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DISC REVIEW

Japanese

2018年06月号掲載

君が息を吸い、僕がそれを吐いて

2016年2月に活動終了したバンド"蟲ふるう夜に"のヴォーカリスト、蟻によるソロ・プロジェクト"キミノオルフェ"。配信リリースされる1stアルバムは、ディレクターに椎名林檎、RADWIMPSなどの楽曲プロデュースも手掛ける山口一樹ほか、気鋭のトラックメーカーを多数迎え制作された。軽やかで凛とした歌声と透明感のあるサウンドメイキングが特徴的な本作。ここで歌われているのは、誰かが決めた枠組みにとらわれる必要はないということと、自由ゆえに行きたい方向がわからなくなっても、その悩みをも尊重してほしいのだということだ。蟻自身の原体験と重なる曲もあるように、その葛藤はかつての彼女が抱えていたもの。壁を乗り越えてきた人の歌だからこそ、聴き手に寄り添うことができるのだろう。(蜂須賀 ちなみ)