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THE SHINSが前作『Wincing the Night Away』が米ビルボード初登場2位を記録した以来、5年振り4作目のアルバム『Port Of Morrow』の日本盤が3月21日(予定)にリリース!

2012.01.10 23:53

THE SHINSが前作『Wincing the Night Away』が米ビルボード初登場2位を記録した以来、5年振り4作目のアルバム『Port Of Morrow』の日本盤が3月21日(予定)にリリース!

今日のポップ界でもっとも才能あるソング・ライターとして注目されているJames Mercerが、ポップ・ソングを探求するサイド・プロジェクトとして1996年に結成したザ・シンズは、デビュー・アルバム『Oh, Inverted World』をリリースして以来、哀愁感漂う甘いメロディ、巧みな歌詞、無駄をそぎ落としながらも磨き上げられたバンド・サウンドが評価され、インディ・ロック・シーンで最も注目されるバンドとなった。

2000年にサブ・ポップと契約したザ・シンズの楽曲は、数々の映画やテレビ番組でも使用され、サード・アルバム『Wincing The Night Away』は、2008年にグラミー賞『最優秀オルタナティヴ・アルバム』部門にノミネートされるなど、インディ・ロック・シーンの範疇を超え、メイン・ストリームからも賞賛される存在となった。前作辺りから殆どの楽器を一人で演奏し、プロダクションも行うようになったMercerは、2005年からGnarls Barkleyなどの活動で知られるDANGER MOUSEとのコラボレーション・プロジェクト、BROKEN BELLSを結成し、DANGER MOUSEのヒップホップ・マナーのプロダクションとMercerの極上のメロディが融合したサウンドは数々のヒットを生んだ。

2008年にサブ・ポップとの契約を終え、最新作『Port Of Morrow』はMercer自身のレーベル Aural Apothecaryとソニー・ミュージック(Columbia)からのリリースとなるが、作曲も楽器の演奏も殆どMercerが一人で行った事実上のソロ・アルバムだ。2011年12月にロサンジェルスで老舗のシアターLargoで行われた新曲お披露目ライヴで披露された7曲を聴いた限り、更にMercerのアンセミックなメロディ・センスに磨きがかかっており、幅広いオーディエンスに訴えかけるサウンドの作品に仕上がっている。Mercerはたびたびバンド・メンバーを変更することで知られているが、今作のツアー・メンバーは日系人とも思えるベーシストのYuuki Matthews、紅一点のリード・ギターのJessica Dobson、キーボードのRichard Swift、そして終始クールにプレイするドラマーのJoe the Plumber。

このライヴで披露された新作からのファースト・シングル『Simple Song』は、Mercerが多大な影響を受けたTHE BEACH BOYSのメロディやギター・サウンドを彷彿とさせながらも、Mercerにしか成し得ない耳にいつまでも残る歌詞と、突き抜けたポップ感がコーラスに表れており、早くもヒットになることを予感。”頭がおかしい男性と恋に落ちてしまう女性についての曲だ”とMercerが語っていた「Bait And Switch」は、Mercerらしい悲しげなメロディとバンドのグルーヴ感が印象的。 Mercerは、胸を引き裂くような切ないメロディを得意としているが、 「Rifle’s Spiral」 や「It”s Only Life」にその才能が遺憾なく発揮されていた。これまでの作品であまり聴くことがなかった西部劇を思わせるトレモロ・ギター・サウンドやシンセのエレクトロニクスも数曲に散りばめられており、更に新作への期待を膨らませるライヴとなった。

新バンドの一体感も素晴らしく、ファンはツアーを逃さないほうがいいだろう。長年Mercerを応援しているファン、そしてBROKEN BELLSをきっかけにMercerの存在を知ったファンにとっても、『Port of Morrow』は必聴の作品となるだろう。


レポート/文 Hashim Bharoocha


THE SHINS/Port Of Morrow
レーベル:US Columbia/Aural Apothecary(=耳の薬剤師)
発売日:国内盤2012年3月21日(予) (US: 3/20予)
CD : 2,510円(税込)
◎日本盤のみボーナス・トラック収録予定


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