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INTERVIEW

Japanese

LUCY IN THE ROOM

2023年11月号掲載

LUCY IN THE ROOM

Member:Kohei(Vo) mii(Key) ROKU(Gt) 近藤 翔太(Ba) キワム(Dr)

Interviewer:石角 友香

ロックを軸にジャズ、ソウル、シティ・ポップなどの要素を楽曲の世界観ごとに落とし込み、独自のポップ・ミュージックに昇華する横浜発シティ・ロック・バンド、LUCY IN THE ROOM。2019年の初リリース以降、コンスタントに作品を重ねてきた彼らが10月に最新シングル『Flowered』をリリースした。これまでになく80'sのムードも漂うテクノポップ感を融合させた表題曲や、ジャズのスウィングを取り入れ、情景の変化をアレンジでも体感させる「夕立雨」を収録した同シングル。ジャンルが細分化する現在、気軽に様々なトレンドに触れられる作曲能力を誇るこのバンドのポテンシャルはかなり高そうだ。

-初めに、LUCY IN THE ROOMの現在の活動を教えていただけますか。

mii:今年は制作中心で活動してたので、レコーディングを頻繁に行っていて。3月に「ものがたり」と「シンメトリー」っていう曲が入ってるシングル(『ものがたり』)をパッケージでリリースしてます。10月4日にも『Flowered』っていうシングルをリリースしていて、そちらは「Flowered」と「夕立雨」と2曲のインストが入ってるパッケージですね。あとは4月からFM AICHIさんで"LUCY IN THE ROOM らじるーむ"っていう番組をレギュラーで持たせていただいて、毎週月曜日の夜 8時30分から9時までの番組をやらせてもらってます。他にも、自分たちのファンクラブ("club LUCY")ができまして、10月14日にファンクラブ・イベント("FAN CLUB EVENT『club LUCY』")みたいな形でライヴを行っていて、今後はまたライヴ活動もやっていくっていう形になってます。

-新曲「Flowered」は、これまでファンクだったりフュージョンっぽさもあったりするようなサウンドからさらに広がってきたのかなと思いました。今年のバンドのヴィジョンはどんなものだったんですか?

Kohei:2021年とか2020年に出した曲はたしかにジャズやファンク、フュージョンの影響が大きかったりするんですけど、我々"Happinet Music"っていうレーベルに移籍してから、例えば「ものがたり」だとポップな感じだったり、今回の「Flowered」だったらちょっとテクノな感じの楽曲をリリースしているんですけど、どのジャンルの曲に関してもバンドの特徴として、歌詞が洗練されたものというか、文学的な表現がいっぱいあったり、逆にストレートな詞もあったり、いろんな感情に寄り添える曲があるので、そこが僕らの強みだと思ってます。

-そもそもバンドが表現したいことに沿った楽曲を作るっていう?

mii:たしかに今のレーベル所属して、今年から音楽的にもサウンド・プロデューサーがついていただいたりして、歌詞だけじゃなくて音楽的にも洗練されているとは思うので、今までよりももっと広い人に届けるためにというか、もっとメジャー感を持って活動していきたい、みたいなヴィジョンは持ってやってましたね。

-これまでも幅の広い作品をリリースされてきたので、どんな野心を持ったバンドなのかなっていうのを知りたかったんですよね。

近藤:今までは自分たちのやりたいことっていうか、それぞれが好きな音楽だったり影響を受けた音楽っていうものを、LUCY IN THE ROOMなりにアレンジして作品にして出すことが多かったんですけど、さっきmiiが言った通り、まさしく「ものがたり」からは聴く人に寄り添えるような曲を作るっていうのが強くなったかなと思います。今までももちろんそういう考えではいたんですけど、もっといろんな人に聴いてほしいなという思いは今回の曲では重視してますね。そこが大きいかなと思います。

-今回は「Flowered」と「夕立雨」の入ったシングルについておうかがいしていくんですけれども、今年の第2弾シングルとしてどういうことを意識しましたか?

mii:「ものがたり」と「シンメトリー」が出ている段階だったので、またそれとは違ったアプローチの曲を出したいなっていうのはメンバーの中でもありまして。もちろんプロデューサーとも相談して決めてはいるんですけど、いろんなアレンジができるよっていうのをレーベル移籍後からも伝えていきたくて、ジャンルに括られないようにしたいみたいなのが根底にあるので、それも踏まえてまた新しい角度からアプローチした楽曲を選んだっていう感じですかね。

ROKU:作詞面からすると「夕立雨」っていうカップリングの曲の作詞をやったんですけど、リリースが夏あとっていうのが決まってたので、その季節をフィーチャーした歌詞を出したいということと、楽曲が決まってからというよりはこういう夏の恋愛モノをテーマにした楽曲をこの時期にリリースしたいなと考えてて。で、選ばれた楽曲がちょうどそのテーマと合ってたので、カップリングのほうをそういう感じにしました。

-そもそもLUCY IN THE ROOMの曲作りの手法って、誰かが曲のネタを持ってくる感じですか?

ROKU:そうですね。ドラム以外の4人が作曲プラス作詞ができるメンバーなんですけど、基本的には曲先行で、メンバーの中で共有して、進められるところから作業をしていって1曲できて、っていう進め方で。作詞と作曲のメンバーが違ったり、曲によって組み合わせが違ったりするのですが、そこはメンバーの得意分野とかの兼ね合いでやってる感じなので、基本共作って感じです。

近藤:もとを結構投げ合うっていうか、軽い感じで"これどう? これどう?"って個人で作ったものを投げていって、その中で誰かが引き継いでもっと良くしたりだとか、"これはこれですごいいい曲だね"ってなったら候補としてデモ曲の中に入れていくっていう感じです。それで曲が決まってから全員でアレンジを加えていく形で作曲を進めてます。

-LUCY(IN THE ROOM)は5人中4人が作詞作曲できるのが強みだと思います。

キワム:自分は書かないんですけど、ドラムの役割について理解しようとすると、やっぱその曲の個性をかなり左右するというか、雰囲気はドラムに責任があるというか、そういう思いでやってて。僕は貰ったデモに対して音楽的ってよりは、その人がどういう感じなのかっていう、想いをできるだけ汲み取って、それをビートや曲の雰囲気に落とし込むっていうことを工夫してます。