Japanese
伊根
2023年10月号掲載
Interviewer:生田 大起
ポスト・ロックやエレクトロ要素を巧みに昇華したオルタナティヴな音楽性でボカロ・シーンを起点に、Ado、King & Princeをはじめとする名立たるアーティストへの楽曲提供でも日々存在感を増す伊根が、2ndアルバム『High-Pressure AR』をリリースする。本作は、前作『Direct-View AR』(2022年リリースの1stアルバム)に引き続き、自身が執筆するWEB小説"DiVAR"と相互に接続し合いながら深化を続けてきた物語の完結編。本稿ではそんな最新作のことや、ここまでのアーティスト活動について語ってもらった。
人間を書くために、あえてそれ以外の事実やストーリーを淡々と書いている
-Skream!初登場となります。まずは簡単な自己紹介をお願いします。
2020年頃からボカロPとして活動する傍ら、現在は自身のMVの映像制作やWEB小説の執筆などもしています。音楽に興味を持ったのは中学生くらいで、当時はバンプ(BUMP OF CHICKEN)とアジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)の2バンドを特に追い掛けてました。歌詞カードを友達に貸してあげるみたいな、それぐらいハマったアーティストといえばそのふたつですね。並行してボカロも好きだったので、行き来していた記憶があります。
-創作活動において、音楽、動画、WEB小説はそれぞれどんな立ち位置ですか?
例えば、音楽とMVの場合だったら曲が先にあって、そこにこういう映像を合わせたらかっこいいかな? とか、世界観を模索して試行錯誤してます。やりたいことを1本通していて、それに沿って創作しているように見られることもあるんですけど、そうじゃないことのほうが多いですね。ただ、そう見えるようにするのが好きなのかもしれないです。ある意味こじつけというか(笑)。WEB小説なんかは特に、他と完全に分離することもできたはずなので。
-作品が行きたがる方向にある程度は任せてあげるところが、伊根さんの作品ならではの魅力に繋がっているのかなと。
どうでしょうね? 結果的にそうなってしまうというか。例えば作曲に着手する前にテーマやキーワード、モチーフとか、先に設計書みたいな感じで洗い出したりもしてみるんですが、あんまりその計画通りにはいかないことがよくあって。小説の執筆も、初期段階では結末や道筋は決まってないけど、でも"ここだけはやりたいな"というポイントがあって、書きながらそこに近づけていくパターンがほとんどですね。その過程でどう表現するかは、作品の行きたがる方向に任せていいのかなと考えています。
-伊根さんの作品は、例えば"ヴァリス"や"ニューロマンサー"といったSF小説のような、メタ的な仕掛けが多いと感じました。人の五感みたいなところが、創作のテーマの中心だったりするのでしょうか?
その通りです。たぶん無機質と人間性の対比みたいなものが好きで、その境界として五感を扱ってるんだと思います。例えばSF映画なら、作中のストーリーや謎はまったくもって人間的じゃないというか、シーケンシャルな筋書きであって無機的なもの。そこに受け手として登場人物や視聴者が介在して、ラスト・シーンではひと言では表現できない感覚になるような、そんなときの人間の心の動きを描きたいのかもしれないです。人間の感情を直接的に歌詞で表現するのが苦手なので、人間を書くために、あえてそれ以外の事実やストーリーを淡々と書いている面もあります。間接的に"こういうときはどう感じる?"っていう課題を発掘しているみたいなところがある気がします。例えば"AIが意識を持つかどうかを検証できない"という無機質なトピックを通じて"人に意識があると言えるのはなぜだろう?"と怖がる、慈しむみたいな、逆説的アプローチはしがちですね。
-人の思考の構造的なところに着眼しているところがまさにSFっぽいですよね。映画から影響を受けたりはしますか?
そうですね。ちょっと時期によって今これだなっていうのが変わったりはするんですけど、ずっとSFは好きでした。"全部やられた......"みたいな感覚があったのは"インターステラー"ですかね。今も創作のベースになっていると思います。
-"サイエンス・フィクション"って言ってるのにサイエンス側に影響しちゃうくらいのプロットでしたもんね、あれは。
"サイエンスとフィクションのどちらが先立つかなんて別にどっちでもいいでしょ?"って言われたようで、人間の大きな可能性を感じました。後半のクライマックスで裏切られるシーンがあるんですよね。感情が置いていかれたまま高揚だけはわかるというか、あの感覚はなかなか味わったことないですね。
-伊根さんの作るものって、"インターステラー"で言う地球側の黄昏感的な雰囲気があるように感じます。音楽はどういうところからインスパイアされていますか? バンプとアジカンだけではないな、というのをすごく感じます。
ゲーム音楽や映画のサントラも聴きますし、中学校の頃、合唱で歌う曲のデモ音源みたいなものもiPodに入れていました(笑)。それぞれがどういうジャンル、歴史なのかはよく知らないまま聴いていたんですが、それぐらい隔てなく聴いていたような気がします。会社員時代には、MAN WITH A MISSIONや米津玄師さんは特に車でずっと流していました。
-癖のあるメロディ・ラインのアーティストさんが多い気がしますね。
かもしれないですね。車の中で歌ったりしてたので、そこでたぶんメロディの癖みたいなのはできたのかもしれないですね。
-それって何年前くらいですか?
活動する直前までなので、2020年よりちょっと前かな? 2015~16年くらいから約5年間ずっと通勤中に聴いてて。
-サブスクがある今ならジャンルを分け隔てなく聴くっていうのは珍しくなくなってききましたが、当時から幅広くアンテナを張れていたんですね。
そうですね、でも今は全然張れてない気がしますね。昔はめちゃくちゃいろいろ聴いていたなっていう印象です。
-ギターとベースに関してはご自身で弾きながらレコーディングに臨まれているとのことですが、プレイはどんなことから影響を受けていますか?
始めたての頃からある程度弾けるようになるまでの間にできた癖だと思います。最初は流行りの曲の譜面が載った音楽雑誌とかを親に買ってもらって、コピーしてるうちに途中から耳コピできるようになっていって。音選びはたぶんアジカンの『ワールド ワールド ワールド』というアルバムの曲にずっと影響されているような感じです(笑)。
-メロディとか弦楽器とかの使い方みたいなところは、バンド・サウンドが根底にありつつも独特なビート感も印象的です。
リズムについては3つあると思ってて、ボカロをよく聴いていたせいか結構リズム難な曲に触れる機会が多かったのがひとつ。あと、ポルカドットスティングレイのようなテレキャス、ストラトのカッティングがかっこいい曲が好みなうえ、テレキャス使いはボカロ・シーンでも好きだったので、刻みたくなりがちなのがふたつ目。3つ目は、ダブステップ、ブロステップ系を聴き込んでいた時期があって、"なんでそんなリズムなの?"みたいなのがあったりするんですよね。そのへんが混ざり合って今の形なのかもしれません。あとは、例えばリズムを打ち込んでいるときにドンタンドンタンだけだと単純に満足できなくて、差し引きも必要だよなと思いつつ、つい凝りだしちゃうみたいなところがあります。
-音楽以外からも、アイディアに繋がるような体験はありますか?
そうですね......ベースのひとつはさっき言ったSFですけど、これはちょっとニュアンスが違うかもしれないんですが、創作するときは何にしても構造を分析して引用するのが好きです。映画や本、会話中の気づきなどを分析して、再利用できないか考えたり。作詞なら言葉の韻や、ダブル・ミーニングを意識して作品をさらに根拠づけしたり、考察の余地を持たせるみたいな。WEB小説のキャラ名、作品タイトル、CDの手触り、デザイン......それぞれにどう意味持たせられるかな? って。常に根拠が欲しいというか、まぁ、こじつけですよね。テーマが五感に関わるっていうのも、その結果辿り着いた感じがします。点を近いところから線で繋げていって浮かび上がってくる構造に対して"このテーマがいいんじゃないかな?"みたいな。
-WEB小説の執筆と制作過程が似ていますね。
完全にそうですね。あんまりコントロールが利かないので、いい差し引きが必要だなとは思っているんですけど(笑)。
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