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DISC REVIEW

Japanese

Absence

Predawn

『Absence』

Release Date : 2016-09-21
Label : Pokhara Records / HIP LAND MUSIC

ライヴではギターの弾き語りだから潔いまでの尺の短さなのだと思っていたら、バンド・アレンジを加えた音源でもその潔さに変わりはなかった。自分のイメージをどう着地させるかというシビアさと、曲が求める歌唱の必然と、音楽を作る自身への誠実さという意味で彼女はThom YorkeやJoni Mitchellに似ている。儚げでかわいい声で描かれる大人の女性の孤独というギャップには少々震えるものがあるし、虚無的になるギリギリ手前の感覚を切り取った歌声が聴ける楽曲があったりして、パッと聴くと穏やかな彼女の作風が、実は自身を削り出して立体化していることを知ったとき、深い感銘を受ける。聴き流すことも深くコミットすることもできる、聴き手にとっての多様性を残してあることもPredawnの懐の深さだ。(石角 友香)


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Calyx

昨夏は活動10周年ライヴに小山田壮平(AL/Vo/Gt)、ホリエアツシ(ストレイテナー/Vo/Gt/Pf)らをゲストに招くなど、Predawnの愛されぶりの一端を知れたが、今回は初の日本語詞のみからなるEPをリリース。お馴染みの神谷洵平(Dr)、ガリバー鈴木(Ba)に加え、コーラスで小山田壮平も参加。儚く脆そうでいて意志の強さを感じる声が、情景と心象がないまぜになった言葉に乗り、放たれる瞬間は、どの楽曲も奇跡を見るような美しさだ。オーセンティックで音数の少ないフォーク・ロック調のアンサンブルは、肩の力を入れずに楽しめる音像。生きていくなかで自然と堆積した思いにいいも悪いもない。ほんの少しのブルーを抱えながら人生という旅に出る――彼女らしい心強さがある1枚。(石角 友香)


Absence

ライヴではギターの弾き語りだから潔いまでの尺の短さなのだと思っていたら、バンド・アレンジを加えた音源でもその潔さに変わりはなかった。自分のイメージをどう着地させるかというシビアさと、曲が求める歌唱の必然と、音楽を作る自身への誠実さという意味で彼女はThom YorkeやJoni Mitchellに似ている。儚げでかわいい声で描かれる大人の女性の孤独というギャップには少々震えるものがあるし、虚無的になるギリギリ手前の感覚を切り取った歌声が聴ける楽曲があったりして、パッと聴くと穏やかな彼女の作風が、実は自身を削り出して立体化していることを知ったとき、深い感銘を受ける。聴き流すことも深くコミットすることもできる、聴き手にとっての多様性を残してあることもPredawnの懐の深さだ。(石角 友香)


手のなかの鳥

清水美和子のソロ・ユニットPredawn 初の全国流通音源。一見すると少女が花を摘むように可憐で無邪気に音楽と戯れているような作品。赤、青、黄...色鮮やかな沢山の糸を、思うまま紡いでいく。そんな風に言葉を紡ぎ、それを歌に乗せ飛ばしていく。手のひらに花びらを乗せてふっと息を吹きかければ、言葉は宙を舞いゆらゆらとたゆたう。どこまでも自由な彼女の歌はそこに留まってはくれないのだ。リード曲「Suddenly」では、まどろみの中で恋人を想い、相手への深い愛情を、寝ぼけ眼で囁くように歌っている。恋人が自分にもたらしてくれる幸福は"突然"やってくる、つまり貴方は私の世界を一瞬で塗り替えてしまうのだと言っている。そんな強い言葉すらも淡く瑞々しいものにしてしまう、彼女の言葉で想いを彩るセンスは素晴らしい。(島根 希実)



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