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INTERVIEW

Japanese

speaker gain teardrop

2016年10月号掲載

speaker gain teardrop

speaker gain teardrop

Official Site

メンバー:ムラカミイッキ(Dr)

インタビュアー:白崎 未穂

1999年の結成以来17年、メンバー・チェンジを繰り返しながらも広島を拠点に活動し続けている、speaker gain teardrop。インスト・バンドsgt.主宰のレーベルPenguinMarket Recordsよりリリースされる、彼らの約3年ぶり8作目となるニュー・アルバム『cluster migration』が完成。"3ピース"というバンドの必要最小限の人数で、夜の静寂に溶けるような音から、激情に駆られたような轟音まで響かせる。Skream!に初登場ということでバンドの歴史も探りつつ、全6曲約50分があっという間に過ぎてしまう今作について、ムラカミイッキ(Dr)にメール・インタビューを行った。

-まずは、speaker gain teardropがどのようなバンドなのかを知りたいです。ムラカミさんが音楽と関わるようになったのは、どんなことがきっかけだったのでしょうか?

僕の場合はすごく音楽が好きだったというわけではなくて。何人か仲良しの友達がバンドを始めるという話で盛り上がっていて、"これに乗っからないとこのまま仲間外れにされる"と思ったんです(笑)。それで僕もバンドに入れてもらったのですが、みんなギターやヴォーカルをやりたがっていたので自然と余っていたドラムにされました。それがこんなに長く続いているので、人生ってわからないものですね(笑)。

-今から17年前、1999年にムラカミさんを中心に結成されたようですが、当時どういった経緯で結成に至ったのでしょうか?

speaker gain teardropの前身バンドではもうひとりギターがいたんです。でも彼がやめてしまい、以前の曲が演奏できなくなってしまったので、改めて曲を作り直すところからこのバンドが始まっています。それに伴って音楽性もガラッと変わったのでバンド名も改名しました。

-speaker gain teardropはインストゥルメンタル・バンドという形態で活動されていますが、ヴィジョンやロール・モデルみたいなものはあったのでしょうか?

最初からインスト・バンドになったわけではなく、昔はヴォーカルを入れたスタイルのバンドでした。インスト曲をライヴの最後に演ったり、アルバムの最後に入れたりしていくうちにいつの間にか全曲歌なしのバンドになりました。音楽のスタイルが変わっていったのは本当に少しずつなので、特にヴィジョンやロール・モデルはなかったですね。

-バンド名である"speaker gain teardrop"にはどのような意味や由来がありますか?

たしか......前にやっていたバンドが英単語ふたつの名前だったので、英単語3つの名前にしようという話になって。それで当時のメンバー3人で英単語を50個くらい出し合って、響きの良い名前にしたんだと思います。

-今作を含め、これまでに発表された8作品すべて大切な作品となっていると思いますが、その中でも一番思い入れのある作品を教えてください。

そうですね、全作思い入れはありますが、Novel Soundsからリリースした5作目の『particle protocol』(2008年リリースのアルバム)でしょうか。それまでは4作とも自主制作でやっていたのですが、このアルバムから全国流通させてもらって、いろいろとバンドの状況が変化していったのを覚えています。今作『cluster migration』でリミックスとマスタリングをやっていただいているKASHIWA Daisukeさんにアドバイスもたくさんしていただき、バンドとして成長できる出逢いもありましたので、このアルバムが一番思い入れがあります。

-KASHIWA Daisukeさんは様々なメディアへの楽曲提供、作家、リミキサー、マスタリングやエンジニアも行っている方ですよね。同じ広島出身とのことですが、どのような繋がりが?

KASHIWAさんとの出会いは、ギターのホリベ(ヤスチカ)がソロ名義で活動しているstabiloで開催しているイベントの繋がりで知り合ったと思います。同じ広島出身ということもあって仲良くさせてもらっています。

-前作『appearance of fluctuation』(2013年にリリースした7作目のアルバム)より約3年ぶりのアルバム『cluster migration』のリリース、改めておめでとうございます。久しぶりの作品となりましたが、その間はどのような活動をされていたのでしょうか?

ありがとうございます! 約3年ぶりのアルバムなのですが、メンバーみんな仕事をしながらバンドをやっているので、どうしてもこれくらいの時間がかかってしまいますね。その間の活動は、スタジオに入って練習して曲を作ってライヴをやるというルーティーン作業です。あとは前作が完成してからギターのホリベがソロ名義のstabiloで約3年間、毎月アンビエントなEPをリリースしながらバンドとソロでライヴをするという生活を送ってるみたいで。そちらはいろいろと忙しいようです(笑)。

-そして6年間、活動を共に歩んできたベースのウエノケンジさんが昨年7月に脱退し、キムラフミアキさんが新メンバーとして加入されましたね。どのような経緯があったのでしょうか?

ベースのキムラ君は古い友人で、彼が昔やっていたバンドとよく対バンしていたので、今回改めてベースをお願いしたら、あっさり話がまとまりました。加入してもらって1年が過ぎましたが、彼の活躍にまだまだ期待しています。

-speaker gain teardropの楽曲は、3ピースというバンドの最小人数で演奏しているのにもかかわらず、聞こえてくるのはいくつもの音が重なった奥行きのあるサウンドスケープを描くギターと、そのサウンドの中で交差するリズム隊のやりとりがとても印象的です。また、聴く者を別世界へさらう、ある種、力技のような演奏も魅力のひとつだと感じます。楽曲制作は今回、どのように進行したのでしょうか?

とてもいい感想をありがとうございます。そのように聴いていただけるなら"してやったり"という感じですね(笑)。楽曲制作は、メンバーの誰かしらが音ネタを持ってきて、それをスタジオでセッションしながら組み立てていく感じです。最初からあまり決めてかかったりせずに、全体で合わせながら面白いフレーズが出るのを待ったりします。あと、歌もなく曲がひたすら長いので聴いてる人に飽きさせないような曲展開を心掛けていますね。例えば、10分の曲が5分くらいに感じてもらってあっという間に終わった......というふうに思っていただけたらすごく嬉しいです。

-今作でも煌めくような繊細な音を紡ぎ出すエレクトロニカな静寂から、激情のような轟音まで幅広いサウンドを響かせていますが、作るにあたり、どんな作品にしたいと考えていたのでしょうか?

いつもアルバムのコンセプトは特にないのですが、バンド・サウンドに固執せず、打ち込みのトラックを使った曲を収録したりと、アルバム全体に深みを持たせるような作品にしています。日常では曲作り、練習、ライヴの繰り返しをひたすら続けていますので、その流れの中で生まれたいい曲が溜まってきたら音源として発表する感じです。