Japanese
2026年02月号掲載
HALFBY
-VELLUDOのリリースの際に沖野(俊太郎/Vo/Gt)さんに取材をしたんですけど、ネオアコの精神性やサウンドを今も表現してるアルバムだというお話をされていて、タイミングとしてはめちゃくちゃ納得できます。
ほんとに。沖野さんにしろ小山田君にしろ何度もその時代の音楽に対峙してると思うので、このタイミングだからHALFBYの音源に参加するのもアリだったのかなという感じもして、感慨深くもあります。
-そしてミュージシャンとしてのキャリアや年齢は全然違うんですけど、Ålborg(オールボー)のMiya(Acousitc Gt/Vo)さんも参加しています(「Between Them feat. MIYA (Ålborg)」)。今回に限らず、HALFBYの音楽には"カクバリズム"のアーティスト参加が多いですよね。
(笑)そうなんですよね。"カクバリズム"には本当にお世話になっていまして。日本のアーティストにあまり詳しくないんですけど、この人いいな"と思うと"カクバリズム"のアーティストだったりするので、角張 渉("カクバリズム"代表)君のアンテナにはいつも頭が下がります。
Ålborg自体は知っていたんですが、TOWA TEIさんの2025年に出たアルバム『AH!!』にMiyaさんがヴォーカルで参加されてる曲(「WELCOME RAIN (feat. シャッポ & MIYA (Ålborg))」)を聴いて、すぐオファーしたんです。Miyaさんは英詞でしか作曲したことがないらしくて、僕も洋楽をイメージして曲を作っていたので、それはバッチリですとなりました。Miyaさんのお友達をはじめ、周りの友人たちからもかっこいい曲! と言ってもらえていいコラボレーションになったなと自負しています。信頼しているレーベルの後輩 tiger baeによるリミックスを収録した7インチを2月にリリースするので、そちらもぜひ聴いてもらえると。
-いいですよね。小山田さんもいればÅlborgのヴォーカリストもいるという。
ね(笑)。そこが自分の目線では一緒というか、より個人的な好みに向かって参加アーティストを決めることが、イメージにあったアルバム制作へと繋がると思ってお誘いしています。
-懐かしさの部分でいうと、Dante Elephanteをフィーチャーした「I Pawned It」にはちょっとヴィンテージな感じもあります。
そうですね。Dante Elephanteは、もともと爽やかなギター・バンドだったんですが、2021年にリリースされた『Mid-Century Modern Romance』というアルバムから実質ソロ・ユニットになったようで、そのアルバムのレコードを買ってすぐにオファーしたんです。Eydie GorméとLOS PANCHOSが好きなお婆さんの影響や、チカーノ・ソウル新世代としても評価されたこのアルバムは、ジャケットのアートワークから何もかもが最高すぎました。当然Instagramもフォローして(笑)。
今はInstagramでその人の日常も垣間見れるじゃないですか。アメリカ南部のサンタバーバラという街で、友人と小さなスタジオを経営しながらレストランやバーなんかでDJしている様子を見て、自分にも似ている感覚を抱いたというか。楽しそうにSTEELY DANなんかをもちろんレコードで掛けていて(笑)。音源が完成するまで半年程かかりましたが、それもアメリカ的という感じで楽しかったです。
-ラストのインスト曲「Twilight Tone」は、不安なまま踊り続けるような、ある種の今っぽさを感じました。
ハハハ! 浮遊感的な? まぁそうですね、ギターのフレーズがわりと浮遊してますかね。あれはわりとハウス然としたものを目指したんです。今まではスローモー的なBPM115くらいのライトでイージーなムードで止めていたというか、今回は初めて120ぐらいあって。ある程度速い。ハワイ回帰的な余韻も残す意味でハワイアンなイントロを付けたり、全体的にはバレアリックで90'sアーリー・ハウスな雰囲気にして。別にまたハワイに戻るってことではないんですけど、あくまでイージーリスニング的な視点で、華やかなエンディングもいいのかなーと、自然とラストに収まりました。
-90年代っていうテーマがありつつ、当たり前なんですが現代のものになっているんですよね。
その感想はありがたいですね。リリースが2025年だったんだなっていう感覚は必要で。インターネットやサブスクリプションの普及もあり、リアルタイムで情報シェアが当たり前の時代で、世界の様々なバンドの音楽性や技術も一気に洗練されたと思うんですね。音楽の標準化が進む等、土着的要素が薄まったりマイナス面もあるなかで、アジア諸国の音楽等もインディーであってもローファイではないことで、より多くのリスナーを獲得したわけで。自分のアルバムも違和感は持たせつつ、それらと並列で聴いてもらえるようなものにするのは1つの課題でした。90年代風でありながら、しっかりと音像はアップデートされているというところは強く意識して。
-情報だけでなく、センスと技術の格差もないですからね。この話からちょっと離れることになるんですが、AI生成の楽曲は規制されつつあって。
(笑)ねぇ。
-とはいえAIで曲を作れる時代になってしまいましたけれど、そこに関して思われることはありますか。
それは個人的な好みでもあると思うんですけど、楽曲制作にあたってAIを積極的に取り入れたいという気持ちもまだない状態で。AIナレーションは使ってるんですけど(笑)。個人的にテクノロジー的なものを常に更新していくタイプではないっていうところもあると思うんですけど、現状はまだAIが作った音楽に魅力を感じないというか、なんだか大袈裟に聴こえてしまって。説明しづらいですけど、まあこれはある種J-POPにも言えることだったりしますが、深夜の通販番組みたいというか。例えば指示出しがBrian Enoとかになってくるとまた話は違うと思うんですが。そういう特化した精度やセンスを反映した作品もすでに出てきてるようですので。
でもやっぱり自分はヒューマン・エラー的なものに魅力を感じてしまう人間なので、簡易的なAI作曲に関してはまだまだ興味がなく、ゲームみたいな感じでは捉えてますけどね。
-たしかに、いくらすごいプロトコル職人が出てきても限界がありますね。
そのあたりはある程度差別化したいとは思っていますが、サブスクのアルゴリズムはよく使うんですよ。Spotifyの"スマートシャッフル"を走らせると、再生回数に関係なく自分の好みの音源を的確に紹介してくれるのでいつも驚かされるんですけど、それと同時にレコードを買う行為も続けるようにしていて。コレクターみたいな感覚とは全く別なんですけど。これについては小山田君に質問したときにも同じようなことを言っていて、レコード屋に足を運んで気分でレコードを買うことを、サブスクのカウンターとして続けているみたいな。なので、僕も最近はレコード屋に行くこと自体が改めて楽しくなっています。そういうことが、音楽との距離感を現代的に最適化してくれるというか。まぁAIに限らずですが、デジタル社会に翻弄されず、日常を丁寧に過ごしながら制作を続けることが、今は大事なんじゃないかなと感じています。
RELEASE INFORMATION
HALFBY
NEW ALBUM
『The Sound Of Memory Lane』
NOW ON SALE

[HALFBY]
配信リンク
RELEASE INFO
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