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LIVE REPORT

Overseas

THE PRODIGY WARRIOR'S DANCE FEST

2009.09.20 @幕張メッセ

Writer 杉浦 薫


元DEATH FROM ABOVE 1979のJesse F. KeelerとAL-Pによるエレクトロ・デュオMSTRKRFT。拳のジャケットがインパクト大で、様々なアーティストとコラボレーションしているセカンド・アルバム『Fist Of God』は、筆者の09年ベスト10に入る作品。彼らのライヴは何年か前のSUMMER SONICで観ていたので、今日も絶対に楽しくなる予感がした。

しかし、ライヴ開始の少し前になってもお客さんの数はあまり多いとは言えない。彼らのステージはメイン・ステージの隣にある小さなサブ・ステージなのだが、音響面においては非常に残念だった。何故なら、音が一つのスピーカーからしか流れていないし、音量的にも小さめだから。

そして、エレクトロ・アーティスト主体のフェスティバルにしては全体的に照明が寂しく、踊っているこちら側に照明があまり届いてこないのも残念。しかし、ライヴが始まってしまえば、ただ踊るのみ!

二人が登場すると大きな歓声が。ライヴ仕様ということでか、オリジナルよりも少し速めのBPMで攻めてくる。BPM130前後だろうか。ロックっぽいリフの曲から、『Fist Of God』に収録されている「Vuvuvu」や「Bounce」まで畳み掛けてくる。とにかく、音の数が多く、分厚い音圧。元々はハードコアやメタルの要素があるバンドをやっていたからこそのアプローチ。途中、JUSTICEの「D.A.N.C.E」のリミックスから、DAFT PUNKへ持っていく。このように大ネタを大々的に使い、エレクトロ初心者にも優しい選曲をしてくれているのだが、いやらしさは微塵も感じない。そしてJohn Legendとコラボレートした「Heartbreaker」から、なんとQUEENの「Bohemian Rhapsody」でクローズ。これはリミックスではなく、完全なオリジナル・ヴァージョン。彼らの30分間のDJは、正にこの曲をかける為にあったかのよう。この“Warrior’s Dance Festival”の中で、一番、圧倒的に感動した場面だった。

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