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INTERVIEW

Japanese

イトヲカシ

2017年06月号掲載

イトヲカシ

イトヲカシ

Official Site

メンバー:伊東歌詞太郎(Vo) 宮田“レフティ”リョウ(Ba/Gt/Key)

インタビュアー:山口 智男

昨年9月、シングル『スターダスト / 宿り星』でメジャー・デビューした2人組音楽ユニット、イトヲカシが結成から5年、満を持して1stフル・アルバム『中央突破』を完成させた。そのタイトルには、結成後、主にネットの世界や路上で活動してきた彼らがいよいよ音楽シーンのど真ん中で勝負に出るという決意とともに、彼らがどう勝負していこうと考えているか、アーティストとしての信念、矜持も込められている。シングルでは表現しきれなかった曲の幅広さも印象づけるバラエティに富んだ全10曲は、奇をてらうことが持てはやされすぎているようにも思える現在のシーンに対するアンチテーゼでもあるという。

-結成から5年、満を持して1stフル・アルバムが完成しました。

伊東:そんなふうに言われると、重みをめちゃめちゃ感じますね(笑)。それと同時にタイトルに込めたとおり、王道(のやり方)で音楽のど真ん中に行きたいという意志を示したアルバムなんですけど、何が王道かということが一番大事だと思っています。自分たちが思う王道で音楽のど真ん中に中央突破していきたい。そういう意志が表れたアルバムなので、収録した曲の数々も僕らが考える王道の楽曲が揃っている。自信作です。

-おふたりが考える王道というのは、例えばどんなことになるんでしょうか?

伊東:やっぱり、メロディをすごく大切にしていたり、歌詞を大事にしていたり......つまり歌モノなんですね、イトヲカシというのは。歌を一生懸命に作ってきたし、作っていきたいんです。歌を作るうえで一番大事なのは、心。それを一番入れやすいものが音楽。その中でも歌というのは、特に入れやすい。その心を伝える言葉、メロディ、歌を大事にすることが、僕らの王道なんだと思っています。

宮田:付け加えると、お茶の間で家族揃って聴ける音楽でありたいです。過激すぎない、みんなで楽しめる音楽というイメージを、僕らは持っているし、そういうサウンドが自分たちのオリジンというか、もう血に近い感じで染みついている。それがど真ん中にあるべきなんじゃないかといつも意識しています。

-"中央突破"というタイトルには、現在のイトヲカシの意気込みに加え、おふたりが作る音楽に対する自信、誇り、誠意が感じられますが、中央突破するためには、どんなことをやったらいいとアルバムを作るときに考えたんでしょうか?

伊東:そういうことを戦略的に考えたことはないんですけど、とにかく勝負がしたい。自分たちが思う王道で勝負したいと思いましたし、勝負できると思っています。その一点に尽きる。だから、フルスイングして、空振りしたとしても大笑いできるぐらい全力でやろうと思いました。

宮田:逆に、いろいろ考えると、打算的になっちゃうと思うんですよ。こういうアレンジっていまのムーヴメントじゃないよねとか、いなたいよねとか、もちろんアレンジャーとして、そういうことを考えることもあるんですけど、今回のアルバムを作りながら、そういうことって音楽には関係ないし、ムーヴメントじゃないアレンジをやることを恥ずかしく思う必要はないと吹っ切れたんです。歌詞太郎も言ったように全力でフルスイングするとき、世代感とか、時代感とかを取っ払って、自分たちが単純にいいと思ったものを選択していきたいと思いながら作りました。

伊東:自分がいいと思うものを提示することにおいて、僕は一度も躊躇したことはないんです。なぜなら、歌モノって50年前も50年後も、もっと言えば100年後も1000年後も、みんな聴きたいと思うものだと考えているからなんです。いつの時代でも、どんな人にでも刺さるものだと思っている。だから躊躇せず、堂々と中央に出していこうと思いました。

-今作は、メジャー・レーベルからリリースした2枚のシングル(『スターダスト / 宿り星』、『さいごまで / カナデアイ』)の4曲に新曲6曲を加えた全10曲が収録されていますが、その6曲は2枚のシングル以降に書いたものなんですか?

伊東:アルバムのために曲を作るという概念が僕らにはないんですよ。常に作っていたいし、曲を作るなら、アルバム曲だとかシングル曲だとかを考えずに、その瞬間その瞬間に、自分たちがいいと思うものを作りたい。そういうスタンスで曲を作り続けていたので、曲が結構溜まっていたんです。今回、アルバムを作るにあたっては、その中から選んだんですけど、シングルとしてリリースした曲は軸になるものだから絶対入れるとして、それとどうやったらバランスが取れるかとか、他にどんな曲があったらアルバムがもっと輝くだろうかとか、ふたりで話をしながら、じゃあこの曲とこの曲を入れようって決めていきました。そのなかで、こんな曲があったらいいねということで、シングルのリリース後に作った曲もあれば、2014年の夏に作った1曲目の「スタートライン」のような古い曲もあるんです。

-今回の10曲の中にシングルでリリースした曲以外で、すでにライヴで演奏しているものはあるんですか。

伊東:もう全曲、演奏しました。今、ツアーの真っ最中なんです。アルバムが出てからのワンマン・ツアーではなく、リリース前にツアーが始まって、その途中にアルバムがリリースされるというちょっと特殊なツアーなんですけど、恐れずに新曲をどんどんやっていこうって、3公演目か4公演目ぐらいでアルバムの全曲をやり尽くしてしまいました。

宮田:ライヴによってやる曲を変えたりはしているんですけど。

伊東:アルバムの10曲の中には、自分たちの音楽性の幅を見せたいという気持ちから、結構変化球的なイメージで入れた曲もあるんですよ。そういう曲が、実はライヴで評判がいいんですよね。