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DISC REVIEW

Japanese

2014年07月号掲載

Wall, Window

People In The Box

『Wall, Window』

Release Date : 2014-08-06
Label : 日本クラウン

全21曲計70分を1トラックで聴かせた4thフル・アルバム『Weather Report』から約10ヶ月。初のタイアップ曲を含む3曲入りシングル『聖者たち』と同時リリースされる5thフル・アルバムは、過去作と明らかに違うところがある。それは大々的に鍵盤を用いた楽曲があるということ。春のツアーで波多野裕文が鍵盤を演奏していたのは今作の伏線だったのだ。前作が深層心理に働きかけるようなディープな作品だったのに対し、今作では多くの人々の手を引き、包み込む――それは切なる願いでもあり救済でもある、清らかで勇敢な音色だ。そして彼らの持ち味でもある変拍子と不協和音、不安定なメロディは変わらず諧謔的かつ狂気的。総じて、絶望の淵で鳴らされた福音のように、強く気高く美しい。(沖 さやこ)


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全15バンドが新曲を録りおろした残響recordレーベル10周年記念コンピレーション。好きなバンドだけ聴ければいい、なんて思ってるかたはその考えを改めることをお勧めする。なぜなら、もしこの15バンドにあなたが好きなアーティストがいるならば、間違いなくそれ以外の楽曲もあなたのアンテナに触れるはずだから。それこそが残響recordが10年間でリスナー、そしてアーティストと積み上げた"信頼"だ。ポスト・ロックやエレクトロニカの音楽性を持ち、どこか人を寄せ付けない孤高の輝きを放つ危険性、神聖さを持つアーティストが集うという、事件とも言うべきロマンチシズム。残響recordの看板でもあるcinema staff、People In The Boxをはじめ、全アーティストが独自の色を研ぎ澄ました攻めの新曲を投下している。(沖 さやこ)


Wall, Window

全21曲計70分を1トラックで聴かせた4thフル・アルバム『Weather Report』から約10ヶ月。初のタイアップ曲を含む3曲入りシングル『聖者たち』と同時リリースされる5thフル・アルバムは、過去作と明らかに違うところがある。それは大々的に鍵盤を用いた楽曲があるということ。春のツアーで波多野裕文が鍵盤を演奏していたのは今作の伏線だったのだ。前作が深層心理に働きかけるようなディープな作品だったのに対し、今作では多くの人々の手を引き、包み込む――それは切なる願いでもあり救済でもある、清らかで勇敢な音色だ。そして彼らの持ち味でもある変拍子と不協和音、不安定なメロディは変わらず諧謔的かつ狂気的。総じて、絶望の淵で鳴らされた福音のように、強く気高く美しい。(沖 さやこ)


Ave Materia

今年は特に精力的なリリースやライヴ活動で我々リスナーを楽しませてくれるPeople In The Box。“Ave Maria”をもじったであろうタイトルを掲げる今作は、歌詞にも“さよなら、物質”とある通り、物質を対照とした非常に精神性の強い楽曲が並ぶ。軽やかで鋭い言葉を一言一言まっすぐ歌う波多野裕文のヴォーカル、憂いが零れるギターと包容力のあるリズム・セクション。凛と輝く3人の奏でる音色は美しく混じり合い、心の奥底までじんわりと染み込んで喜怒哀楽全ての感情を刺激する。目を背けたくなるつらい出来事はこの世に溢れている。だが彼らはそれに向かい合い、したたかに音を鳴らす。怒り、悲しみ、喜び、優しさ。人の心はとても複雑に入り組んでいるけれど、核にあるものはとてもシンプルなのかもしれない。(沖 さやこ)



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