Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

ゴホウビ

2023年07月号掲載

ゴホウビ

Member:cody(Vo/Gt) スージー(Vo/Key) 405(Ba) むんちゃ(Dr/Cho)

Interviewer:藤坂 綾

最終的には全部愛せたら最高だよねという気持ちを込めて曲を書いてるんです


-7月5日にはシングル「なんぼのもんじゃい」がリリースとなります。

スージー:私たち、"豆腐メンタル4人組"って自分たちのことを言っていて、それぞれが臆病な部分や弱さを抱えている4人なんですけど、あえてそういう部分を曲に盛り込んで歌うことによって、最終的には全部愛せたら最高だよねという気持ちを込めて曲を書いてるんです。この曲は夏リリースなので、"豆腐メンタルなりの夏らしい曲とは?"と考えたとき、あまりうじうじした結論にはしたくないけど、ただはっちゃけて"いぇーい!"っていうものにもしたくないなと思って。

-はい。

スージー:実はこの曲を作った当時、個人的にうじうじと悩んで、前に進めない時期だったんです。でも、前に進めない理由とか誰かを妬んだりうらやんだりするのって、結局は自分のちっちゃなプライドで、そういうものを自分自身が背負いこんでしまってるから動くことができないんだなって、顔を洗ってたとき鏡を見てはっと気づいて。"その小さいプライドっていったいなんなん?"、"なんぼのもんなん?"って、そこからできた曲なんです。だからここで言ってる"なんぼのもんじゃい"っていうのは、自分自身を鼓舞するために使っている言葉なんですね。豆腐メンタルを名乗るバンドが"なんぼのもんじゃい"って相当強めだと思うんですけど(笑)。

-たしかに、タイトル見たときはびっくりしました。

スージー:codyと私が広島出身なので歌詞の中で広島弁も使って、それをあえてこういう爽やかなサウンドに乗せることで、ギャップみたいなものも楽しんでいただけたらいいなと。

むんちゃ:私の中では"なんぼのもんじゃい"がよくわからなくて、スージーに"なんぼのもんじゃい"っていうのはこういうときのことを言うの? こういうときに使うの? って質問したら"全然違う"って。そこからいろいろな"なんぼのもんじゃい"を教えてもらって、あー、いろんな"なんぼのもんじゃい"があるんだなってことに気づいたんです。だから私にとってこの曲は、"なんぼのもんじゃい"ということを学んだ曲になりました。

スージー:あはははは。"どんな価値があるんだい?"みたいなことだってね。

むんちゃ:そうそう。

スージー:ある意味、開き直りとかそういうものをベースに演奏してとか、歌ってって私からはお願いしたので。

むんちゃ:だから、そういう気持ちでライヴでもやります。

スージー:へこたれそうになっても"なんぼのもんじゃい"とか、明るく笑い飛ばすみたいなメッセージでもあるので、明るい気持ちになれる曲なんじゃないかと思います。

405:開き直りとか、笑っちゃうっていうのを表現しようって4人で共有してから制作を始めて、それがそれぞれのプレイにもちゃんと出てるので、そういうはっちゃけ感とか、楽しくなっちゃう感じが伝われば嬉しいですね。

cody:"へたくそでいい 踊り出せよ今"っていう歌詞がすごくゴホウビらしいなと思って。へたくそでいいから、一緒に楽しもうぜ! って、ここは特に聴いてる人のことを思い浮かべながら歌うことができたな。

スージー:基本、生きるのがへたくそだからね。最近はダンスも上手に踊れる人が多いし。

cody:俺ら踊れんもんな、あんなにかっこよく。

スージー:ほんとに音楽やってる? みたいなステップだったりするからね。でも、自分流の踊りってイコール生き方だと思うから、周りからへたくそだって笑われても、自信を持って踊れたなら、それがその人自身だから、それでいいじゃんって。この曲を作って改めてそう思えた気がします。

-なるほど。11月2日には結成5周年を迎えられますが、この5年、振り返ってみていかがですか。

405:いろいろありましたね。活動してすぐコロナ禍になっちゃったし、いろんな悔しい想いもしたし、ライヴができるようになって良かったと思う瞬間もあったし、音楽に対する向き合い方とか、ゴホウビの音楽とは? という点で価値観も変わったりしたので、すごく貴重な期間だったなと思います。

スージー:数年前までの自分は、当たり前のように音楽で成功して、当たり前のようにデカいステージに立って、当たり前のように有名になるんだって思ってたんです。だから音楽をやめるなんてことは考えたこともなかったんですけど、コロナ禍を経て、続けることがどれだけ大変なことかを思い知らされました。でも、それがあったから今の活動がよりキラキラしてるのは事実だし、今を大事にし続けていくことで、ゴホウビがずっと続いていったら幸せだなって改めて思いました。だから、私にとっては学びの多い5年でしたね。

cody:この5年間、音楽をやれてるっていうことはすごくありがたいし、メンバーがいて、歌える時間があって、自分にとってご褒美と言える時間だったし、それは今も変わらないので、このまま続けていけたら嬉しいですね。

スージー:codyはね、ライヴができなかったとき、一番つらかったと思います。人に観てもらうことが好きだから、テンションめっちゃ下がってましたもん。

405:俺、1回cody呼び出して怒ったもんね。

スージー:なんて?

405:コロナ禍でモチベーション下がってるとき"飲みに行こうぜ"って、"最近のお前、魅力ないよ"、"もう1度俺たちに夢見せてくれよ"って言いました。そしたらちょっと変わってくれたんだけど、codyね、すぐ忘れるから(笑)。

スージー:メンバーの中でcodyが一番まっすぐなんですよ。まったくひねくれてないんで、そういう人の言葉がお客さんに届くんだなってライヴで横で見てていつも思うし、コロナ禍を経てからのパワーアップぶりはすごいですよ。普段はちょっと寡黙ですけど。

cody:ふふふ、はい(笑)。

-むんちゃさんはいかがです?

むんちゃ:体感2年くらいなんですけど、とにかくみんないい子なんです。"こんないい子たちとバンドがやれてるってすごくない?"っていつも思ってます。大きいところでライヴをやりたいとかそういうのは全然なくて、ただみんなとずっとやっていきたい。でも続けていくにはやらなきゃいけないこともいろいろ出てくるから、それはやらないとなって。やっていったら聴いてくれる人も増えていくと思うから。単純に好きなんですよ。ふたりの書く曲が好きだし、このバンドが好きだから、ゴホウビいいよねって一緒に思い合える人が増えるのが嬉しくて、それがどんどん広がればいいなって。ただ、私ほんとに豆腐なんで(笑)、私のことは見ないでくださいっていう気持ちなんですけど、それも受け入れつつ、責任感もちゃんと持ちつつ、いい曲はいい状態でみんなに聴いてほしいし、最高の状態でライヴで聴いてほしいから、これからも頑張るし、一生やりたいと思ってます。

-その5周年の日に、ワンマン・ライヴ"ゴホウビ 5th ANNIVERSARY ONEMAN LIVE ~GOHOBIRTH 2023~"が開催されます。

cody:初めての座席付きのホールなんで、いろんな見せ方もできるだろうし、いろんな楽しみ方もできるだろうし、5周年なんで、ゴホウビの5年間、集大成を思いっきり楽しんでもらえるものにしたいです。

スージー:"大事なワンマンだし、頑張ろう!"って気持ちももちろんあるんだけど、やっぱり前回のワンマンでも大事にしてた"ただいま"、"おかえり"を大事にしたくて。最近居酒屋で飲んでたとき、おばちゃんがひとりで来て、常連の方と一緒に飲んで"今日、仕事辞めたいって思うくらいしんどかったんやけど、ここでお酒飲んで、つまみ食べて、笑っただけで明日また頑張れるわ。ありがとう"ってお店を出て行ったんです。それを見て、あー、私たちもこういうライヴがやりたいんだって。しかも11月2日が木曜日で、それも木曜日の出来事だったんで"まさにこれや!"って。次の日金曜で仕事の人も多いだろうから、ふらっと遊びに来るみたいな感覚で来てもらって、パワーをチャージして帰れるような温かい空間を演出したいなと思っているので、あまり肩肘張らずに観に来ていただけたら嬉しいです。

405:周年ライヴと銘打ってるけど、僕にとってそれはあまり関係なくて。コロナ禍を経て、改めてライヴがどれだけ大事かってことがわかって、そういう1度しかない瞬間がどれだけありがたいことかということを実感したんで、毎回全力で向き合って、毎回ベストを更新していけるようなライヴにしたいですね。これからも続いていくライヴのひとつがこの日のライヴだと思ってるんで、11月2日時点での最高のゴホウビのライヴをしたいと思います。

むんちゃ:私は新曲いっぱいやりたいし、全曲やりたいくらいです。あとはシンちゃん(405)が言ってたように、11月2日の時点で一番最高のライヴをしたいので、そのときに一番いいものを出せるように頑張ります。