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INTERVIEW

Japanese

Spangle call Lilli line

2010年04月号掲載

Spangle call Lilli line

Member:大坪加奈(Vo) 藤枝憲(Gt) 笹原清明(Gt)

Interviewer:佐々木 健治


-そういう話は笹原さんは覚えてないですか?

笹原:うーん(笑)。


大坪:でも、歌詞に関してはいつも話していることではあるしね。


藤枝:歌詞が分りにくいから、伝わりづらいんじゃないかなっていう話はしているんですけど、それを実行するのに12年かかったと(笑)。


笹原:だから、人に頼んでみてもいいんじゃないかって言う話はポップなアルバムを作りたいという話とは別でずっと言っていましたけどね。


大坪:うん。


笹原:長くやってきて、メロディとか声の良さは十分出るのは分かっているので、歌詞がこのスタイルじゃなくてもいいんじゃないかと思っていましたし。それこそ僕の中では、歌詞は松本隆さんにお願いしたいと思ってたくらいですけど(笑)。最終的に永井さんって言うのは、絶妙なバランスになったと思いますね。

-確かに、他の曲とは違うポップさがありますよね。で、皆さんの曲は基本的に日本的なメロディじゃないですよね。

大坪:それは結構嬉しい褒め言葉ですね(笑)。

-でも、そこに全部日本語で凄く散文詩的に歌詞を当てはめていきますよね。普通に英語に聴こえるようなところもあって。日本語に対するこだわりはずっとありますか?

大坪:それは結成の時から決めていたことで、日本人が日本でやっている歌だし、日本語で歌うのが自然というか、当り前だと思って。英語が母国語だったら、当然、英語で歌うでしょうけど、普段喋っているのは日本語だし、日本語でやるのが自然だと思いますね。

-その日本語の歌詞が凄く日本語とは思えないくらい綺麗に乗っかっていて。仮歌の段階では英語で歌詞をつけたりしているんじゃないかと思ったんですけど。

大坪:あ、実際それに近いですね。英語というか、めちゃくちゃな(笑)意味のない言葉ですけど、聴くと英語っぽくはなっていますね。

-「rio the other」なんかのメロディは、歌詞を知らなかったら、最初は普通に日本語だとは思わないと思いますよ。

藤枝:そこも大坪さんの歌詞の良い所だと思いますね。あまり日本語として直接的に入ってき過ぎるのもどうかと思うし、だからと言って英語で歌うというのは違うし。何だろうと思って、歌詞を見てこんな言葉なんだって言う意外性というかギャップはあるといいなと。

-そもそも、この曲は前作にも収録されていましたが、今回も再録しようと思ったのはなぜなんでしょう?

藤枝:実は、今回のヴァージョンがオリジナルなんですよ。これが一番最初のアレンジだったんですけど、前の2作にはこの感じは合わない。『Isolation』はピアノ中心のアルバムだし、『Purple』もアルバムのコンセプトがあるから、それに沿ったアレンジに変えて録音したんですね。それで今回『VIEW』だったら最初のアレンジが合うんじゃないかと思って、やることにしたんですよ。順序が逆と言うか。でも、僕達はそういう曲が結構多くて、その時のアルバムに合わないものは一回寝かすと言うか。

-曲に合うコンセプトのアルバムがあれば、出すと。

藤枝:そうですね。

-ちなみに、『VIEW』のコンセプトをポップなものにしようと決めたのは何故なんでしょう?

藤枝:前の『Purple』と『Isolation』がダウナーな感じというか、ちょっとしっとりとした感じで、それぞれSpangle call Lilli lineとは違う活動でも同じようなモードが続いていて、それが続くのはしんどいし、同じようなことをやってもしょうがないから。コンパクトでポップなものを一つ作ろうと。逆に長くて、もっとバンド・アンサンブルっぽい、一発録り中心でもやりたいと。それで最初に2枚作ると決めておけば、中途半端にならずに両方とも吐き出せるから。