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INTERVIEW

Japanese

まなつ

 

まなつ

Member:いたやボーイ(Ba/Vo) アリー(Gt/Cho) ほたて(Dr/Cho)

Interviewer:石角 友香

"ここでこういうことやるバンドいなくね?"って狙ってる時点で自由じゃないので、まなつは変に狙わない。そこが自由だと思います


-そして「カシオレ」。これはカシスオレンジのことですか? カシスオレンジで二日酔いになるほど飲めなくないですか(笑)。

いたやボーイ:大学生のときですねぇ(笑)。慣れてないから、カシオレから入るんだけど、二日酔いになるぐらいバカみたいに飲むんですよ。振られて"バイト行きたくない"までいってるんです。バイト行きたくないし、二日酔いだし、悲しいし。大学生のときそうだったな、と。

-そういう内容なんだけど、モータウン・ソウルっぽい名曲感バリバリありますね。

いたやボーイ:曲は僕が全部書いて、アリーさんに投げたらこういうタイトルとテーマになったんで。

-アリーさんとしては自分が担当する歌詞はこういう内容にしようと?

アリー:そうですね。こんなんにしようかなと書き出してって感じです。曲自体は冬っぽいアレンジで、いろんなことを引っ張り出してきて。ちょっと振り切っていた若者の中のその層に届けばいいなって曲にしたくて、大学1年~2年ぐらいの、18~20歳ぐらいの人への曲というか。最終的に"頑張れ"っていう感じで。

-そして「20XX」。ハンドクラップや、ソウルっぽいベースで、聴く人も入っていきやすそうな。

いたやボーイ:音楽的にはわりと新しいことやったなっていう感覚があって。

-内容も新しいですよ。未来の自分への手紙って書きました?

いたやボーイ:これはアリーさんの実体験。

アリー:これ、曲を書くときに来たんですよ。"10年後の自分へ"っていう手紙が、中学3年生のときの担任から届きまして。大した内容じゃなかったんですけど(笑)、中学の友達とかも"来た来た"って連絡してきて、みんなのも読んで、"あの頃こうだったね"ってめちゃめちゃ笑いましたね。

-中学生の自分は真面目なこと書いてたんですか?

アリー:みんな真面目に書いてたんですけど、僕は3行ぐらいしか書いてなくて。ほんと大したこと書いてなくて、"お忙しいとこすみません"みたいな書き出しで、"衝撃のラスト期待してます"で終わりでした。中3の僕が何を思ったか知らないですけど、ほんと、その3行ぐらいで、"衝撃のラスト期待してます"って、おバカがバレるかもしれないですけど、めちゃめちゃ笑いましたね。

-それはいたやさんにはヒントになったんですか?

いたやボーイ:基本的にそういう体験を聞いてアリーさんの気持ちをわりと大事にしたんです。"これからもずっと一緒にいようね、ズッ友!"みたいな感じではない絶妙な感じ。昔を思い出したりしつつも、何年も先じじいになっても、一緒にいる自信があるんですよね。ずっと一緒にいようねっていう意思確認じゃなくて、じじいになったら、どうせいるでしょっていう腐れ縁感。なんだかんだ仲良くする友達ってこういう歌詞みたいな人たちだと思うんです。毎日顔つきあわせて飲み会してるんじゃなくて、気まぐれで連絡取って、気まぐれで飲みに行ってっていう、絶妙な友達感がいいなと思ったので、そのまま大事にしました。

-なるほどね。ところで、今回のアルバムにおける自由さってなんなんでしょう。もしくは、まなつってバンドが自由だという証明というか。

いたやボーイ:"ここでこういうことやるバンド、他にいなくね?"とか、"ここでこういう歌詞書いちゃうバンド、いなくね?"みたいなのを狙ってやるのは、狙ってる時点で自由ではないので。素直に"こっちのほうが絶対かっこいいでしょ"、"いや、こっちのほうが好きだな"みたいな話が一番多いんです。そこが自由かな。自由にやるって、履き違えるとたぶん自由じゃなくなるんで。どっちのほうがいいかなって話をするときに、まなつはみんな"こっちのほうがイケてる"とかっていう表現しかしないんで、変に狙わないところが自由かなと思います。それが例えば流行ってるものや、昔流行ったものに乗っかってるかもしれないですけど、現状好きなもの、いいと思うものをやるっていう自由さはアルバム全曲通してあるのかなと感じますね。

-狙わなくてもこうなるのは強いと思います。そして、ちょっと試みという意味で「拝啓」のフォーキーさが新鮮で。ピアノも入ってるけど、全然違和感ないですね。

いたやボーイ:この曲は珍しく逆のパターンでアリーが曲だけ書いてきて、僕が最終的にテーマを決めて歌詞を書いたんですけど、そのまま感じたように読み解いてくれたらなと思います。まぁ、言っちゃうと僕のじいちゃんのことなんです。結構難しい言葉をくれるんですけど、僕がバンドをやることに反対も賛成もしない、常に疑問を投げ掛けてくる人で。アドバイスをくれるわけじゃないけど、なんか迷ったらとりあえず会いに行けばみたいな存在だったので、そういう人がいなくなって、でもまぁ悲しんでてもしょうがないからみたいな気持ちで書きましたね。

-"結局お前はどうしたいんだ"っていうのを聞いてくれる人ってことだから、そういうふうに接してくれる人は大事ですよね。でも、今度は自問自答していくしかない。

いたやボーイ:そうですね。もうここから先は自分で答えを見つけていかなきゃいけない。

-終盤も「なんて日だ」と「光芒」に繋がるし。全体に流れがありますね。

いたやボーイ:「光芒」が最後っていうのは、ほぼ決まってて。そこにどう持っていくかっていうのはかなり話し込んで決めました。

アリー:「なんて日だ」とかは、"いい曲できた!"みたいな感じだったんです。「なんて日だ」、めちゃめちゃいいので聴いてほしいですね。

-このアルバムはリスナーを限定しないと思うし、ライヴができるようになってきたら、意外なところまで届いてるかもしれないですよ。

いたやボーイ:届くと思います。

-そういうバンドとして台頭してほしいです。そして12月、1月にはついにライヴが開催されますね。

いたやボーイ:大阪(12月15日心斎橋Pangea)は対バンがあって、1月はワンマンで。

-1月30日は下北沢SHELTERですね。まなつはあのスペースにハマると思います。

アリー:ハマって見せます(笑)。なので、観に来てくださいって感じです。