanがうらやましい!彼らのライヴ・パフォーマンスを見ることができたなんて!

Stan:『Comforts Of Madness』は偉大なアルバムさ。シューゲイズの伝説だよね。

-『Dark Days & Nights』でのダイナミズムは、Chris Cooperの加入ということ以外では、どのような経験の上で生まれたと思いますか?

Stan:INSECT GUIDEがバンドとして成長した結果じゃないかな。Suと僕は強いエネルギーを込めながら曲を作るからね。そうやってできた曲達にダウンタウンの薄汚れたダンス・フロアでかかっているような世界観を反映させたいと常に思っているんだ。

Su:ドラム・マシーンを使ってライヴをしてきたから、2ndアルバムには本物のドラム・セットが欲しいと思っていたの。生のダイナミズムが欲しくて。そうして私も少しドラムをライヴで叩くようになったの。でも何よりもChrisは本当に最適なドラマーよ。

-あなたがたは、アルバムを作る上で、事前にコンセプトを明確に描くタイプですか?それとも、自然と楽曲が一つの世界観を持っていくのでしょうか。『Dark Days & Nights』の制作はどのように始まり、どのように進められていったのでしょう?

Stan:最初から『Dark Days & Nights』は今までとはまったく違ったレコーディングをしようとぼんやり考えていたのだけれど、特に明確なコンセプトは決めなかったな。曲達は自然に育っていくんだ。僕たちはその成長を最適なものに持っていけるように見守るだけさ。

Su:私達の音楽はいつも私達の世界観を反映させているわ。曲を作るのって本当に楽しくて、コンセプトという小さな檻に閉じ込めておきたくないのよね。

-三人での楽曲作りはどのように行われるのでしょう?また、作曲の段階で、三人になったことは変化をもたらしましたか?

Stan:もちろん今までと違ったよ。でも僕たちはその変化を望んでいたんだ。『6ft In Love』の時はライヴの為に練習するまで楽曲達をリハーサル・ルームには持っていかなかったんだ。だけど『Dark Days & Nights』ではSuと僕が音楽を作った後、すぐにリハーサル・ルームに持って行ってドラム・パートとセッションしたんだ。

Su:大抵そばにボトルのワインとハバナのラムを傍に置いていたわよね。この新しい方法は本当に楽しかったわ!みんなで一緒に曲を作りながら実際にライヴをしているみたいだったもの!

-アルバムを聴いて、前作の世界観がより強固に、そしてダイナミックになっていますよね。しかも、新しいメンバーが加わっての制作であるにも関わらず、とても自然な進化という風に感じられたことに驚きました。三人でのレコーディングでの苦労はなかったのでしょうか?

Stan:レコーディングは本当に楽しいんだよ?苦労なんてないさ!

Su:そうね・・苦労があるとすれば・・スタジオにずっとこもりっきりだったから日の光に馴染めなかったことくらいかしら。

Stan:三人で制作をするのはINSECT GUIDEにとっての自然な進化だったんだ。僕たちの世界観をしっかり反映させてくれる正しいドラマーを選んだしね。もちろん、制作中に意見が食い違うこともあるけれど、そのプロセスが一番重要だ。それを通り越せば最終的には全てOKになるんだから!

Su:そう。だから『Dark Days & Nights』は本当にINSECT GUIDEの世界観をあらわしているの。暗いスタジオ、猥雑なクラブ、薄汚れたバー、そしてダーク・ポップ。ほらね。

-近年、シューゲイザーからの影響を受けたバンドが多く登場していますが、最近のバンドの中で、シンパシーを感じるバンドはいますか?

Stan:数え切れないほどの最近のシューゲイズ・バンドが大好きだよ!そうだな・・・ニューヨークのSOUNDPOOL, バルチモアのTHRUSHES, リーズのLABORATORY NOISEは本当に素晴らしい!彼らはシューゲイザーに影響を受けながらも、独自のサウンドを生み出しているところがいいね。

-また、まさにオリジナルなシューゲイザーをリアル・タイムで過ごしてきたChris Cooperからみて、現代のシューゲイザーからの影響が伺えるバンドはどういう風に映っていますか?

Stan:その通り!Chrisはシューゲイズ・シーンを実際に作りだした一人さ!

Chris:最近じゃBLONDE REDHEADの2ndアルバムが素晴らしかった。The Pale Saintsがいたころの時代を僕に思い出させてくれるよ。彼らもPINK FLOYDのSydがいたころや、Brian EnoにNeu!といった音楽に影響を受けているんじゃないかな?どのムーブメントにもいえることなのだけれど、シーンっていうのは環境や影響を作りだすものであって、いつ作られたのか?と言うのは僕にとってあまり重要ではないんだ。

-シューゲイザーに限らず、今夢中になっているバンドなどあれば、教えて下さい。

Stan:BO NINGEN、Lady Gaga

Su:PIXIES、THE CURE、Nick Cave、BLONDIE

Chris:QUACK QUACK、THE BRIEFS、THE XX

-最後に、今後の予定などあれば、教えて下さい。

Stan:『Dark Days & Nights』のプロモーションだね。アメリカとヨーロッパでもツアーをするつもりさ!

Su:そして、私達日本でもライヴをしたいわ!!

-ありがとうございました。

ALL:こちらこそありがとう。