Japanese
鶯籠
2020年03月号掲載
Member:PINOCO ʚ✞ばんぱいあ✞ɞ からあげ 点点 駄好乙
Interviewer:宮﨑 大樹
-メジャー・デビュー・シングルの表題曲「FLY HIGHER AGAIN」は、作曲、編曲がRENO(ex-ViViD)さん、ドラムのアレンジが淳士(ex-SIAM SHADE/BULL ZEICHEN 88)さん、ベースのアレンジがIKUO(BULL ZEICHEN 88/Rayflower)さんと、本当に錚々たるメンバーで、そのあたり、メジャーであることを生かせていますよね。
からあげ:メジャー・デビューをしないとできないことですよね。作詞もふなっしーさんですし、このジャケット写真もメジャーじゃないとできなかったと思うんですよ。そういう意味では、メジャー・デビューができて単純に嬉しいですね。
-リリースを迎えての気持ちはいかがですか?
駄好乙:リリイベからリリースまでがあっという間でした。家族とかにも楽しみにしてもらっているから、改めて頑張りたいなって。あと、円盤として出されたものが店に並んでいるのを想像するとニヤけます(笑)。例えばですけど、数年後になって"あ、このメジャー1stシングルが出されたときはすごく嬉しかったな"とか、回顧できる作品なんじゃないかなと。大事にしていきたい曲なので、数年後の自分や、来てくれている人にとって思い出深い曲になればなと思います。
-まだリリース前(※取材は2月18日)ですけど、すでにライヴではめちゃくちゃ盛り上がってましたね。
駄好乙:そうですね。最初の"FLY HIGHER AGAIN"っていうところでみんな叫んでくれるんですけど、そこがすごくいいんですよ。
-本作のレコーディングはいつごろだったんですか?
ʚ✞ばんぱいあ✞ɞ:去年の12月ごろですね。これまでやってきたレコーディングと違ったので、そこも"メジャーだな"って思いました。設備も全然違ったし、レコーディングをやってくれる人もすごかったです。
駄好乙:かなり丁寧にレコーディングしました。今までに出してきた作品は録り貯めていたものが多かったんですけど、今回は両方とも新しく制作してレコーディングしています。
-ではここから、それぞれの曲に迫っていこうと思います。「FLY HIGHER AGAIN」は、メジャー・デビューを勢いづける、疾走感のあるテクニカルなロック・ナンバーですね。
駄好乙:ギターだったり、最初のドラムやメロディだったりがすごく好きなんですけど、実は英語がガッツリ入った歌詞はこれが初めてで。
ʚ✞ばんぱいあ✞ɞ:なので、レコーディングでは苦戦しました。
駄好乙:でも、鶯籠っぽい歌詞だなと思います。ふなっしーさんが鶯籠を観て書いてくれた歌詞なので、嬉しいですね。
-まさかのふなっしーさんが作詞ですけど、駄好乙さんと同じ船橋出身という縁で決まったんですよね。
駄好乙:ふなっしーさんの作詞を発表したのは"梨 2019 vol.2"というイベントだったんですけど、ふなっしーさんに"vol.1"を観てもらって書いてもらうことになったんです。
-言われない限りは、まさかふなっしーさんが作詞をしていると思わないですよね。
駄好乙:"梨 2019 vol.2"のイベントまで、私以外の4人は知らなかったんですよ。映像で発表したんですけど、みんなビックリしてましたね。
-(笑)ふなっしーさんの歌詞を読んで、歌って、どう感じましたか?
点点:あのふなっしーさんがこんなにカッコいい歌詞を書くんだって思いました。RENOさんが作曲した曲は、歌うのが難しかったですね。最初に披露したときは、落ちサビがうまくいかなくて。だんだんと改善しているところです。
-ところで「FLY HIGHER AGAIN」は、MVがお蔵入りになったそうですね。
ʚ✞ばんぱいあ✞ɞ:そうなんですよ、2日間くらい山奥で撮ったんですけどね。実は自分たちも観てなくて。
-きっと、かなり攻めた内容だったんですね。
ʚ✞ばんぱいあ✞ɞ:自分たちの感覚的にはそういう感じがしてなくて。今までのMVはきれいなものばかりで、今回はあえて賛否両論がありそうなものにしたんですけど......ダメって。なので、"ゴッドタン"のエンディングでは当たり障りのない部分だけをオンエアしていただいています。
-カップリングの「壊す力は、生む力」は、シリアスというか、もがきながらも前を向くような曲です。
ʚ✞ばんぱいあ✞ɞ:「壊す力は、生む力」は、まだライヴでやっていないんです。今後もライヴでやるかわからないので、買わないと曲が聴けないんですよ。なので、カップリングのほうが楽しみっていう人も意外といましたね。
駄好乙:最初はいまいちピンとこなかった部分もある歌詞だったんですけど、今の自分が読み解いていくと理解できる歌詞でした。最近"自分を変えたい"って考えているんですけど、それって"壊す力は、生む力"なんじゃないかなって。人間って、最初は誰しも弱いと思うんですけど、強い自分になるためには、弱い自分を壊すっていうその例えが当てはまるなって。"今までの自分は弱かったな"って感じることが本当に多くて、この曲は今の自分だなって思いました。
点点:共感できる言葉が多いです。レコーディングは「壊す力は、生む力」のほうがやりやすかったですね。今までの経験を生かせたというか。
-ʚ✞ばんぱいあ✞ɞさんは、曲にどんな印象を持っていますか?
ʚ✞ばんぱいあ✞ɞ:私は、感情の起伏が少ないタイプなので、歌詞に共感するっていうのが苦手なんです。こういう歌詞を読んでも"わかるけどわかってない"みたいな感じなんですよ。だから、そういうところを壊していかないといけないよなって思います。駄好乙とは違う目線で、直していかなければいけないって感じた曲ですね。ライヴも、共感できていないと感情的には歌えないので、上手く歌うではなく、伝えて歌うのができるようになりたいです。関係ないんですけど、クレジットの"©株式会社ナベカヰ"って面白いですよね。
-そうなんですよ。まさかの、実在する会社のコピーライトが曲にあるという(笑)。
ʚ✞ばんぱいあ✞ɞ:"壊す力は、生む力"は、その会社のスローガンみたいで。
-からあげさんはいかがですか?
からあげ:「FLY HIGHER AGAIN」も「壊す力は、生む力」も、どっちも自問自答している曲だと思うんですけど、鶯籠の曲って聴く人によって感じることが違うんですよ。正解はないんですけど、私は「壊す力は、生む力」が先にあって、そこから強くなって「FLY HIGHER AGAIN」に移り変わるように感じています。
PINOCO:私も、時系列的に「壊す力は、生む力」から「FLY HIGHER AGAIN」だと思っています。「FLY HIGHER AGAIN」で、強さを手に入れた感じはするんですけど、まだ自分自身は歌詞に到達できていない気がするんですよね。"変わろう、変わろう"と思いつつも逃げてしまうことがあって。どこからどう変わっていけばいいんだろうとか考えて、答えを出すけど、それが違うこともありますし。それって、みんなにあることだと思うんですよ。そういう"あがき"を歌う曲は、共感してもらえるのかなと。「FLY HIGHER AGAIN」を歌っていると、自分自身が勇気を貰えるところもありますね。
-リリース後にも、たくさんライヴがあると思うんですけど、3月29日には"二周年記念公演 Day.2 - 本祭 -【東京キネマ倶楽部】"がありますね。恵比寿LIQUIDROOM公演を経てライヴへはどんな意識をしていますか?
駄好乙:まだまだこれからですね。自分たちでわかっていない部分を見つけて、それを噛み砕いていってという形でやっていきます。
-ステージとして目指してる場所などはありますか?
駄好乙:見据えていることはありますけど、すぐになんてできないわけで、段階を踏んでできていければなという感じです。
-鶯籠のみなさんがメジャー・デビューを掴んだのって、そうやって一歩ずつ着実に積み重ねてきたからという感じがしますもんね。
駄好乙:そうだと思います。自分たちが答えだと思っていることに向けて、計画的にやっているので、それを間違えなければ、自分たちの想像している道を歩めるのかなと。
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