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INTERVIEW

Overseas

LCD SOUNCSYSTEM

2010年05月号掲載

LCD SOUNCSYSTEM

メンバー:James Muphy

インタビュアー:杉浦 薫

前作『Sound Of Silver』以来3年ぶりとなるLCD SOUNDSYSTEMの3枚目のアルバムは、インタビューでJames Muphyが語っている通り、残念ながらLCDとして最後の作品となることが決定している。つい最近まで発表されなかったアルバム・タイトルは、『This Is Happening』に落ち着いたようだ。全9曲の『This Is Happening』。筆者が大きな特徴として感じたことは、今までよりも更に“歌”に重点が置かれているということであったが、James自身は、あまりそこを意識していなかったというのから意外だった。

-アルバム完成おめでとうございます!まず最初に聞かせてください。この3rdアルバムが、LCD SOUNDSYSTEMにとって 最後のアルバムになるという噂は本当ですか?もし本当だとしたら、何故そのような結果に至ったのか、詳しく聞かせてください。

LCD SOUNDSYSTEM(以下LCD)として活動し始めた時に、40歳になったら辞めると決めていたんだ。幸運なことに全てがうまく行き、凄く忙しくなったけど、こんなに大掛かりなことになるとは思っていなかった。まさか、こんなにレコードを出さずして世界ツアーが決まる ようなバンドになるとは思ってなかったし、本当に貴重な経験をさせてもらった。LCDとしてベストを尽くしたわけだけど、この間40歳に なったから、そう、今回が最後のアルバムになるよ。今まではLCDで忙しかったから、これからはやっとレーベルDFAの活動とか、 その他のことにも集中できるようになるね。

-それでは、3rdアルバムについて聞かせてください。 現時点で、アルバムのタイトルは一般に発表されていないのですが、ギリギリまでは発表しないでおこうという意向があるのですか?あなたの中で既にタイトルは決まっているのでしょうか?

タイトルは決めたよ。『This Is Happening』さ。俺たちのバンドメンバーでいつも合言葉のように使っている、あえてわかりやすいタイトルにしたよ。別にギリギリまで発表しないでおこうって思ってたわけではなくて・・・、最後の最後まで、たまたま決まらなかったんだ。

-全曲において、Jamesが作曲もプロデュースも行ったということですが、この3rdアルバムを製作するにあたって、 どのような気持ちで曲作りに取り組みましたか?

これは今でも難しいね。信じられないと思うけど、凄くナーバスになるんだ。一人で作っているからこそ、なんとでもなるというフリーダムに苛まれる事が凄く多くて。物凄く集中しないと駄目なんだ。その上で、他のプレーヤーと納得いくものを作らないといけないからな。

-アルバムの製作は、LAのThe Manshunと、NYのDFA Studiosで録音を行ったということですが、オフィシャルサイトのトップページのクリップは、 LAのThe Manshunでのレコーディング時の模様ですよね。プールが付いていたりして、とてもリラックス出来そうな場所ですね。 レコーディング時はどのような生活をしていましたか?ひたすら根を詰めて音楽に集中していましたか? もしくは、お酒を飲んだり、夜は遊びに行ったりなど、適度に息抜きをしていましたか?

もちろんさ。自由に好き勝手にやってたよ。ここだけの話、締め切りがあってないようなものだったからね。常に仲間や友達が入れ替わりやってきて 、食事してはジャムって、ワークアウトもしてたしさ。凄く有意義な時間だったよ。

-『This Is Happening』を全て通して聴かせていただきました。まず、長尺の曲が増えたなぁと思いました。アルバムのコンセプトとして、長めの曲をじっくり 聴かせたいという意図があったのでしょうか?それとも自然発生的にそうなったのですか?

うん、確かに今作は長い曲が多いけど、それは決して今回に限ったことではないからね。でも今回のアルバムには色々なタイプの曲が収録されている。 長い曲で言えば6分を優に超える曲だってあるし。イントロとアウトロが先に出来て、フックを後から付け加えた曲とかもあるしね。

-そして、感覚的な言い方になってしまって恐縮なのですが、今までのLCDの音楽は、ビートが歌を先導していく感じがしたのですが、 今作では、歌がビートを先導しているような印象を受けたんです。Jamesの中で、“歌”への重点の置き方が変わったのかな?と思ったのですが、 いかがでしょうか?

うーん、どうだろ。そんなことはないと思うけど。でも今回の方が歌は多いかも知れない。意識してそうしたわけではないけど。