Japanese
近石 涼
Interviewer:吉羽 さおり
妬み僻みを超越して、誰も文句が言えなくなるくらいまで 自分が思うままにならないといけないと感じた
-一方では、弾き語りでライヴを始めるなど、動き出してもいたんですね。
そうですね。当時オリジナル曲を作って、"COMIN'KOBE16"というフェスのオーディションに出して、それが上手いこといって、毎年4万人くらい入るようなそのステージに立つことができたんです。それがシンガー・ソングライターとして動き始めた第1歩目でした。あれほどの人の前で、ひとりで歌った体験は、あれ以来ないかもしれないくらいです。そこからはライヴハウスでライヴをやりました。最初の頃は友達が来てくれるんですけど、何回もやっているうちになかなか難しくなって、1年ちょっとくらいでもう無理ってなりましたね。
-それが「ライブハウスブレイバー」という曲に描かれるんですね。それからまた立ち上がっていくまでは、結構しんどいなって感じになったんですか。
歌が好きで歌っていたのに、そこにどんどん責任みたいなものがのしかかってきて、歌いたくなくなってしまったんです。お金の面とか、そういうのもありますけど、シンプルに歌いたくなくて。ライヴが終わったあとに、ずっとライヴハウスの外に出て、気晴らしに歩いて、ベンチに座り込んで、わーっとなってるみたいな。これはもうダメやなって思って、そのあとに決まっていたライヴもキャンセルをさせてもらってという感じでした。
-それでも音楽への熱は冷めなかったと。
やっぱりやりたいというのはあったので。どんな方法で続けたらいいのかなって考えて、当時思いついたのがルーパー、ループ・マシーンやったんです。Ed Sheeranがやっているようなスタイルを初めて知って。一時期ルーパーを使って歌っていて、周りではあまりやっている人がいなかったので、ちょっと面白がってくれたところはありました。これが僕のスタイルなんやと思っていたんですけど、やっぱりルーパーだとリズムを一定に決められてしまう。僕自身はリズムを崩して歌いたい人なんで、そこにすごいギャップが生まれてしまって、結局、すぐにやめちゃいました。そうやって試行錯誤しながら続けていってましたね。
-9月にリリースとなった「兄弟 II」は、誰かに宛てた手紙のように思いを語り掛ける曲になりました。この曲ではエネルギーをまっすぐに放出するような「ライブハウスブレイバー」とはまた違う、アレンジの楽しさも味わえる華やかさがあります。
大学時代アカペラ・サークルで4年間を共にした人たちと、卒業前に作った曲が「兄弟」という曲やったんです。卒業をして数ヶ月経って、さみしい気持ちのピークになってまた早く会いたいなとか思いつつも、でもみんなは新社会人となったけれど、僕は音楽を志して言わばレールを外れたような感じで。自分はこのままで大丈夫かなとか思っているとやっぱり、何も気にせずに久しぶりに会おうぜって言えないなと思ったんです。もっと頑張らないといけないなっていう気持ちがあったし、でも、レールに乗っている人は乗っている人で新しい場所で、新社会人として壁にぶつかってつらそうにしているのとかが、連絡せずともSNSとかから感じ取れて。そんな大変なんやって思うと、頑張ってほしいなと思うし、そいつがつらそうになるほど、僕も今のままじゃあかんわって思ってました。
-社会に出て、期待と現実のギャップにぶつかったり、周りがうまくいっているように見えたり、いろんなことを肌で感じる時期ですね。
そういうなかで、自分はどういう人で、どうあるべきで、どう進んでいったらいいのかを考えたり、周りの人でも変化や、自分のアイデンティティとかで悩んでいるなってのがあったりして。でも、そういうのって、誰かに決められるものじゃないんですよね。誰にどう言われようと、自分がなりたい姿になれるようにもがいて進んでいくものだし、自分もそうやって生きていくぞという決意も込めて、この曲ができました。
-この曲の、"ありのままじゃなくて思うままの自分になるだけ"という内容が、すごくいいなと思いました。この思いのままっていうのは、ちゃんと前を向いている証拠でもありますね。
そうですね。例えば、僕が急にヒップホップとかを歌い出したら、なんで急に? とか絶対言われると思うんですけど、でも、それは誰かに言われて決められるもんじゃないし、僕が明日からラッパーになるって決めたんやったら、それが正しいだろうし。ただそこには覚悟がいるし、本当にそうするのであれば、血を流して涙を流してもがいていくということが必要で。何か目立つことをすると、バカにされたり、妬まれたりとかもありますけど──僕もそういう気持ちが結構強いほうですけど、でも、その人が信念を持って頑張り続けたら、この人すごいって思う。じゃあ自分もそう思われるくらいまで、妬み僻みを超越して、誰も文句が言えなくなるくらいまで、自分が思うままにならないといけないなと感じたんですね。
-決意表明のような曲だったわけですね。
たしかにそんな感じだったかもしれないです。
-軽快で、シンセ・ベースが入った'80sっぽい雰囲気のアレンジですが、どういったイメージからだったんでしょう?
アレンジに関しては、アレンジャーの方が素晴らしいアイディアを出してくれたというのがありますね。僕が打ち込みで作ったデモからは、だいぶ変わってはいるんですけど、ただ曲の持っている軽快さとかは生かしてくれています。サビの部分が、サビなのに、ドラムのテンションがいったん落ちる感じがあって(笑)。でも、その感じが歌詞とマッチしていて、ほんまイメージをぶち壊してもらえたなって思いました。あとは最初1番、2番のBメロはジャジーなピアノを入れる想定をしていたんですけど、それがなくなって。でも、どこかしらに入れたいと話をしていたところ、じゃあ2番のAメロに全部ぶち込んでみようっていう。
-1番の感じとはまた違った展開で、一気にいろんな音が加わって、ボリューム感と華やかさが出ています。
そこまでのイメージがまたさらにぶち壊れていってますね。自分だけではこのアレンジのアイディアには行き着かなかったなと思います。それこそ今までライヴハウスで黙々とひとりでやってたなかで、今の事務所に出会って。頑張っていたからこそここにたどり着けたというのが、めちゃくちゃ嬉しかったです。このアレンジが入ったデモを聴いたときは感動しました。自分の曲なのにあれですけど(笑)。
-後半に"ルララルララ"という合唱っぽいコーラスが入るところがありますね。これは先ほど話に出たアカペラ・サークルで作った、「兄弟」という曲があったからこそっていうのはあるんですか?
もともとこれはアレンジャーの方のアイディアで、自分がこだわって入れた部分ではなかったんですが、僕も聴いたときはすごくいいなと思ったし、ちゃんと曲を理解してくれているなというのがありました。実際、あの"ルララルララ"っていうのは、アカペラで出会った方や友達に入れてもらっていて、そこもすごく気に入っている部分ですね。
-「ライブハウスブレイバー」はアコースティック・ギター1本で勝負するような感じや、シンプルなバンド・サウンドで歌のドラマを描く曲でしたが。「兄弟 II」はアレンジでも面白く聴かせられるし、よりポップさ、キャッチーさが映える曲で、これからの近石さんの音楽的な広がりに楽しみが増えた曲でした。
今までの僕を見ている人は、まさか僕がMVでエレキ・ギターを持つとは思っていないと思います(笑)。そこがどう受け入れられるのかは心配ではあるんですけど、だからといって、それこそ思うままにしたいっていうメッセージも含まれているので。そこは、歌詞を聞いていただければ自ずと納得できるような、でも曲自体はかなり攻めているみたいな、ちょうどいいところを狙えているんじゃないかなって個人的には思っています。
-この先にいろんな作品を見据えていると思いますが、制作は順調な感じですか?
「ライブハウスブレイバー」と「兄弟 II」でも、ガラッと変わっているイメージではあると思うんですけど、そこからもまたガラッと変わっている曲がどんどん続いていきます。現在進行形で書いている曲とかもまた変わっていて。今、作曲の目標で1,000曲書くというのがあって、めちゃくちゃ曲を量産しているところで、その中からいいなって思えるものを捨て曲がない感じで出していこうというところですね。いい曲を届けたいし、自分の作曲の能力をどんどん高めていきたいなと思っています。
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