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INTERVIEW

Japanese

The Biscats

2020年11月号掲載

The Biscats

メンバー:Misaki(Vo) Kenji(Gt) Suke(W.Ba) Ikuo(Dr)

インタビュアー:山口 智男

2016年、J-ロカビリー・シーン待望の女性シンガーとしてキャリアをスタートさせたMisaki(青野美沙稀)は、2019年3月新たに始動したThe Biscatsとしてバンド名義での初作品となるミニ・アルバム『Cat's Style』をリリース。以来、約7ヶ月ぶりとなるリリースの今作、1st EP『Teddy Boy feat.TeddyLoid』はDJ/プロデューサーとして活躍するTeddyLoidとのコラボレーション。The Biscatsが掲げるハイブリッド・ロカビリーはさらなる進化を遂げている。

-もともと、MISAKI & The JACKPOTとして活動していたみなさんが、19年3月にThe Biscatsと改名したのは、どんなきっかけからだったのでしょうか?

Misaki:もともとソロ・デビューして、そのあと、彼らと活動するようになったんですけど、実は最初、私はバンドにしたいとはあまり考えていなかったんです。あくまでもソロとして、その活動をサポートしてもらいながらずっと活動していきたいと考えていたんですけど、彼らとツアーを回ったり、いろいろなイベントに出演させてもらったりするうちに、今の時代に合ったロカビリーを自分たちで作って、新たなロカビリー・ブームを作りたいという思いや、ロカビリーに対する情熱について、4人で話し合う機会が増えていって。だったら、ひとつのバンドになったほうがより発信力も増して、いいんじゃないかなと思ったんです。それに4人でひとつというほうがそれぞれの責任感も生まれるじゃないですか。

Suke:それにロカビリーって、バンドでパフォーマンスするのが一番かっこいいと思うんですよ。

-Misakiさんはどんなところで、彼らとだったら一緒にやっていけると思ったのですか? 

Misaki:バンドになりたくなかった理由というのが、バンドやグループって揉めたりとか、メンバーがやめたりとかがあるじゃないですか(笑)。そういうのがイヤだったんです。周りでもそういう話を耳にしていたので、だったらひとりでやったほうがいいと思っていたんですけど、この3人とはぶつかることがほんとなくて。きっと相性がいいんでしょうね。4人ですごくバランスが取れるんです。もちろん、ロカビリーがすごく好きで、熟知しているということも大きいですけど、一番は人間性なのかなって思います。

-3人はバンドになってから音楽に取り組む気持ちは変わりましたか?

Ikuo:以前はバック・バンドという立ち位置だったんで、一歩退いたうえで何事も進めてしまうスタンスだったんですけれど、バンドになったことで、同じ温度感や責任感で一緒に臨むように自然とスタンスが変化していきました。例えば、ライヴのパフォーマンスについて、みんなで一緒に考えるとか。さっき言っていた責任感と重なるんですけど、一緒にものづくりできるぞって思うようになったのが一番の違いかなと思いますね。そっちのほうが生み出すものに愛情も持てますし。そういう意味では、できた作品もそれまでよりもグレードアップしていると思います。

Suke:ライヴしたときのお客さんの反応も変わりました。ロカビリーってドラムもベースも花形になれるんですよ。ウッド・ベースはデカいから自ずと目立つし、ドラムもスタンディングで叩くし、みんなかっこいい(笑)。それをバンドになったことによって打ち出せるようになったのは、すごくデカいんじゃないかな。よりパワーアップしたと思います。

-ロカビリーに対する思いという言葉が出ましたが、3人も"ハイブリッド・ロカビリー"と掲げているMisakiさんと同じように、ロカビリーに現代の音楽の要素を加えて、新しいものにしていきたいと考えているんですよね?

Suke:そうです。自分たちも東京に来る前からロカビリー・バンドをやっていて、そのときから新しいロカビリーというものを意識していたんですよ。Misakiから一緒にやらないかと誘われたとき、ソロ名義(青野美沙稀)で発表した「sweet drive」(2016年リリースのミニ・アルバム『1959 ~Magical Rockabilly Night~』収録)という曲を聴かせてもらったんですけど、"このサウンドが一番やりたいものだ!"と思いました。

-そんな4人にとってロカビリーの魅力とは? すでに何度も話されているとは思うのですが、改めて聞かせてもらえないでしょうか。

Misaki:じゃあ、1個ずつ言っていきますね。私は音楽だけじゃなくて、ファッションとかライフスタイルとか、そういういろいろなもので楽しめるところが魅力のひとつだと思っています。

Suke:音楽としてはもちろん、シャッフルの跳ねるリズムが気持ちいいっていう魅力があるんですけど、見ても楽しいんです。例えば音がなくても、パフォーマンスを見ているだけでも楽しくなれるところがロカビリーの魅力だと思います。

-ウッド・ベースをくるくる回したり、馬乗りしたり?

Suke:そうです、そうです。

Misaki:華やかだよね。

Ikuo:間口も広いんですよ。今回、僕らも電子音を使っていますけど、そういうイマドキの音楽を入れても違和感が全然ないんです。無理して新しいものを作らなくても、自然と新しいものになる。そこに可能性を感じます。いろいろな国にいろいろなロカビリー・バンドがいて、いろいろなジャンルに影響を受けた、それぞれに違ったロカビリーをやっているんです。ロカビリーをやりながら、新しいものを見つけられる楽しさがあるんですよ。

Kenji:50年代の世界観ですよね。ライヴを観ている人はたぶんユニバーサル・スタジオに行ったような気分になるんじゃないかな(笑)。そういう今の時代にはない世界観を体験できると思うんですよ。

Suke:50年代のアメリカって、今の時代から見てもすごく華やかに感じませんか? まさに、"古き良き"カルチャーの匂いも一緒に感じ取ってもらえると思います。

-YouTubeで"ロカビリー バンド、ビスキャッツが「〇〇〇」をやってみた!"と題して、いろいろな曲のカバーを発表していますね。

Misaki:新型コロナウイルスの影響でツアーはできないけど、YouTubeなら遠くにいる人たちにも届けられると思って始めたんです。せっかくYouTubeを使うんだから、自分たちしかできないことをやりたいと考えたとき、J-POPや、昔の歌謡曲をロカビリーにアレンジすることだと思いました。

-そういう曲をカバーすることで、ロカビリーの魅力を広げていけたらという意図もあるのですか?

Misaki:はい。若い世代に知ってもらえるきっかけにもなるんじゃないかと思って。

-かなり幅広い選曲は、どんなふうに?

Misaki:私が歌いたいと思った曲をみんなに伝えて、一番かっこいいアレンジができる曲を相談しながら決めています。NiziUの「Make you happy」は、これをロカビリーにするアイディアは絶対、世界のどこにもないだろうと思いました。

-Misakiさんが生まれる以前の歌謡曲も取り上げていますね。

Misaki:麻丘めぐみさんの「わたしの彼は左きき」とか、太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」はそうですね。昔のヒット曲を特集しているテレビ番組でたまたま聴いたとき、いいなと思ってカラオケで歌っていたんですよ。

-音楽の聴き方がニュートラルなんですね。

Misaki:普通にいろいろな音楽を聴きますね。ラップも聴くんですよ。

-和田アキ子さんの「古い日記」がかっこいいと思ったのですが、みなさんそれぞれに気に入っているカバーというと?

Misaki:私は松田聖子さんの「青い珊瑚礁」が好きです。

Suke:あんしんパパの「はじめてのチュウ」(笑)。

Misaki:あのグルーヴ感は最強だよね。自分たちで言っちゃいますけど(笑)。一発OKだったんですよ。

Ikuo:僕はNiziUかな。僕も最近の曲、結構聴くんですけど、あえてそこは選曲から避けているところもあって、やってなかったんです。あいみょんさんの「マリーゴールド」もやってるけど、2年前の曲じゃないですか。まさに今、話題の最新曲っていうのはあれが初めてで、その中で自分たちらしさを出すのは面白かったですね。原曲を聴きながら、こういうふうにアレンジしたら面白いだろうなって想像力を膨らませながら取り組めたのは楽しかったです。

Misaki:お揃いの服も着たしね(笑)。

Ikuo:あれ、恥ずかしいで(笑)。

Misaki:なんで? かわいいじゃん(笑)。