[GEKIROCK CLOTHING Presents"WEAR THE MUSIC"DAY2]

Japanese

[GEKIROCK CLOTHING Presents"WEAR THE MUSIC"DAY2]

Skream! マガジン 2024年07月号掲載

点染テンセイ少女。

2024.06.02 ＠渋谷WOMB

Writer : 西平歩由、長澤智典　Photographer：Kanda Yukiya／濱谷幸江／川野晴都／セキグチ／夢見るサトシ

イベントも後半戦へ。LOUNGEステージに現れたGenesis Girlが観客たちを煽るのに合わせて、フロア中から拳や声が上がれば、一緒にヘドバンに興じる様も誕生。荒ぶる楽曲にノり、気合満載でオラオラと煽りながらも、サビではキャッチーな表情を見せて興奮するオーディエンスの心を掴むなど、Genesis Girlはこの空間に狂熱のユートピアを描き出していった。

メイン・ステージにはEMPATHYが登場。彼女たちは、冒頭からバキバキのラウドなダンス・ロック・ナンバーを叩きつけ、会場いっぱいの観客たちのストッパーをぶっ壊す。時には激エモな楽曲を通して気持ちをジワジワと上げる様も見せるが、暴れ騒ぐのがこの場のルールと言わんばかりに、感情をかき立てる荒々しい姿を見せていった。

一方LOUNGEステージにはMAD JAMIEが。舞台の上をたったひとりで占拠した感情線あくびが、闘争心を煽るパンキッシュな楽曲に合わせ、身体を前のめりにフロアへ挑み掛かっていた。集まった人たちの闘争心をかき立てるその姿こそ、まさにMAD JAMIEのパンクイズム。一度高まったエナジーを一切緩めることないどころか、感情をどんどんトゲトゲにしながら、暴れ騒ぐオーディエンスと気持ちをバチバチにぶつけ合っていった。

魂を揺さぶる衝撃で攻めるAIBECKの姿に昂り、共鳴を覚えた観客たちが拳を上げ、声を張り上げるメイン・フロア。お馴染み「OLEOLEO」では、メンバーとオーディエンスが"オレオレオオレオレオ"と一緒に歌いながら、大きな大きな絶叫のハーモニーを描き出す。気迫を武器に、オーディエンスを攻め続けるメンバーたち。凄まじいロックのインパクトが、嬉しいくらいに戦意をかき立てる。ここには熱気を貪欲に貪る光景があった。

LOUNGEステージでは、魔法少女になり隊の火寺バジルがDJとしてプレイ。選曲に、キュート、ガーリーな女性ヴォーカル・ナンバーの数々を並べていたのも嬉しい。DJブースに向かって観客たちが並び、次々と流れ出す楽曲に合わせ、まるでライヴをしているかのように身体を激しく折り畳み、声を荒らげ、時には沸き立つ姿を見せていた。

白い衣装姿のLEIWANが出てきたメイン・ステージ。最初から彼女たちは活力に溢れた姿で聴き手の理性をふっ飛ばし、暴走させる。その場に広がっていたのは、"白い暴動"と呼ぶに相応しい景色だった。とっくに場内はグチャグチャだ。でも、暴動を起こしたようなその景色こそが、LEIWANのライヴに似合うのも事実。強烈なリズムを打ち鳴らすラウドなダンス・ロックをもって、この会場に"白い革命"を起こしていった。

AZATOYはLOUNGEステージに終始"かわいい"をアピール。ハートを甘えた気分に染めあげるダンス・ポップ・チューンの数々を通して、オーディエンスをメロメロにしてゆく。その"甘い衝撃"こそがAZATOYの真骨頂。彼女たちはこの場に、現実を忘れた、とろけるような熱い楽園を作りあげていった。

DJおりみこと、声優の西本りみ。彼女が所属するPoppin'Partyの楽曲を挟み、観ている者の思いに応えるのはもちろん、前半にはラウド系の激ロック・ナンバーを次々と並べ、中盤にはヴィジュアル系の曲を撃ち放ち、フロア中の人たちのハートを射抜こうとしたところにも、DJおりみらしさを感じた。

点染テンセイ少女。がパフォーマンスしていたLOUNGEステージ。彼女たちはわちゃわちゃとかわいいパワーをフルテンにしながら、舞台の上ではしゃいでいた。メンバーらが愛らしくもエモさを持って迫るたびに、場内から"お前が一番"コールやガチ恋口上が飛び交い出す。メンバーと観客たちが、同じように気持ちのチューニングを合わせ、互いに"愛してる"思いを交わし、分かちあっていた。

メイン・ステージには、きゅるりんってしてみてがお出ましだ。彼女たちも、甘いフェロモンを放つように"かわいい刺激"を届けてきた。4人が乙女心たっぷりに甘い仕種を見せるたび、ドキドキとした心臓音が高鳴り限界を超える勢いに。この絶対的なときめきを生み出すのは罪作りだ。彼女たちが振りまくかわいいパワーに乗っかって、ずっと胸キュンのワンダーランドの中にいたかった。

LOUNGEステージには、戦国アニマル極楽浄土がいた。雅な要素を魅力にした彼女たちの武器である、和ダンスや激烈な音色をまぶした楽曲で、この場に華やかでカラフルな宴の様を描き、可憐な歌声の花びらを舞い踊らせてゆく。しかし曲が進むにつれて、オーディエンスと剥き出しの魂と魂をぶつけ合う関係へ発展。彼女たちの華麗な歌声とパフォーマンス、感情の牙を露にバトルする様に、心がずっと虜になっていた。

メイン・ステージのラスト NANIMONOは、この場にいる人たちの心をカラフルに、パワフルに、ハッピーに染め上げる。7人が"まじむりまじむり"（「ジャージは戦闘服★」）と歌うたび、逆に身体中のやる気スイッチがONになり、パワーが漲り出す。彼女たちが放つネガティヴな言葉は、陰キャな心を陽キャに変えてゆく魔法の呪文のよう。いつしか場内の人たちがパリピに染め上がっていた。

LOUNGEステージのトリを飾ったのは、Finally。跳ねるロックは、その場にじっとしていることを許さない。だからフロア中の人たちがずっと声を張り上げ、腕を高く掲げ、飛び続けていた。6人と会場の人たちが一体化しシンガロングする様も、感情を揺さぶる嬉しい景色だ。この場に必要なのは、理性のスイッチを切り、感じるままに声を張り上げ、拳を突き上げること。それだけでメンバーらと心がひとつに溶け合い、熱狂というパーティーの中で勇者になれるのだから。

バンドやアイドル／ゲストDJのパフォーマンス、フロアの熱狂と共にゲキクロの10周年を盛大に祝福した[GEKIROCK CLOTHING Presents"WEAR THE MUSIC"]。この2日間を通じて感じた"ファッション"をきっかけに"音楽"と出会うことの素晴らしさや、"音楽を身に纏うこと"のときめき。数多くのブランド、アーティストと共に歩んできたゲキクロだからこそ届けられる楽しさを、これからも変わらず発信し続けてほしい。