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INTERVIEW

Japanese

Caity

 

Caity

Interviewer:吉羽 さおり

教室とか自分の机とか、自分の居心地のいい場所がなくなっちゃうんだと思うと寂しい


-Caityさんは日本とイギリスにルーツがありますが、イギリスの音楽、UKロックに触れるようなことっていうのはあったんですか。

父はTHE BEATLESやOASISが大好きで、よくおすすめされているんですけど、自分でカバーしたりすることはあまりなかったですね。ずっと日本で育ってきているので、耳に入ってくるのはJ-POPが多かったです。

-中学時代にギターを始めたときに、周りの友人たちはCaityさんがギターを弾いたり、歌ったりしていたことは知っていたんですか。

あまり周りには言ってなかったですね。TikTokがバズったりオーディション番組に出たりするようになって、みんなが知るようになったという感じです。

-あまり自分から"こういうことをやってるんだ"って言うようなタイプでもなかった感じ?

なかったと思いますね。自分が楽しくてやっていたことだったので、特に話すことではなかったというか。

-友達とバンドをやりたい、とかもなかったですか。

自分以外に音楽をやっている人が少なかったので、ギターとかベース、ドラムというのはなかなかいなくて、仲間がいなかったんですけど、中学のときにドラムをやっている友人がいたので、ちょっと一緒にやってみたりはしましたね。あとは地域の、音楽をやっている方たちと一緒にやるみたいなことが多かったです(笑)。ライヴハウスみたいなところに"今日、行っていいですか"、"いいよ~"という感じで遊びに行ったり、ギターを教えてもらったりして。あとは、天草ってなかなかプロの方がライヴに来てくれることが少ないんですけど、ジャズのシンガーが来るよということで招待してもらって行ったときに、初めて目の前でプロの方が歌っているのを観て圧倒されましたね。

-自分でも、もっといろんな人の前でやってみたい思いが芽生えたりも?

そうですね、中学生くらいから地域の小さなイベントに呼んでいただいたりしていました。楽しかったんですよね。緊張もするんですけど、歌えば大丈夫というか。

-では、こうしてメジャー・デビューが決まったときは、どうでしたか。

嬉しかったんですけど、実感がないというか。今でも"ほんとに!?"っていうくらい、信じられなくて。メジャー・デビューするってすごく大きなことじゃないですか。だからソワソワしてます。

-いつかデビューしたいという気持ちは持っていたんですか。

ありました。中学生のときにオーディションに出て、そこから上京するとなって。音楽を軸に人生が動いている感じがして、そこからデビューしたい気持ちは大きくなりました。

-それでは改めて、そのメジャー・デビュー曲となる「女子高生じゃなくなる日」について、テーマありきでスタートしたということですが、どんな感じでできていったんですか。

これはまず歌詞で、友達にもたくさん話を聞いて"女子高生あるある"を集めました(笑)。1番のBメロに出てくるBeRealの話は、実際友達とカフェにいたときに、その子が気になる人のBeRealのリアクションに出てくる人を見て肩を落としていたっていうことからだったり。2番にある"先生達との鬼ごっこ"は、私の学校では制服のリボンをちゃんとしていないと怒られるんですけど、隣のクラスの子たちがリボンをゆるめていてよく先生に追いかけられていたりして。それを見ながら、これ面白いなと思って書いたり。

-Caityさんは制服のことで怒られることは?

私は先生が来る前にピッとリボンを上げていたので、上手くやっていました(笑)。

-(笑)そういう高校時代のエピソードや友達とのリアルな日常が曲に織り込まれているんですね。

歌いながらもいろんなシーンが思い浮かびますし、この曲は完成も早かったかもしれないです。

-曲ができて、歌えば歌う程卒業するんだなとか、みんな次に進んでいくんだなっていう気持ちが湧き上がってきそうですね。

高校を卒業したらそれぞれ進学先も違うしバラバラになるじゃないですか。教室とか、自分の机とか椅子とか、自分の居場所と呼べるもの、居心地のいい場所が完全になくなっちゃうんだと思うと寂しいですね。

-ここから先ってこれまでと違って、大人への1歩という感じですもんね。この曲や制作の背景を聞くと、充実した高校生活だったんだなと伝わってきます。

はい、充実していたと思います。いいことばかりじゃなかったですけど、最後は良かったねって言って終われるんじゃないかなと。

-自分のマインドとしても、物事を前向きに考えられるようなタイプですか。

そんなことはないんです。ポジティヴな面もありますけど、どちらかというとネガティヴなほうじゃないかと思います。音楽に励まされることも多かったですし。

-音楽に励まされてきたなかでもターニング・ポイントになった曲、大事な1曲だったなというものを挙げるとしたら、どんな曲が浮かびますか。

あいみょんの「ひかりもの」という曲に一番影響を受けました。何か直接的なきっかけがあったわけではなかったんですけど、ちょうど高2に上がる前くらいに、学校が全然好きじゃなくて。熊本から上京してきたときに抱いていた自分の期待感とか理想と、現実とのギャップに落ち込んじゃったりしたことがあったんです。そのときに「ひかりもの」という曲に出会って、すごく励まされました。自分でもたくさんカバーして、たくさん歌って。

-そういうときもあったんですね。

音楽はもちろん、家族や友達とか、周りの人がアドバイスをくれたりもして。結果的に全部自分で選んできたんですけど、その答えに導いてくれた人には今すごく感謝してます。

-これからはCaityさんの音楽、歌にたくさんのリスナーが出会っていくことになりますが、シンガー・ソングライターとしてはここからどのようなヴィジョンを描いていますか。

今は、もっとたくさん曲を書いていきたいなということと、これから大学に進学して新しい環境になるので、そこで苦しむこともあれば、いい出会いもあると思うので、そういうことも曲に昇華できるようにしていきたいと思っています。

-今、目標となるような、理想的なアーティスト像はありますか。

具体的な人はいないんですけど、Taylor Swiftみたいな芯のある強い人、ちゃんと自分の意思がある人に憧れますね。

-ライヴをする機会も増えていくと思いますし、これからの活動が楽しみですね。

ライヴもたくさんやっていきたいです。ステージに立つ前、歌い始めるまでは緊張しちゃうし、MCも苦手なので想像するだけでもビクビクしちゃうんですけど(笑)、始まってしまえばすごく楽しいので。どんどんチャレンジしていきたいです。